エピソード1;名前のおかげで泣く・・


一つ昔話をします。とても悲しい物語です。ハンカチの用意を。



今は昔、あるところに憲くんという中学校1年生の男の子がいました。

でも彼の名前は「ケン」ではありません。

本名はここでは明かすことはできませんが、間違いなく「ケン」という名前ではありません。

しかし、周りの人は冷たく、初対面の人は彼の名前をほぼ間違いなく「ケン」と思い込んでしまいます。

さっそく、今日も言われたそうです。



小さかったころはそのことに苦しんでいた彼。

けれど、両親が一生懸命悩んで付けてくれた名前なのだから前向きに生きようとがんばります。

そう、あの時が来るまでは・・・






雪が降り積もる1月。とある授業の時だった。

憲くんはボケーとしていた。いやらしい妄想をしているわけではない。

暑さからボケーとしていたのである。彼の中学校のヒーターは操作できない。

それにより教室内がヤバイほど暑かろうがヒーターは作動し続ける。

そのため、真夏のとき以上に窓をガラリとあけている異様な光景を見にすることができる。

しかし、 温度が常温になるのは窓側の席の人だけである。反対側の人たちはたいして変わらない暑さから睡魔に襲われ、やがて眠りにつくのである。

そう、窓から離れている憲くんは今まさに眠りにつこうとしていたのである。

一生懸命黒板を見ようとするが目がうるんではっきりと見えない。

意識が消えうせていく・・・

もうだめだ・・・・




しかし、これをみて黙っちゃいないのが先生だ。

先生は今にも眠りそうなターゲット(憲くん)を見つける。そして心の中でこう思ったに違いない。



「奴だ。俺の授業を聞いていないあの馬鹿にかけよう」



そのころ憲くんは最後の力を振り絞って目を開けた。

すると、先生の目が自分だけをみていた。憲くんは「やっちまった・・」と思った。

先生の口はもう開く寸前だ。かけられる・・・




・・・・不発だった。先生はなに一つの言葉も発しなかった。憲くんの名前さえ言わなかった。

ふと、先生はクラス名簿を手にとり、じっくりと見る。指を指しながらじっくり見る。

すると、先生は・・・・


先生:「えーと、ケンくんこの問題の答えを答えてください。」


憲くんは「99.9%でこうなる」と前もって予測していた。このことは今に始まったことではない。

しかし、憲くんでさえもこれからおきる悲劇については予想不能だった!!




じっと憲くんを見つめる先生は彼のことを「ケン」だと確信していた。しかし、憲くんが。「あのー、僕はケンじゃないです。」

といったので自分のミステイクに気づく。


「ごめんなさい、タケシくんこの問題を答えてください。」



さすがの憲くんもちょっと戸惑った。俺はリーダーではない。それに「タケシ」なんて言われたことがない。

けれども、じっと憲くんを見つめる先生は彼のことを「タケシ」だと確信していた。しかし、憲くんが「あのー、僕はタケシじゃないです。」

といったので自分の第二のミステイクに気づく。


「何度もごめんなさい、 タカシくんこの問題を答えてください。」


「二度あることは三度ある」憲くんの頭にこんな言葉が浮かんできた。

それにちょっとまて!!タカシという名は憲の○だ。さすがに憲くんは落胆する。

しかし、先生はそんな憲くんを気にせずに次の名前、ようするに「ネタ」を考えている。

けれど、先生の脳をフル回転させても憲くんの本名が浮かばなかったようだ。

彼はギブアップし、憲くんの友人の1人に憲くんの本名を聞く











先生:「ねえ、あの人の名前なんて言うの?」

友人:「○○○(←憲の本名)っていうんですけど・・・」

先生:「へぇー、○○○(←憲の本名)っていうんですか・・・・しらなかった。」














憲くんは こんなことを思った。怒りと悲しみでいっぱいだった。

・・・その後彼はそれはひどく落ち込んだのであった。



<完>


注:この物語はノンフィクションであり、実際の人物、団体とは関係あります。ご了承ください。



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