「木と紙


タラジュ(アンペラノキ)「多羅樹」

ヤシ科の常緑高木。

高さ20〜24m、直径1mにも成長します。材は硬く塩水に強いので建築・造船用に利用します。
樹液からはシュロ酒を作ったり、砂糖を搾ります。はむしろ(アンペラ)・扇・帽子などの材料に利用します。
用途は多くインドのタミール地方では800種類もの使い道が古くから歌で伝えられています。

シュロ「棕櫚・棕梠・椶櫚・種路」

ヤシ科の常緑高木。

中国から渡来。日本産のシュロは大きく、幹は褐色の繊維で覆われています。
この皮から箒・縄・刷毛を作ります。
材は柱・皿・鉢・盆・撞木に、は晒して夏帽子や敷物に利用します。

左 2000/09/05 自宅の畑で撮影
右 2001/04/07 シュロの 近所の庭で撮影
コウゾ(カミノキ・カゾ)「楮」

クワ科の落低木。

高さ3〜7mにもなり、毎年刈り取ってもすぐに2mにもなります。岩手県以南の日本や東南アジアでも栽培されています。
コウゾの名前は紙の材料としていたカミソ(紙麻)が変化して付きました。
繊維が長く丈夫なので、壁紙・襖・障子紙等に使われます。
私の書いたコウゾのイラスト

ミツマタ(サキクサ)「三椏・三叉・黄瑞香」

ジンチョウゲ科の落低木。

ヒマラヤから中国 を経由して室町時代に日本に伝わりました。枝が三本に分かれているので「三叉」と呼ばれ ています。繊維が短く弱いのですが、紙にすると艶があり美しいので、日本の紙幣はミツマタ紙を使って います。

2001/04/09 知人の山で撮影

ガンピ「雁皮」

ジンチョウゲ科の落低木。

コウゾと同じように紙の木と呼ばれています。六月から七月頃黄色のを付けます。
繊維が細く独特の艶があり、虫や水に強く変色しにくいので、ガンピから作られた雁皮紙は書類や本の表紙に使われています。
私の書いたガンピのイラスト
私の書いたノリウツギのイラスト ノリウツギ(サビタ・ノリノキ・ノリ・ネリ・ノリダモ・トロロノキ)「糊空木」

ユキノシタ科の落低木。

北海道ではサビタと呼ばれています。皮の内側がベトベトしているので、和紙を漉くときの糊(ネリ)に使います。アジサイに似た小さなを付けます。
幹が中空なのでパイプやステッキを作ります。

ノリウツギの写真は金剛山だよりHPよりお借りしました。

アジサイ(シチヘンゲ)「紫陽花」 

ユキノシタ科の落低木。

アジサイの語源は、(味狭藍)で狭藍は青い花を意味し、味という字は褒め称えるという意味があり、青いを褒め称えて付いたと言う説と、群れてが咲くことから 鴨多率(アジサハイ)が訛って名付けられた説とがあります。
アジサイは土壌の酸性度によって色変わりをすることから、 七変化ともばれています。

種子ができないので挿し木や株分けで増やします。
は解熱剤として、はマラリア性の治療薬 として使います。


2001/06/09 千早赤阪村 山燈で撮影
私が造ったペーパークラフトの鸚鵡

私が造ったペーパークラフトのオウム
の間伐材の半割に付けたサルスベリの枝に
止まっています。
オタキサンアジサイの学名に」

アジサイの学名はヒドランゲア・マクロフィラ・オタクサ(Hydrngea macrpylla otaksa)といいますが、オタクサという名前は「オタキサン」が訛った名前なのです。

シーボルトはドイツの医学者・植物学者として1823年長崎出島のオランダ商館に赴任し、日本の動物・植物・歴史などを研究していますが、その時愛した日本人の女性の名前が「お滝さん」だったのです。

シーボルトは愛しい「お滝さん」の名前を飼っていたオウムに覚えさせようとしたのですが、「オタキサン」が「オタケサン」に訛り、オウムも「オタケサン」と覚えてしまったのです。

オウムに言葉を教えるときに「オタケサン オタケサン」 といいますがこれが伝わったもの。

お滝さんは元々長崎丸山の遊女で、本名は本滝といい、源氏名を其扇といいました。
シーボルトは1862年に帰国し、「日本植物誌」を出版していますが、愛しい「オタキサン」の名前をアジサイの学名に「オタクサ」として残したのです。
サネカズラ(ビナンカズラ)「真葛・美男葛・美男石」

モクレン科の常緑蔓性低木。

冬にの裏が濃紅紫色になります。
集にも読まれており、古くからは強壮薬として利用されてきました。
一名をビナンカズラというのは、蔓の煎じ汁(現在のシャンプーの代用)で
毛髪を洗うと毛の質が良くなり、美男になったからだそうです。
茎の粘性は製紙用または鬢付油の材料に利用されています。

女性が使えばビジョカズラ

サネカズラの写真は森林の災害調査の時に採取 自宅で撮影 2000/11/14
私の書いたサネカズラのイラスト

私の書いたアオギリのイラスト アオギリ(ゴトウ)「青桐・梧桐・蒼梧・碧桐」

アオギリ科の落高木。

木の皮が緑色でに似ているのでこの名前が付きました。
六月頃には黄緑色の小さなを咲かせます。九月にはエンドウマメのような舟型のを付けます。樹皮は強く紐として利用したり、繊維からは布を織りました。

材は建築・家具などに利用し、種子は炒って食用にします。

アオギリで閏月が判る」

中国の古い書物には「鳳凰は梧桐林に住み、を食べている」と書かれており、は目出度いことの意味に使われていました。
また、アオギリで閏月を知ることができたともいわれています。
平年にはは十二枚しか付かないのですが、閏年にはは十三枚付き下から毎月数えて小さいのあたるところが閏月だと知ることができたのだそうです。

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アンペラ:カヤツリグサ科の多年草。茎は高さ0.5〜2m直径約3mmで、長く横に伸びる地下茎から直立する。茎は打って平らにし、敷物・袋・帽子などを編む。アンペラ草。
1 鐘などを打ち鳴らす棒。仏具の一種で丁字形。ここでは釣り鐘を突く棒。
2 室町時代以降遊郭が公認されてからの公娼・私娼
3 源氏物語五十四帖の巻名にちなんで付けられた女官の名。ホステス等の呼び名。
4 菜種油等と晒木蝋に香料を混ぜて作った固練の油。相撲取り等が髷に付ける。

サルスベリ
(サルナメリ・ヤマコウバシ・ナツツバキ・ヒメシャラ・リョウブ・ヒャクジツコウ)「紫薇、百日紅」


ミソハギ科の落高木。

中国南部原産で、観賞用に庭木や盆栽にされる。
木の肌がなめらかで猿も滑り落ちるというところからこの名前が付けられました。
樹皮は淡赤褐色で平滑、ところどころにこぶがあります。。は楕円形で対生。
夏から秋に紅色または白色の小さな六弁が密生します。

サルスベリ
シマサルスベリの雑種をムラサキサルスベリ(コサルスベリ)といいます。
大人のサルだけでなく子供のサルも滑ります。受験生のある家では庭にサルスベリを植えないように。
材は緻密で堅いので細工物に使用されます。
ナツツバキなつ‐つばき【夏椿】 ツバキ科の落葉高木。山地に自生。
高さ約10メートル。幹の肌は滑らかな黄褐色で、サルスベリに似る。葉は楕円形で、裏面に絹毛を生ずる。
6月頃、葉腋に大きな白花を1個ずつ開くが、開花後間もなく散る。庭木とされる。娑羅樹。

リョウブ(ハタツモリ)「令法」
リョウブ科の落葉小高木。日本にはこの1種だけある。高さ約2〜5メートル。山地に自生。6月頃、白色の小五弁花を長い穂状につける。材は諸種の器を作り、若葉はおひたし。ご飯に炊き込んでリョウブご飯煮て食用とする。古名はハタツモノリ(畑つ守)。
リャウブ科の落葉小高木。各地の山地に生え、庭木ともされる。高さ二〜五メートル。樹皮は茶褐色または灰褐色で、なめらかで斑状にはげる。葉は楕円形で長さ一〇〜一五センチメートルになり縁には鋸歯がある。初夏、先の深く五裂した白い小花を密につけた花穂を枝先に数本出す。果実は球形で径約五ミリメートル。材は粘り強いので背負子・農具の柄・器具や細工物、上品の薪炭材になる。若葉はゆでて食べられる。漢名に令法・山茶科を当てる。
黒部地方ではウシノクソと呼ばれています。よほど役に立たないのでしょうね!(>_<)