「木は神    平成10年12月1日新発売   大浦修一出版

 
   日本には昔から八百万の神々がいらっしやいます。森羅万象、あらゆる物に、あらゆる所に神様がいらっしゃるわけです。
もちろん木にも神様が宿っていらっしゃるのです。

 
   日本書紀のスサノオノミコトの話には、「日本は島国だから、舟がなければ困るだろう」と言われて、髭や胸の毛を抜いてまいたところ、
ヒノキスギクスノキマキが生えたのです。

 
そこでミコトはそれぞれの用途を示して、「ヒノキは宮殿に、スギクスノキは舟に、マキは棺の材に使え」と教えたと書かれているのです。

もともと木は神の髭や毛から創られた物なのです。

 「村の鎮守の神様の、今日は目出度いお祭り日、ドンドンヒャララ、ドンヒャララ、ドンドンヒャララ、ドンヒャララ・・・・・」

という歌がありますが、村落には鎮守の森があり、この森には注連縄の張った御神木としての老木がありました。
この注連縄も藁でないながら結び目を作ることで、老木の霊気を留め、神のエネルギーを結び目に導くことが目的でした。

あなたは今までに注連縄を張ったこのような老木をどこかで見たことがありませんか。
このような老木に霊が宿っていると昔の人々はその前にひざまずき、神様が降りて来るというので、「依代」(よりしろ)として崇めていたのです。

2001/06/09 観心寺で撮影

ハイキングや山登りでちょっと一服、「ヤッホー」
と山に向かって叫ぶ、返って来るのが「こだま」ですね!

この「こだま」にも昔の人々は人の呼びかけに木が答えてくれると考えて、「木霊」(こだま)という字をあてていました。

やはり木には霊が宿っているのです。
    
          

  石川県の鎌宮八幡神社には鎌が何本も打ち込まれてハリネズミのようになったタブの大木があります。
この神社には御神体がなく、この木自身が御神体となっています。
鎌は真新しい物、赤く錆び付いた物、樹皮に巻き込まれて瘤になっている物など合わせて二百数十丁が打ち込まれています。

  
なぜ鎌がうちこまれているかといいますと、昔この地方には妖怪がたくさん住んでおリ、土地の人々を苦しめていたそうです。
この土地を通りかかったタケミナカタノミコトという神様が、鎌で妖怪を退治し、村の人々に農耕や道路作りの方法を教えました。

   村ではこの神様に感謝するため、毎年七月二十七日に村の若者達が集まり、この木に鎌を打ち込んで神様に感謝することが習慣となったのだそうです。

鎌八幡の縁切り鎌
1999/01/30
鎌八幡エノキ写真追加
鎌八幡エノキ
大阪府の天王寺区にも鎌八幡というところがあります。
ここの境内のエノキの木にもたくさんの鎌が打ち込まれています。
大坂冬の陣のとき、真田幸村がここに陣を構え、
人々の信仰を集めていたエノキの霊木に鎌を打ち付けて祈念したところ
大いに戦勝をあげたのです。

は(エンノキ「縁退き」)とも呼ばれ、
縁切りの八幡様として有名ですが、病気や夫の浮気相手との縁切りで、
夫婦の縁切りは住職が絶対に許さないとのこと、
念のため!

      



昔田舎の方に行きますと雪隠(便所)の入り口に箱に木のヘラが数本入れてありました。

何に使うかと言うと紙の代わりに用を足した後この木のヘラで糞(便)を取り、使用後出口の別の箱に戻しておきました。

出口の箱が一杯になるとヘラを奇麗に洗い、入り口の箱に戻して再び使用したのです。(今はやりのリサイクルの始まりだったのです。)

この木のヘラは
「糞ベラ」といっていたそうですが、現在のトイレットペーパーの替わりをしていたのです。

木はまさに紙(神)として扱われていたのです。

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1 イザナギ・イザナミノミコトの子供で新羅に渡り樹木を持ち帰り植林の道を教えた神
2 樹木などに神霊がのり移り意志を表わすと考えられた
3 大国主命次男。武勇に勝れ、武神・農業神として祭られる。