「木と月 


お屠蘇にも木が使われています。  

元旦にお屠蘇を飲むと、一年間の邪気が払われ寿命が延びると言われています。  
お屠蘇は屠蘇散の入った酒のことで、平安時代に元旦の儀式として中国から伝わりました。年始の風習として一般に普及したのは江戸時代。  

お屠蘇散には、山椒肉桂・桔梗・防風・白朮・蜜柑皮が配合されており、山椒肉桂は体を暖め、桔梗は除痰作用、防風は風邪の薬、白朮は健胃利尿作用があり、
香料としての蜜柑皮の入った薬用酒なのです。   

屠蘇散   魏の名医華佗が処方したと言われる年始に飲む薬。屠蘇袋に入れて酒・みりんに浸して飲む。  

屠蘇の語源

  1. 邪気を屠滅し、人魂を蘇醒することから。
  2. 「蘇」は鬼の名前で、これを屠割するという意味。
  3. 屠蘇という庵に住む人が、疫病予防のため、除夜に薬を配り元旦に水に浸して飲ませていたことから。
  4. 中国西域の薬草(トソ「蘇」)を主な材料としたことから。  


サンショウ「山椒」  

ミカン科の落低木。  

日本各地の山地に生え、中国・朝鮮にも自生しています。高さ約3m。枝にとげが対生します。は小形の羽状複葉。  
春に小枝の先端に五弁で淡黄緑色の小を多数密生してつけます。雌雄異株。秋には球形の刮ハが赤く熟します。  
と果には香りと辛味があり、若は木の芽和えや木の芽田楽の材料として、果は香味料および健胃・回虫駆除薬に、
材はすりこぎに使用します。 古称、はじかみ。漢名、蜀椒。
擂り粉木 レンギ あたり木

イヌザンショウ「犬山椒」  

ミカン科の落低木。  

原野・川端に自生。サンショウに似ていますがの香りなども悪く、役立たないのでイヌザンショウの名前がつけられました。  
刮ハは煎じて咳止めの薬や乳房のはれものの湿布用としました。また、の粉末は打撲傷に外用薬に使用します。  
トゲが互生するのでサンショウと簡単に見分けられます。   結構役にたってるジャ〜ン!

山椒は小粒(こつぶ)でもぴりりと辛い   

山椒は小さいが非常に辛いところから、からだは小さくても、気性や才能が非常にすぐれている人のことを言うたとえ。  

ニッケイ(ニッキ・シナモン)「肉桂」  

クスノキ科の常緑高木。  

インドシナ原産の香辛料植物で中国の雲南省、ベトナムなどに自生し、享保(1716〜1736)年間に、中国から輸入されました。  
高さ約10m。樹皮は緑黒色で芳香と辛味があります。古来から香料として使われてきました。  
夏に腋から長い柄を伸ばし、黄緑色の小さいをつけます。は対生し、革質で厚く、長楕円形三本の目立った脈があります。   
は長楕円形で黒く熟します。  ニッケイの樹皮(桂皮)・皮を乾燥したものを肉桂皮といい。
香辛料・健胃薬・矯味矯臭薬に利用、また、樹皮から油も採取されました。  

つきの羽にも木の種  

正月の遊びといえば、札、「赤短、青短みんなコイコイ」や百人一首、最近ではマイコンゲーム?  
伝統的な遊びといえば、男の子は凧揚げや独楽回し、女の子は羽つき。  
いまの羽子板には表に絵が書かれたり、役者絵などの装飾が施されていますが、このような形になったのは文化文政の頃、
それ以前は羽子板のことをコキイタ(胡鬼板)羽のことを(コキノコ)と呼んでおり、を裂いたものや、筒に紙を刺した物で遊んでいました。  
の黒い玉にはムクロジの果が使われています。  



ムクロジ(ムク・ツブ)「無患子・木ミ樹」  

ムクロジ科の落高木。  

本州の中部・南部、四国、九州の山地に自生。  
高さ約10〜15m。6月頃、淡緑色の5弁の小さなを大きな円錐状につけます。  
は直径約2cmの扁球形で黄褐色に熟し、内部に黒い種子が一個含まれています。   
種子は黒色で固く羽子板の羽の球に使用され、果皮はサポニンを含むので石鹸の代用としました。  
和名は、古くモクゲンジの漢名 木欒子がこの木の名前に当てられていました。