ガーデンベンチ (2002.5.18〜)
庭におくかわいらしいガーデンベンチが欲しいとの依頼を受けて作ってみました。今回は初心に帰り、全工程をなるべく詳しく説明して行きたいと思います。
各工程のおよその作業時間を( )の中に入れてみました。
スプルースの2×10材を基本に荒木取りして行きます。符号をチョークで記入します。荒木取りをしたら1〜2日ぐらい放置します。木を割られたことによって木が動きます。それによって生じる部材のねじれやそりが後の作業の狂い原因になります。2日ほどして動きが一段落したら、つぎに手押しがんなで、第1平面を出し、それと直角の第2平面を出します。機械が正確かどうか、最初の部材が終わったらスコヤで確認します。そして、木工クレヨンで「合い印」をつけておきます。この第1,2平面が完成まで「墨付け」や「きざみ」などの作業の基準の平面となります。かんなで手を削らないように、手押しブロックなどを用いて安全に配慮します。つぎに自動かんな(プレナー)で、第3、4平面を出します。

製材が終わったら次は、墨付けです。今回はCAD(JWW)を使って、寸法やバランスを何回も検討したので、複雑な墨付けも時間はかかりましたけど要領よく進みました。
*緩やかなRのある(曲線)の墨付け方法* 部材の中心線を決めます。中心線センターから片方の端までの緩やかなR(曲線)を、曲尺を押してしならせて使って書きます。これをテンプレート(型紙)にします。テンプレート裏がえして、中心線から先ほどと反対側まで曲線をなぞります。これで左右対称の緩やかな曲線を描くことができます。
部材の加工は、ほぞ穴掘りから取りかかります。今回も2枚ほぞ、3枚ほぞを多用します。今回はイスの背もたれや脚部のテーパー(傾斜)や笠木の曲線などがありますが、ほぞ穴などは、直線、直角、平面を基本に行います。ほぞ組みの加工が済んでから、テーパーや曲線を加工します。
座板を受ける桟(さん)は、後部はほぞ組み、前部は「渡りあご」にします。そのための掻き取りを、スライド丸ノコで墨線を加工した後、ルーターで深さ5oに掻き取ります。加工する部材の数が多いので、飽きずにていねいを心がけました。写真右が掻き取りをした「貫き」に「渡りあご」で、「座板受け桟」を仮組みした状態です。ぴったりと収まりました。

ほぞ穴の加工が済んだ脚部はバンドソーで斜め切りした後、かんなで2本の脚部のテーパーを揃えます。切り取った部端材は、傾斜の着いた部材を押さえるのに便利なので、完成までとっておきます(写真真ん中)。また、脚部の地面と接する面は、柔らかいパイン材では木口から水がしみこんだり、石が食い込んだりがするのが心配です。そこで、接地面は、堅く腐りにくいケヤキをかぶせることにしました。山章工房の一工夫です。今日の作業はここまでです。天気もよく、気持ちよく作業できました。

座を受ける桟は全部で13本、同じ傾きにそろわなければなりません。そういう時はジグの登場です。ベニヤに木ぎれを打ち付けただけの簡単なものですけど、できあがりは正確です。

ガーデンベンチの顔つきを決める笠木と背もたれの飾り木の加工をやりました。基本的な加工は、直角、平面でやります。その後、CADで書いた実物大の型紙をボンドで加工した部材に貼り付けます。バンドソーでカット、スピンドルサンダーをかけて、一つを仕上げます。それを型紙にして、残りの部材になぞります。

ほぞ組の数が多い上に、2枚ほぞ、3枚ほぞのきゃしゃなものが多いので、強引なことはできないので少し時間がかかりました。くみ上げた後、何かと忙しかったのでクランプに固定したまま1週間が過ぎました。その後、ダボをボール盤を使って作ってから座板を取り付けます。


ダボの頭をのみで落として、#320のペーパーをサンダーでかけた後に、ワシン「ガードラック」を塗って仕上げです。1.8mのベンチって思った以上に大きくゆったりしたものですね。大人四人が余裕を持って座れるでしょう。

自分の作りたいものを、納得行くように作ったという充実感がありました。家具作りは、結果を急がず、一つずつ細かい単調な作業を重ねて行けば最後はよい結果が得られることを再認識しました。
へ
へ