こちら特報部
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| ■東京新聞に掲載された記事です。このなかの「体に悪い化学調味料がよくて」という部分に「日本うま味調味料協会」から配達証明郵便で松田さんに対してクレームが入りました。健康に害がない点と、一般にはうまみ調味料と呼ばれている点が指摘されています。商品の誤解を解こうという意図は理解できなくもありませんが、業界団体もずいぶん暇なんですね。(新井・5/22up) |
| ハチミツを入れたら「マヨネーズ」と名乗ってはダメ−。日本農林規格(JAS)法に基づく農水省の行政指導に対し、埼玉県で製造される健康志向のマヨネーズ愛好者らが反発している。専門家からも「砂糖がよくてハチミツがダメでは筋が通らない」などと批判の声が上がっている。体にいい食品を認めないJASって一体なに−。 食品の不当表示問題で神経質? 問題になっている商品は埼玉県神泉村の食品会社「ななくさの郷」(松田優正社長)が製造している「松田のマヨネーズ」。無添加のはちみつ菜種油や平飼い鶏の有精卵など自然素材を使用している。 「一九八五年から十八年間同じ製法で作ってきたのに、急に『マヨネーズ』と表示できなくなるのはおかしい」と、愛好者グループが八日、農相に三千二百七十人の署名を添えて基準の見直しを申し入れた。 農林水産消費技術センターから表示を変えるように指導されたのは昨年七月。JAS基準では、マヨネーズに甘みを加える材料として糖類の使用は認めているが、畜産加工品のはちみつは対象外なのだ。 なぜ急に表示変更を指導したのか。農水省品質課は「今まで通信販売や健康食品コーナーだけでしか出回っていなかったので、(農水省の)目につかなかっただけ」と説明する。しかし、松田社長は「食品の不当表示問題で世間の批判を受けた農水省が、神経質になっている背景もある」と分析している。 JAS法に違反すれば、一年以下の懲役または一億円以下の罰金を科されることから、同社は名称を「半固形ドレッシング」に、商品名を「松田のマヨネーズタイプ」に変更した。 だが包装袋の裏書きに、名称変更に至った経緯を書き「究極のマヨネーズ」とうたったところ、農林水産消費技術センターから「消費者に誤認を与える不適正な表示で改正を求める」という通達がきたという。 「大手の圧力で問題先送りに」 松田社長は「懲罰を受ける可能性があるが、裏書きを変更する気持ちはない。早期にJAS規格を見直すように、愛好者が署名活動をしてくれている。体に悪い化学調味料がよくて、はちみつがダメでは納得できない。自然食品に関心の高い消費者の意向を無視した基準はなんの目的であるのか」と憤慨する。 大手メーカーが加盟する業界団体からの圧力もあるようだ。 松田社長は「マヨネーズの原料基準を五年以内に再検討する農水省の審議会が昨年開かれたが、業界団体代表者の反対で、はちみつ問題が先送りになった」と、残念がる。 原料を細かく定めたJAS基準にはどんな意味があるのか。「基準があることで、日本国中で同じレベルの食品が手に入ることになり、安心できる。JAS基準は消費者を守る視点から必要だ」と弁護するのは和洋女子大の大野信子教授(食品学)だ。 それに対して、食品評論家の小若順一氏は「砂糖がよくてはちみつがダメというのは、筋が通らない。天下り役人を養うためにJASがあり、消費者のことを考えたものではない」と批判する。 JAS法の基準に合わず商品名を変えた例はほかにも多い。東京農大応用生物科学部の舛重正一教授は、こう指摘する。 「花王は『エコナクッキングオイル』を使ったマヨネーズを作ったが、エコナがJAS法で規定される油よりも脂肪酸が少なかったため『マヨネーズタイプ』という商品名にした。通常の油よりも健康なものなのにマヨネーズと名乗れないのは、はちみつと同じ。原料の基準を決めておかないと企業は何をやらかすか分からないというお役所論理がJAS法なんだろうが、必要悪に近いものだ」 |