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昭和55年度きのこ観察会
1980年
本年度の事業の一つとして行った「きのこ観察会」のあらましについて報告します。
●第9回 9月28日 長者原きのこ観察会
長者原に9時30分集合。天気は曇りのち晴れ、気温20℃。
予定通りに集まった大分きのこ会の会員は13名、熊本きのこ会会員13名。この日は初の大
分・熊本両きのこ会の合同観察会となった。9時45分に長者原を出発する。じっとしているとやや肌 寒い感じだが、歩き始めると暖かくなりついには暑くなる。観察の主要コースは、長者原を起点に雨 が池方面の林道沿いのクヌギ・コナラ・ミズナラの多い林である。午前中は、雨が池に向けたやや急 坂の直前で昼食にした。そのあと、きのこの種名しらべと食用きのこの判別をした。午後は、再び長 者原にもどり、続いて赤松の混じったクヌギ林のきのこ観察を行った。全般的にきのこが多くて、約4 5種を確かめることができた。記念撮影の後、15時30分に解散した。この日に観察した主なきのこ は次のとおりである。
アカカバイロタケ、アカアザタケ、アイシメジ、アキヤマタケ、イタチタケ、ウコンハツ、カバイロツルタ
ケ、キナメツムタケ、キツネタケ、、クサハツ、クロハツ、クヌギタケ、クサウラベニタケ、コタマゴテン グタケ、サンコタケ、ササクレフウセンタケ、サクラタケ、シワカラカサタケ、シロナメツムタケ、チシオ タケ、ツエタケ、ツバフウセンタケ、ツヤウチワタケ、ツリガネタケ、ツルタケ、ドクベニタケ、ナラタケ、 ナギナタタケ、ニオイワチチタケ、ニガクリタケ、ハエトリシメジ、ヒダハタケ、ヒロヒダタケ、ベニナギ ナタタケ、ベニヤマタケ、ホテイシメジ、ミイノモミウラモドキ、ムラサキアブラシメジモドキ?、モリノカ レバタケ、ワタカラカサタケ、ワカクサタケなど。
●第10回 10月10日 安心院きのこ会
宇佐郡安心院町の津房中学校門前に集合した数名で近くのアラカシ林やマツ林を探索した
がきのこは少なかった。予定の10時40分には17名が集合した。事前にこの日のガイドをお願いし てあった、土地の岩尾末男氏の先導で入山。池のほとりで車を止め、付近の雑木林に入りきのこを 探す。ウラベニホテイシメジとクサウラベニタケが少し採れた。ウラベニホテイシメジは「シメジ」と呼 んで、土地の人たちは立派な食用きのことして利用している。車を止めていた道に出て昼食。天気 は良い。午後は少し早めに解散を予定していたが、会員の要望でアカマツ・コナラ林に挑戦する。こ こでは土地の人が採りこぼしたハツタケやイグチ類を観察し採取できた。なお、余り見かけないカバ イロコナテングタケやキシメジ科の面白いきのこも見つかった。この日採取した主なきのこは次のと おりである。
アミタケ、ウラベニホテイシメジ、オウギタケ、オオキツネタケ、カバイロコナテングタケ、カブラマツ
タケ?、キソウメンタケ、キツネタケ、クサウラベニタケ、コクリノカサ、シロハツ、シロカノシタ、センボ ンイチメガサ、チチアワタケ、ツチグリ、ツエタケ、ニガクリタケ、ヒナアンズタケ?、ベニヒダタケの一 種、ハツタケ、ホテイシメジ、ミドリシメジなど。
またこの日はきのこ4種の方言名を採取することが出来た。
@ウラベニホテイシメジ = シメジ(食)
Aクサウラベニタケ = ニタリ(毒)
Bシロハツ = ツチカブリ(食)
Cヒナアンズタケ? = ササナバ(食)
15時過ぎ、ハツタケ、イグチをかごにして解散。終日この会のために奉仕していただいた岩尾さん
に厚くお礼を申し上げます。
●第11回 10月12日 赤迫池きのこ観察会
大分市の赤迫池に9時30分までに集合した会員は、ここで大分生物談話会の人たちと合流し
た。今日の会は、本会と談話会の共催事業で動・植物からきのこまでの学習会の色が濃いもので あった。天気が少し下り坂ということであったが、くもりのち雨となった。それで、観察会もやや急ぎ 足となり13時に昼食をとり、その後できのこの話を遠藤会長から30分ほど聞き13時30分に解散 した。この日の主な観察採取品は次のとおりである。
アカヤマタケ、アミタケ、ウラベニホテイシメジ、ウコンハツ、ウラベニガサ、カワラタケ、カキシメ
ジ?、クサウラベニタケ、クチベニタケ、クサハツ、クロベニヒダタケ、コタマゴテングタケ、サクラタ ケ、シイタケ、シロサクラタケ、チャツムタケ、ツチグリ、チチアワタケ、ニガクリタケ、ハツタケ、ヌメリ イグチ、ハナウロコタケ、フウセンタケモドキ、ムラサキアブラシメジモドキ、ミキイロウスタケ、ナガエ ノチャワンタケ、ヒメカタショウロ、ホコリタケ、ヒイロタケ、カイガラタケ、ハナサナギタケ?、モミジウ ロコタケ、ハエトリシメジなど。
この日は一般参加を含め60名余りの参加者であったので、本会会員の参加人員は不明である。
竹の培地に ヒトヨタケ科のきのこ (遠藤 記)
今年の1月31日に、大野郡三重中学の羽田野二男先生が、試験管の斜面培地にはえたきのこを
持ってきた。それは、同中学3年生の山本昭宏・衛藤泰宏両君の研究にかかわるものである。両君 は、クラブ活動中の12月10日より、竹を使った菌類培地をこしらえて、培地(生活環境)により、は えてくる菌類の種類が、どのように違うかを調べる計画であった。ところが、1月14日には、図Aのよ うなきのこが現れ伸びた。また、28日にもBのように伸びているのが見つかった。初めは半透明の 培地が黒っぽくなり(図の右下)そのあたりから白色のきのこが出てきた。いきさつはざっとこんなこ とである。生えてきたきのこの一部を調べると、胞子紋は黒色、胞子は図中の円内のように楕円形 で、発芽孔をもつ。その他の形態や液化の状態から、ヒトヨタケ科ヒトヨタケ属のきのこと思われる。 では、竹の培地(竹のジュース)内に、どうして胞子が入り込んだのかは、会員諸氏の推理にお任せ する。両君が参考にした本(栗原康著「かくされた自然」筑摩書房)には、竹の成分として主な物質 名があげられている。炭水化物としては、ブドウ糖、果糖、リグニン、ヘミセルロース、セルロースな ど。その他アミノ酸、有機酸、無機の窒素化合物やビタミン類など。
追伸 みなさんの きのこメモを事務局までお寄せください。
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