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<<前文不明>> 1984年会報?
問題解決をよりスムーズにすると思う。場合によっては、一泊計画による観察会も考えられる。観察地の森林は、コジ
イ、アラカシ、イチイガシのような常緑広葉樹とミズナラ、コナラのような落葉広葉樹が中心であった。マツ、モミ、ツガな どの森林は県下に少ないが、これからはこのような針葉樹林を一つの目標におくことも考えたい。さて次にこれらの森 林で直接観察したり、採集したりできたきのこ名を取りまとめてみよう。
(見出しのみアイウエオ順)
・ア
アカアザタケ、アイタケ、アワタケ、アミタケ、アイシメジ、アカチシオタケ、アカカバイロタケ、アシグロタケ、アンズタケ、
アイゾメイグチ
・イ
イロガワリ、イロガワリキヒダタケ
・ウ
ウコンハツ、ウズハツ、ウラムラサキ、ウラベニガサ、ウラベニホテイシメジ、ウチワタケ、ウツギサルノコシカケ
・オ
オキナクサハツ、オオキツネタケ、オニイグチ、オウギタケ、オオツルタケ、オオホウライタケ、オオキヌハダトマヤタケ、
オツネンタケモドキ
・カ
カクミノシメジ、カワリハツ、カレバキツネタケ、カラカサタケ、カノシタ、カバイロツルタケ、カブラアセタケ、カワラタケ、ガ
ンタケ、カンゾウタケ、カラカサタケモドキ
・キ
キイボカサタケ、キショウゲンジ、キヒダタケ、キツネノハナガサ、キチャハツ、キニガイグチ、キアミアシイグチ、キクバ
ナイグチ、キツネノタイマツ
・ク
クサウラベニタケ、クロハツ、クロハツモドキ、クロタマゴテングタケ、クサハツ、クリイロイグチ、クロチチタケ、クヌギタ
ケ、クロチチダマシ、クチベニタケ
・ケ
ケシロハツモドキ、ケショウハツ
・コ
コガサタケ、コタマゴテングタケ、コウジタケ、コフミヅキタケ、コゲチャイグチ、コガネヤマドリ、コガネテングタケ、コツブ
タケ
・サ
サクラタケ、サマツモドキ、ザラエノハラタケ、ササタケ、サンコタケ
・シ
シバフタケ、シロシメジ、シロヌメリイグチ、シロタマゴテングタケ、シロナメツムタケ、シロツルタケ、シロオオハラタケ、
ショウゲンジ、シメジモドキ、シロカノシタ、シロオニタケ
・ス
スエヒロタケ、ズキンタケ、スズキセミタケ
・タ
タヌキノチャブクロ、タマゴテングタケ、タマゴタケモドキ
・チ
チシオタケ、チチアワタケ、チチタケ
・ツ
ツキヨタケ、ツルタケ、ツチカブリ、ツチカブリモドキ、ツチナメコ、ツチグリ、ツバフウセンタケ、ツヤウチワタケ
・テ
テングタケ、テングツルタケ
・ト
トキイロラッパタケ、ドクツルタケ、トンビマイタケ、ドクベニタケ
・ナ
ナラタケ、ナラタケモドキ
・ニ
ニセアシベニイグチ、ニガクリタケ、ニッケイタケ、ニオイコベニタケ、ニオイワチチタケ
・ヌ
ヌメリイグチ、ヌメリツバタケ、ヌメリササタケ
・ノ
ノウタケ
・ハ
ハツタケ、ハタケシメジ、ハリガネオチバタケ、ハナガサイグチ、ハナイグチ、ハラタケ、ハラタケモドキ、ハナビラニカワ
タケ
・ヒ
ヒラタケ、ヒイロタケ、ヒメキシメジ、ヒメベニテングタケ、ビロードツエタケ、ヒメベニタケ、ヒロヒダタケ、ヒメコガネツルタ
ケ、ヒメカタニセショウロ
・フ
フチドリツエタケ、ブナハリタケ
・へ
ベニイグチ、ベニヒダタケ、ベニヤマタケ、ヘビキノコモドキ
・ホ
ホコリタケ、ホウロクタケ、ホテイシメジ
・マ
マイタケ、マスタケ、マツオウジ、マンネンタケ
・ミ
ミドリニガイグチ、ミミブサタケ、ミイノモミウラモドキ
・ム
ムササビタケ、ムラサキカスリタケ、ムキタケ
・モ
モリノカレバタケ、モエギタケ
・ヤ
ヤナギマツタケ、ヤマドリタケ、ヤブレベニタケ、ヤケアトツムタケ
・ワ
ワサビタケ、ワヒダタケ
27回分の観察・採集の結果が165種である。この中には、食用・試食されたもの、写真やスケッチで記録として残され
たものもある。また一部は、乾燥標本や液浸標本として残されたものもある。しかし、回を重ねるにつれ採集するきの こが増え、保存標本が多くなると、個人の力・個人の家での保存は大変難しいことになる。古くなった標本の再乾燥、薬 剤の補充・交換などが十分になされないと、標本を作る一方から、駄目になるものが増えてしまう。それだけではなく、 個人での標本・写真の保管は、共通利用の妨げにもなる。こんな迷路が共通に歩み始めた私たちの前に立ちふさがり つつある。私どもの近くの県を見回すと、どこも標本を保存したり展示したりできる博物館やそれに代わる公共の施設 を持っている。またある県では国立の菌類部門の研究室を足場に標本の製作・保存・記録などを進めている。現在生 きている私たちが日々きのこを知り、利用することができても、若い世代や後世に郷土の遺産の何がしかを伝え、残す ことになると,大変な課題を抱えていることに気付く。シイタケ日本一の力を持つ大分県である。郷土のきのこについて の研究・学習の場づくりや展示・保存の構想を具体化し、実現の方向に努力したいものである。
2 会報「大分のきのこ」
会報は、本号で10号になる。年2回発行だから回数だけ考えると、きわめて順調である。もともと、会の諸連絡やき
のこ情報が速く確実に皆さんの手元へ届けば,目的を達していることになる。しかし、速くと言っても今のところ情報収集 が自動的にできるしかけはない。むしろ会員皆さんの目や耳を通じて得られたきのこ情報が中心である。それで、皆さ んの一口メモ風の記事やハガキ通信に期待を寄せていきたい。もちろん、本会のあゆみが記されていることも大事だ と思う。これらのなかに皆さんが得られた短いきのこ情報を織り交ぜたミニ研究誌として成長させたい。要するにノンフ ィクションであればすべて掲載したい。そして、4ページ会報では掲載しきれない日の来ることを期待したい。
3 研究発表・講演会
<<欠落>>
やがて、春が過ぎ夏がくればきのこのシーズンが始まる。今年はあの尾根を、あの岩場あたりを、また人跡未踏の藪
山をと決めているのである。種類もホンシメジを食べて、ベニテングタケを九州の山で写真に撮ろうと夢は膨らむばか りである。
鶴見山麓にツキヨタケ
l1983年の秋口に鶴見岳近くで採った白っぽいヒラタケを食べて中毒したらしいという噂を耳にした。標高700mぐら
いの鳥居付近にツキヨタケが生えることもあるまいと思いながらも、中毒情報を調べていくうちに新しいことが幾つかわ かった。きのこは一抱え以上もある大木の根元から数m以上の高さまで重なるように生えていた。また、色はほとんど 白い感じだが,少し灰色がかったものもあった。食べて何も無かった人、翌日まで食べた人、吐いた人、腹痛や下痢をし た人など様々であった。きのこはまだ取り残しがあるなど。
しかし、現地調査の時期を失いかけていたが、10月29日にやっと問題のきのこの発生場所を探り当てた。すで
に大部分が朽ちていたが、きのこの原形を残したものもあった。特徴としては、かさの表面に黄褐色の小燐片があり、 ひだは白色、茎の上部には独特の隆起帯(つば)がある。その茎を裂いてみると、少し黄味がかった紫色の斑紋が確 実に認められた。まぎれもない有毒のツキヨタケである。発生場所は、別府市鶴見岳の御岳権現社林(標高約750 m)で、生態学的にはモミ・シキミ群集の亜群集とされるアカガシ林である。ツキヨタケはこの林の中にあるカエデ科のイ ロハモミジ Acer palmatum の枯れた幹に重なって生えていた。幹の根元は周囲2.5m、胸高直径は65cmであった。 人里近くの自然林内に食欲を駆り立てるようなツキヨタケを確認しながら、再び中毒患者の出ないことを願っている。 (遠藤正喜・平嶋関一)
マツタケ・シメジの分布地確認
大分県内では、まれにしか見つからなくなったきのこにマツタケ・ホンシメジ・シャカシメジ・ササナバなどがある。とこ
ろが昨年の秋10月に安東洋一・川内光子・木内喜久美・田中保美氏のご協力でマツタケ(耶馬溪地方)ホンシメジ(耶 馬溪地方)シャカシメジ(祖母山・耶馬溪地方)の分布地点が新しく確認できた。また、イボタケ科のクロカワなどととも に大分では珍しいヌメリアイタケ(耶馬溪地方)も確認された。いずれも食用きのこである。しかし、ホウキタケ科のササ ナバのついては新しい発生地点を見つけることができていない。(遠藤 正喜)
市場に出荷された野生きのこ 辻 英臣
仕事柄市場に出入する機会があるので、市場に出荷された野生きのこをメモしてみた。1983年に大分市中央卸
売市場で見かけたきのこは、マツタケ・ハツタケ・ウラベニホテイシメジ・アミタケ・トキイロラッパタケ・ヒラタケ・キクラゲ などであった。またマツタケと称してカナダ産、韓国産、山口県産、広島県産のものが上市された。カナダ産のものは、 Armillaria Ponderose (アルミラリア ポンデローザ)であろうか。大形で色が白っぽく、マツタケの香りがする。また、幼 菌の状態で市場に出されている国産マツタケの中にもマツタケ類の他のきのこが入っている可能性もある。市場に出 ているマツタケ類も姿・香りがマツタケらしければ、すべてマツタケとなる。ちなみに、ウラベニホテイシメジは「一本しめ じ」となり、トキイロラッパタケは「ささなば」とか「ささたけ」となっている。また、ヒラタケの若い物は「しめじ」となる。198 3年10月23日の朝日新聞のトップ記事で、日本のマツタケ(Armillaria matsutake)の栽培に成功したことが報じられて いた。早く市場でお目にかかりたいものだ。
*編者t:カナダ産マツタケはTricholoma ponderosum(アメリカマツタケ)の異名ではないだろうか。日本のマツタケ
は、Tricholoma matsutake の学名が使われている。(小川真:マツタケの生物学 1978年)
昭和58年度 きのこ観察会の報告
第24回 5月3日(火)大分市吉野天満社一帯で今年度初めての観察会を開いた。
昨年より少なめであったが、ハルシメジ(シメジモドキ)を中心に、ナラタケ・カンゾウタケなどを見つけた。
第25回 6月26日(日)大分市柞原八幡宮のシイ、イチイガシ林で、きのこの形や生活の仕方などを中心に約20種
について観察・採集をした。この林では今まで余り見かけなかったものとしてキショウゲンジ、ムラサキカスリタケ、ヒメ キシメジ、マスタケなどがあった。また、会報10号に写真で紹介したミミブサタケは、参加者の努力で多量に見つかっ た。さらに、ミミブサタケの菌輪を見つけたり、地下の状態まで探ったことは大変な収穫であった。
第26回 7月10日(日)宇佐市宇佐八幡宮林一帯での観察会は、17名の参加者によって行った。乾燥気味できのこ
が少なかった。観察できた主なきのこは、イロガワリ、ナラタケ、ヤマドリタケ、コウジタケ、クロハツ、カワリハツ、カレ バキツネタケ、ムラサキカスリタケ、サクラタケ、アイタケ、ハラタケモドキ、アンズタケ、ウチワタケ、コフキタケ、キツネ ノハナガサなど20種余りであった。なお、観察した森林はコジイ、イチイガシ、アラカシ、マツなどである。
第27回 8月7日(日)大分郡庄内町の黒岳山麓一帯のコナラ・ミズナラ林であったが、猛暑干天続きで収穫が少な
かった。観察したきのこはミミブサタケ、ツエタケ、ヒメベニテングタケ、オツネンタケモドキ、アシグロタケ、ツチカブリ、 カバイロホウライタケ、カワラタケ、トンビマイタケ、その他不明きのこなどであった。大形のトンビマイタケは8月10日 の大分合同新聞の紙上で紹介された。
第28回 9月25日(日)黒岳山麓一帯の落葉広葉樹林内の観察会でややぐずついた天気であったが、参加者は約5
0名。きのこの種類数・発生量が多く、きのこのA畑に酔うほどであった。特に参加者の印象に残った種名をあげてみ よう。赤い傘をつけたタマゴタケの群生、巨大と言えるカラカサタケ、臭気の強いキイロスッポンタケ、白衣の天使の姿 をしたドクツルタケ、至る所に群生するムラサキフウセンタケ、大形のシロオニタケなど枚挙にいとまがない状態であっ た。この辺の状況は同行した大分合同新聞社の記者・カメラマン氏によって、10月30日付月間バク33号にカラー写 真入りで2ページに渡り紹介されている。同記事の見出し「宝探し的興奮」が、第28回観察会を集約していると思う。
第29回 10月16日(日)宇佐郡安心院町一帯の雑木林での観察会は、今回も同町の岩尾末男氏の案内で行った。
森林の主要樹種は、マツ、コナラ、クヌギ、アラカシである。
観察したきのこは約30種であるが、この地域で興味あるものを挙げてみよう。ウズハツ、ニクアツベニサラタケ、ケシ
ョウシメジはtのもの。アザシメジ、カバイロコナテングタケ、コクリノカサなどは比較的少ないもの。
*きのこの方言名 杵築地方では、クヌギタケ科のオウギタケを「ロウバッタケ」「ロウマツタケ」、イグチ科のチチアワ
タケを「トント」、ヌメリイグチを「トントの子」と呼んでいる。
三重町でイカタケを見つける
1983年10月21日の夜、大分県大野郡三重町深野の深井マツ子氏より「近くの畑に放置したもみがら上にイカタケら
しいきのこができている。」と知らせてきた。翌22日に現場に行ってみると紛れもないイカタケの幼・成・老各段階のも のが、300個ばかりはえていた。県下では7箇所目。
珍菌 ルリハツタケの観察
1983年10月の9・10日に本会の遠藤・平嶋・辻の3氏は、熊本きのこ会が主催するルリハツタケの観察会に参加し
た。昨年の10月頃熊本きのこ会の副会長 河野洋輔氏が情報を入手し、下調査を行っていたもので、発生地は山鹿 市久玉(クタマ)の雑木林内地上である。熊本きのこ会の好意により参加した3氏は夢に描いた珍菌ルリハツタケ (Lactarius indigo)の発生地で生まれてはじめてみる美しい藍色のきのこに感動を覚えた。
ルリハツタケは日本と北米に分布すると言うが、日本では奥武蔵丘陵(清水大典:原色きのこ全科 1978年)が唯
一の産地ではなかろうかといわれてきたきのこである。
第3回 国際菌学会議(IMC3)
昭和58年8月28日から9月3日までの7日間、東京都新宿区西新宿 京王プラザホテルで第3回国際菌学会議が
開かれた。参加者は世界41ケ国から約900人。その内日本人参加者は400人ぐらい。参加した本会の遠藤氏は、 口頭研究発表は英語で理解できない面も多かったが、科学映画、展示研究発表、学術展示等はどれも見ごたえがあ って参加してよかったといっていた。またこの会議の前には千葉・日光・富士山の菌類採集会が開かれ、成果を上げた と聞いている。
なばかご
大分市内でミダレアミイグチが見つかったのを糸口に、意外なほどおもしろいきのこがみつかった1年でした。
その他会員連絡 省略
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