コーデックス(国際食品規格)・マヨネーズ基準  

       


■ 6月19日 農林物資規格調査会総会で、マヨネーズ基準の再審議が決定しました (詳細はこちらへ、議事録は農水省のサイトのこちらへ) が、この総会でも、

  「欧米のマヨネーズの基準に、蜂蜜が原材料として入っていない」

ということが、「松田のマヨネーズ」をマヨネーズとして認めるのに慎重である理由の第一番目に上げられていました。
 国際食品規格委員会(=コーデックス委員会=Codex Alimentarius Commission)とは、国連の専門機関である食料農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)が、合同で1963年に設立した機関です。日本も批准している世界貿易機関(WTO)体制のもとでは、「食品貿易で何らかの紛争が起こったとき、その裁定にあたるのがWTOで、その際の判断基準となるのがコーデックス規格です。コーデックス規格そのものは直接の強制力はありませんが、このような体制下では重要な役割を果たします。」(社団法人日本食品衛生協会のサイトより抜粋)ということで、マヨネーズ業界も、このコーデックスを持ち出して、蜂蜜をマヨネーズの原材料には認められない、という主張をしています。

■そこで、私たちは、マヨネーズの、いわゆるコーデックス=国際食品規格を調べてみました。
 原文は、http://www.mvo.nl/voeding-en-gezondheid/mayo/download/codex-mayonaise.pdf (PDFファイルです)にあります。これは、ヨーロッパ地域の基準で、正式なコーデックス基準には至っていません。
 英文を、署名活動の呼びかけ人のお一人である、手嶋恵太さんの妹さんの、恵美・手嶋・ハッチングスさんが翻訳してくださいました。ご厚意に感謝します。

■確かに、原材料には、蜂蜜は含まれていませんが、そのかわり、酸味料や着色料、保存料といった食品添加物が、ごっそり認められており、日本のマヨネーズのJAS規格とは、まったく別のレベルのものであることが分ります。この辺は、農林物資規格調査会委員や日本マヨネーズ協会に訴えていきたいと思っています。
 このようなコーデックス基準にもとづく「マヨネーズ」がWTO体制ゆえに押し寄せてきたら、一番困るのは、今の日本のマヨネーズ業界なのではないでしょうか。(2003/8/28伊藤up)


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序文

マヨネーズにおけるヨーロッパ地域の基準は,ヨーロッパ規格調整委員会によ
り立案され,1989年に開催された第18回会議おいて国際食品規格委員会によ
って採択された。

〜マヨネーズ規格基準〜
(ヨーロッパ基準)
CODEX STAN 168-1989

1. 適用範囲
この基準は,下記セクション2において定義されたマヨネーズに適用される。

2. 概要
マヨネーズとは,雌鳥の卵黄を用いて水中油型乳濁液と食用酢から成る水相中
の乳化食用ベジタブルオイルにより構成される調味料ソースである。また,マ
ヨネーズは,セクション3.3にのべる原材料をオプション的に含む場合もある。

3. 必須成分とその品質基準
3.1 原材料
3.1.1 すべての材料は,品質が健全で人の食用に適するものでなければならな
い。
3.1.2 原材料は倫理コード,とりわけ卵製品のための衛生倫理コード
(CAC/RCP15-1976)で該当する部分に沿った適切なものであり,規格基準,と
くに食用酢,食用ベジタブルオイルが規格基準の示す必要条件を満たしていな
ければならない。原材料は,化学的・微生物学的特性を保持するために,適切
な状況のもとに取り扱い・持運び・保存されなければならない。
3.1.3 卵および卵製品は,雌鳥の卵および雌鳥の卵由来の製品でなければなら
ない。
3.2組成成分必要条件
3.2.1 総脂肪分含有量: 78.5% m/m以上
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3.2.2 厳密には,純正な卵黄1つに6% m/m 以上を含有
3.3 オプション的原材料
食品成分は,明らかに食欲をそそることを目的とし,かつ製品の感覚的・物理
的特性に馴染む方法で用いられる。
(a) 雌鳥の卵白
(b) 雌鳥の卵製品
(c) 糖類
(d) 食用塩
(e) 調味料,香辛料,ハーブ類
(f) 果汁,野菜ジュースを含む果物・野菜
(g) マスタード(からし)
(h) 乳製品
(i)  水 

4. 食品添加物 2
4.1 酸性化物質
許容上限値
4.1.1 酢酸,ナトリウム,カリウム塩 }
4.1.2 クエン酸,ナトリウム,カリウム塩 }   = GMP指定許容量
4.1.3 乳酸,ナトリウム,カリウム塩 }
4.1.4 林檎酸,ナトリウム,カリウム塩 }
4.1.5 酒石酸,ナトリウム,カリウム塩     = 5 g/kg
4.2酸化防止剤
4.2.1 α-トコフェノール,
= 240 mg/kg混合液, 単独あるいはトコフェノールと併用で用いる。
4.2.2 アスコルビン酸 = 500 mg/kg
4.2.3 BHA(ブチル化ヒドロキシアニソール) = 140 mg/kg
1 厳密には,純正に, 20% のアルブミンが卵黄に関連して許容される
2 一時的に是認されている。
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4.2.4 BHT(ブチル化ヒドロキシトルエン)  = 1 60 mg/kg
4.2.5エデト酸カルシウム2ナトリウム  = 75 mg/kg
4.2.6 アスコルビン酸パルミテート  = 500 mg/kg
4.3 着色料
4.3.1?4.3.6 = 100 mg/kgをすべてのタイプのマヨネーズにおいて                          
単独または併用で用いることができる。        
4.3.1 クルクミン 1 }
4.3.2 タルトラジン}    
4.3.3 サンセット イエロー F.C.F. }
4.3.4 β-カロチン (合成}
4.3.5 Beta-Apo-carotenal }
4.3.6 Beta-Apo-8'-carotenoic acid }
4.3.7 ベニノキ抽出物  = 10 mg/kg ビキシンとして算出
4.3.8 ハーブ入りマヨネーズ中 クロロフィル  = 500 mg/kg
許容上限値
4.3.9 マスタード入りマヨネーズ中;カラメル(アンモニアタイプ)  = 500
mg/kg
4.3.10 トマト入りマヨネーズ中;ビート赤色  = 500 mg/kg
4.香料
GMP1指定;
天然の,あるいは国際食品規格委員会により定義された天然物質と同様の香料

4.5 保存料
4.5.1?4.5.2 = 単独であるいは併用で1 g/kg使用できる 
4.5.1 安息香酸,ナトリウムおよびカリウム塩
4.5.2 ソルビン酸,カリウム塩
1一時的に是認されている。
CODEX STAN 168 Page 4 of 6参照
4.6安定剤
4.6.1?4.6.12 = 単独であるいは併用で 1 g/kg使用できる
4.6.1 カラギーナン
4.6.2 アルギン酸ナトリウム
4.6.3 アルギン酸カリウム
4.6.4 アルギン酸プロピレングリコール
4.6.5 Locust bean gum (キャロブガム)
4.6.6 Guar gum (グア ガム)
4.6.7 ナトリウムカルボキシメチルセルロース
4.6.8 キチンサンガム
4.6.9 トラガカント
4.6.10 微晶性セルローズ
4.6.11 ペクチン
4.6.12 ガムアカシア
4.6.13 化学修飾済みデンプン: アセチル化デンプン質,アジビン酸エステル,
アセチル化リン酸スターチ,リン酸デンプン質, リン酸水素プロピル
=5 g/kg 単独かあるいは,併用で使用できる。
4.7 酵素調合剤
4.7.1 ブドウ糖酸化酵素 (黒色アルぺルギルスvar.) = GMP指定許容量
4.8 風味促進剤
4.8.1ハーブ入りマヨネーズに,グルタミン酸ソーダ5 g/kg 使用可能

5. 汚染物質
許容上限値
5.1 ヒ素 (As) 0.3 mg/kg
5.2 鉛Lead (Pb) 0.3 mg/kg
5.3 銅 (Cu) 2.0 mg/kg

6. 衛生状態
6.1 GMP(good manufacturing practice)において可能な限り,製品が不良で
ない状態にしなければならない。
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6.2 サンプリングや試験を,適切な方法により行う場合には,製品は以下に述
べる条件を満たさなければならない;
(a) 健康に害を及ぼす恐れのある微生物が検出されないこと。
(b) 健康に害を及ぼす恐れのある微生物に由来するいかなる物質をも含有しな
いこと。
6.3 製品は,推奨される国際倫理規定に沿って準備,取り扱いされている標準
規定によりカバーされていることが望ましい。
食品衛生に関する一般原則 (CAC/RCP 1-1969, Rev. 2, 1985, Codex
Alimentarius Volume 1),卵製品に関する推奨衛生倫理規定 (CAC/RCP 15-1976).

7. 包装
製品は、衛生状態およびその他内容物の品質を損ねることのない容器を用いて
包装されていなければならない。.

8. ラベル表示
一般規格基準で定められた食品包装に関する規定に加えて(CODEX STAN 1-1985,
Rev. 1-1991, Codex Alimentarius Volume 1),以下に述べる特別な規定が適用
される;
8.1 食品名
8.1.1 製品は、マヨネーズとして明示された基準の規定を満たさなければなら
い。.
8.1.2 製品に対して特別な,あるいは特徴的な風味を与えるために加えられた
材料は, 食品名に近接して化合物の適切な表示をしなければならない。
8.2 非小売り用容器のラベル表示
上記のラベル表示に関する必要条件に示された情報は、製品の容器に貼るか、
あるいは添付文書として明示しなければならない。また、食品名、製品管理番
号(ロット番号)、製造者と包装(卸売)業者の名前と住所に関しては、容器に
表示しなくてはならない。
しかしながら、製品管理番号、製造者と包装(卸売)業者の名前と住所に関し
ては、記号が添付文書により明確にそれらを認識することが可能な識別記号に
置き換えることができる。

9. サンプリングと分析の方法
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Codex Alimentarius Volume 13.を参照

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