鉋の手入れ (2002.7.6)(画像はクリックすると拡大します!)
木工をするものなら、まっさらの木をすーと鉋をかけて、しゅるしゅると薄く、木の香香る鉋屑を出してみたいと思う。また、40歳以上の方なら子供の頃近くの建築現場でそんな原体験があるのではないでしょうか?
しかしこの鉋が「愛好家」にとっては鬼門になります。伝統派にとっては「鉋が使えずして何が木工だ!薄い鉋屑こそ命。目指せ「削ろう会」」という勢い。一方、パワーツール派にとっては「鉋は木工の一部門。鉋ができなければ、サンダーでやればいいじゃん」
私が木工を始めて以来、前者として身を立てよう(別に職業にするわけでないけど)とずーと思ってきました。そして、いつも引っかかるのが鉋でした。
1.手先に頼るな
多くの木工愛好家は鉋がけは、週に一度もないのではないでしょうか?(本職の大工でも鉋がけは、ほとんどないそうです)そんな人に手先一つで一定角度に刃先を保ち、研ぎあげるのは至難の業です。実は私はそれを何年もやろうと思ってきました。結論からいえば、当然の事ながらできませんでした。私の場合は研ぎ癖がでて、どうしても刃先の左側が強く砥石がかかってしまいます。研ぎを繰り返せば繰り返すほど、刃先はゆがんでゆきます。
対策:角度保持jigを使うことです。後ほど紹介します。
2.自分で鉋を仕込むな
鉋が仕込めて一人前。「直使い(すぐづかい)」を買うのは職人の名折れ。私も自分で鉋を買って仕込みました。いや、仕込んだつもりでした。しかし、それは折角の鉋台をゆるゆるにしてしまったり、台の左右の削り具合が違い刃がまっすぐに出ない。最後は手に負えなくなりました。
対策:見栄を張らず、道具屋で「直使い」にして下さいと、勇気を持って言うことです。
*私は以上の1.2のミスは高嶋鉋台製作所に依頼し直してもらいました。もう一度再スタートすることができました。ありがとうございました。
3.高い鉋、天然砥石はまだ早い!
『道具曼陀羅』や現在の名人が作った鉋が欲しい。と思うのは当然のことと思います。私も、数年前七万円以上する鉋を買いました。砥石も天然の「合わせ砥(あわせど)」
を数万円で買いました。しかし、私にはまだその腕はなかった言うことを痛感しました。今、自分の手元にある鉋で、一番手になじみ使いやすいのは、親戚の廃業した「桶屋」さんからもらった鉋と、高嶋鉋台製作所で、1万3千円で買わせてもらった鉋です。いいものをいいと分からないのに、金をつぐ込む無駄、自己満足の滑稽。その実力を十分に引き出してももらえない道具の悲しみ。どちらにとっても不幸です。高級品は否定しません。でも、その前に適正な鉋を使いこなせてからでも遅くありません。
対策:適正な鉋は2〜3万円で寸六または寸八だと思います。間違っても二寸はいけません。
私が使うのは有限会社「初弘」さんの「グリンテック」というjigです。橘産業を通じて購入しました。このjigの特徴は、刃先の角度を付属の定規で測り、その角度をjigにセットすればいつも同じ角度で研げます。このjigを使い、中砥、合わせ砥と研いで行きます。そこまで済んだら、jigをはずして刃裏を研いで仕上げです。

台直しは以前も紹介しましたけど、「台直し鉋」を使うよりも、平面を出した天然石に糊付ペーパーを張ったもので平面を出します。梅雨の今に限らず、鉋台は木製です。当然狂います。いくら刃を研いでも台が歪んでは何にもなりません。刃よりも頻繁に台の調整は必要です。
