1月は天気の悪い日が続き、なかなか山へ行けなかった。
2月に入り
天候も幾分安定し、久しぶりの山行となった。
登山口近くの空家に1本の柿の木がある。
誰もとる人がいないのか、
冬の遅くまで実が残り、
その実を求めてよく鳥たちが来るので注目している木だ。
今日も鳥たちが集まり、賑やかな様子だった。
双眼鏡で見ると
メジロが何羽もやって来ていた。
思い思いに柿の実に止まり、それをつついている。
メジロは甘い蜜が好きだ。
きっと熟した柿の果汁を吸っているのだろう。
飛び立ったり、止まったり、
忙しく実から実へと移動していた。
実がたくさんついた枝のまん中あたりに、
灰褐色の丸いかたまりが乗っていた。
枝でもない。
枯葉が絡まっているのとも違っている。
何だろう。
やがて
それは動き始めた。
かたまりから手が伸び、次に頭が見えた。
そして太い大きな尻尾も。
リスだ。
雪の上によく足跡を残すリスも、
私たちの前にはめったに姿を現すことはなかった。
この辺のリスは警戒心が強いのか、
人を避けているとしか思えない。
そのリスにこんなところで出会い、
その上食事風景まで見ることができるとは。
リスは体を伸ばして柿の実をつかみ、少しちぎりとった。
そして座り込み実を食べ始めた。
食べ終わるとすぐ手を伸ばし、
また実をむしりとる。
小さい手では一度に少ししかとれないので、
すぐに食べ終わってしまう。
むしっては食べ、食べてはむしり、
その繰り返しで一心に食べ続けていた。
しばらくすると枝を移動し、別のものに手を伸ばす。
一個全部を食べ尽くすのではなく、
あちこちの実を少しずつ食べていた。
あっちをつまみ、こっちをつまみ、
枝を器用に伝い、
行ったり来たりしながら食事をしていた。
その食べかけの実にメジロが来て蜜を吸う。
リスとメジロが入り乱れて柿の実の間を動いていた。
それを見ている双眼鏡の視野の中に、
カケス、トラツグミの姿が入ってきた。
おや、こんな鳥も来るのかと思っていると、
更にツグミ、ヒヨドリもやって来た。
鳥たちはそれぞれみな、平和に食事をしていた。
食べ物をめぐる争いなど、
どこにあるのかという風情だった。
しかしそれを見ていてふと心配になった。
柿の実はいつまで残っているのだろう。
これだけ多くのもの達が食べればすぐなくなりそうだ。
実がなくなれば、
もう誰もここには来なくなってしまうだろう。
できるだけ長持ちするように食べてほしいものだ。
夕方、
再びその柿の木の近くを通った時、
その木にはアオゲラが一羽止まっているだけだった。
一羽寂しく実をついばむアオゲラ。
アオゲラは実に乗り、それをつついていた。
つつくたびに実が揺れる。
まるでブランコに乗っているようだった。
柿の実はまだかなり残っていた。
来週も大丈夫だろう。