アジア地域有機基準会議の概要及び理事会報告
橋本 慎司
3/21−3/27日まで、ネパ−ルのカトマンズでアジア地域の有機基準についての話し合いがあり参加しました。今回の会議は、西洋中心の有機基準が国際基準になりアジアに影響を与えている現状を国際基準やアジア地域また国内の中でいかに反映していくか考えるのが目的でした。参加国は、日本、インド、中国、マレ−シア、ベトナム、ネパ−ルで、各国で有機農業を実践、研究、また具体的に基準作りにかかわっている人を中心に呼びかけられました。
プログラムの内容は初日は各国の基準と国内基準のすすみ具合が報告され、会議の目的であるアジア地域基準の存在の意義などがダニエル氏から提案されました。比較の対照として用意された基準はNGO中心につくられたフィリピン国内基準、中国の国内基準、タイのACT基準、インド基準など。日本からは日本有機農業研究会の基礎基準を英訳してもっていき内容を説明。日本リサイクル市民の会の川北氏から日本の国内基準の動きについて現状を述べてもらいました。
23日−24日までは3グル−プに分かれてIFOAM基礎基準をアジアの状況に照らして第1章から全て見直し、IFOAM基準の追加、修正意見を討論し、最終日に全体でアジア地域での有機基準及び、IFOAM基準検討委員会への提案書などをまとめました。各国のIFOAM基準に対する意見は以下のようなものがありました。
・ 有機飼料はアジアでは困難。飼料を輸入に依存している国も多く、今後の検討が必要
・ 有機農産物の単作化は有機農業の精神に反する。単作型有機農業は基準で制限する必要あり。
・ 微生物資材を輸出するのは問題ではないか。微生物は国内もしくは地域内でつくられるべき。
・ アジアでは各地で伝統的に種子が保存されてきた。認証をうけてない伝統的種子も有機種子がない場合の処置として明記して欲しい。
・ アジア地域では小さい舗場が隣接しており米作地帯では水源を慣行農法のものと分けるのが不可能に近い。基準の中に地域全体で有機農業をすすめることを奨励すべきである。
・ 籾殻、米ぬか、カニガラ、カキガラなどアジア独特のものもIFOAM基準の中に書き加えるべきである。
・ 包装資材及びハウスで使用されるプラスティックには環境ホルモンの疑いがあり調査と注意が必要である。
・ アジアの村では脱穀、製粉、乾燥、精米などの機械を共有化していたり、委託していることが多く、一農家が全ての設備を持つ事が難しい。慣行農法との混入をさけるための洗浄が不可能な場合もあるので。「犠牲生産物」をもうけ、ある一定の量を犠牲にして差し引きそれ以外を有機農産物とみとめるべき。
・ 児童を隷属的に労働を強制することと家族の一員として子供が農業を手伝うことは意味合いが違うので基準のなかではっきり分けないとすべての児童労働が否定されることとなる。
他にも沢山の意見がでました。最後の意見交換ではプランテ−ション農業によって国が成り立っており輸出型の有機農業は避けられないとする意見がでた一方、有機農業の目標の一つは国内及び地域内での持続可能な発展と食糧自給にあり基準は国際貿易の武器にすべきでないとの意見もでました。日本では有機農業は農業を守る最後の砦であり、現状を無視した安価な有機農産物の輸入は日本の有機農家をつぶすことにほかならないと発言した。これに対して、マレ−シアのNGOリ−ダ−が同意してくれ、貿易をすすめ日本の有機農家をつぶすようなアジアの地域基準であれば私は絶対、賛同しないと主張してくれました。