
平成13年6月25日神奈川県東部地震M3.9の電磁放射と
電磁放射から浮かび上がる地殻の活動についての考察
(1) 平成13年6月25日午前1時27分ごろ神奈川県東部 北緯35.6 東経139.5 深さ40km でM3.9の地震がありました。
(2) 地震の発生場所は多摩丘陵の北部であり、立川断層の南東の先端部に当たります。深さからみてフィリピン海プレートの沈み込みに関連する地震とみられます。
(3)
規模もさほどで大きくないにもかかわらず、距離的に離れている国府津・松
田断層系の観測点である神奈川県大井町・小田原市・山北町や、さらに相模湾に沿って下った伊東市宇佐美で明確な電磁放射上昇が5月上旬から観測され、「当同好会の最近の電磁放射」でも5月28日に報告を上げました。
(4) 、「神奈川の3観測点でこの1ヶ月間継続的な電磁放射の微増が見られ、3観測点で同様の傾向があります。微増ながら国府津・松田断層に沿う広い範囲で同時に出現している電磁放射だけに、今後の経過を見守りたいと思います。」と6月15日研究機関に報告いたしました。
(5) 5月下旬から6月中旬まで放射レベルが最も大きく、その後は減少に向う経過のなかで今回のM3.9の地震が発生しましたが、もっと大きな変化のエネルギーはどこへ行ったのでしょうか。
(6)伊東市宇佐美では地震の5‐6日前から近接の地殻活動とは異なる出現様態の垂直磁界の明瞭な放射上昇があり、地震直後4時間して対応的に放射の減少が見られたことから、関連した電磁放射と考えられます。
(7) 国府津・松田断層や宇佐美での電磁放射の様子から以下の事柄が推測されます。フィリピン海プレートの活動によって、5月中旬から国府津・松田断層周辺に生じていた歪が6月中旬以降立川断層系に歪の波及移動があり、地殻の関係で多摩丘陵周辺で地震が発生したと考えることが出来ます。国府津・松田断層周辺は固着状態にあり、容易に歪の解放は出来ない状態にあるため、歪のエネルギーは北の立川断層系に流れたと見ることが出来ます。また、立川断層系もフィリピン海プレートの沈み込みに伴う影響を受けている地域であることを考えると、両断層系での関連性が考えられても不思議ではありません。
(8) もう一つの可能性は伊豆半島から西側の御前崎・中根方面に歪エネルギーが流れている可能性です。
(9) 小田原で見る5月6月の2ヶ月間の電磁放射の大局的な大きな変動は、広い範囲に及ぶ大きなエネルギーの動きを感じさせる活動です。今回の神奈川県東部地震規模をはるかに超えた地殻の動きが背景にあるものと考えられます。
(10)
垂直磁界放射レベルが常時20‐30%を超える上昇を行うことは、莫大なエ
ネルギーの存在があることを意味します。それは多分にフィリピン海プレートに拠ってもたらされたものと見られます。
(11) 5月始めから急な上昇を続けて6月上旬から減少傾向を辿っており,中川根の一連の地震後の減少と対応しますし、一方御前崎ではこの時期から地下でのガス・熱水の噴出活動が出現し始め継続しています。
(12) 従来から、伊東における電磁放射と御前崎における電磁放射は逆相関にあることを認識しておりましたが、今回もこのことを考慮して理解すべきであることに気が付きました。
(13) 伊豆半島に南からかかる地殻歪は北側の富士山で解放されるか、それが出来ない場合には、東側ないし北東側で解放されるか、もしくは西側で解放されるかのどちらかになるわけです。今回中川根で大きな解放があり、また御前崎で常時ガス・熱水噴出で多くのエネルギーの解放があるため、伊豆半島北東側での歪エネルギーも下がってきている状態と見ることができます。
(14)
電磁放射の観測によると,地震の規模から考えられている100kmを単位と
する関連範囲から、より広いプレートレベルでの地殻活動を教えてくれる可能性があります。
(平成13年7月2日作成)
| 伊東市宇佐美 6月1日から7月1日までの1ヶ月間の電磁波データ |
東西磁界

南北磁界

垂直磁界

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| 神奈川県小田原市 5月1日から7月1日までの2ヶ月間の電磁波データ |
垂直磁界


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