ヘクラ島

ヘクラ島2004.4.9−11  県 名】 石川県【環 境】 小島 【年月日】 【時 刻】 6:00−17:00【天 候】晴れ後 曇り【観察種】ジョウビタキ多、ノビタキ、アトリ、カワラヒワ多、メジロ多、ウグイス、ツグミ、カシラダカ、シベリアセキレイ、ベニヒワ3、ヤツガシラ
2、その他合計32種


今回の目的は冬鳥の残留組と早めに飛来する夏鳥の撮影である。しかし見事にその目論見は外れてしまった。日程は同行したIさんとも相談し、僕は1,2週間早いことを希望して実施したのだが、既に冬鳥は少かった。更に夏鳥の訪れにはまだ早く、滞在した期間キビタキの姿は一度見ただけ。オオルリはゼロ。コマドリは声のみ数度耳に。しかし夏鳥でノビタキは例外だった。ノビタキは日を追うごとに多くなり、3日目はどこへ行ってもノビタキが枯れ枝にとまっており、一度数えたら、視界の中に十数羽いるのが確認できた。オスはまだ真黒い夏羽には至らず、まだら模様の横顔をしていた。この時期、我々が輪島港から船で90分の沖合いのこの陸の孤島、ヘクラ島に何故行くのか?野鳥フアンの方なら直ぐにぴんと来ると思う。
ヤツガシラを確実に見る季節はこの時期のみなのだ。春の早い時期から渡り始めるのだが、民宿がオープンしていないので、オープン直後出かけることにした。冬鳥と夏鳥とそしてヤツガシラ(分類的にはヤツガシラは夏鳥)の撮影という欲張りの撮影旅だった。
ヤツガシラは過去に数度撮影している。その中でヤツガシラを見るたびに思い出すことがある。それを恥ずかしいことですがご紹介します。


数年前、5月の連休にヘクラ島に行きました。水戸から輪島市まで約700Kを夜通し走りました。港から90分船でヘクラ島へ。一応島全体を廻って休みになっている分校のグラウンドの芝生の真ん中で休憩しているうちに、寝不足から、大の字になり深い眠りに入ってしまいました。シズカニシテ!の声で気がつき不図、脇を見ると、2−3Mの直ぐ近くにヤツガシラが熱心に芝目の中に長いツルハシ型の嘴を何回も差し込み餌を捕る姿が眼に入りました。それからそのヤツガシラと寝ている僕を輪のよう囲むカマラマンと鳥見人の方が20人前後こちらを見ているのが分かりました。何しろゴールデンウィーク中でしたから人出は多く僕はこんな沢山の方に見物されていたかと思うと、恥ずかしくて直ぐにも消えてしまいたい衝動に駆られました。しかし動くことは出来ません。しかも僕のカメラは手元に無く、ヤツガシラとの距離よりも遠く、僕は今どの様な状況下にあるか、静かにして!の一声で分かりました。それからはヤツガシラが飛び去るまでグラウンドの上でタヌキの真似事で静かに眠っている振りをしていました。このときほど、時間の長く感じたことは有りません。勿論このときは一度もシャッターを切れませんでした。同行していたSさんは恥ずかしくて、起こすことが出来なかったと言っておりましたが、その後一日ずーっと僕とは歩きたくなかったようでした。このようなわけで、ヤツガシラは一番距離が近かったのですが撮影は出来なかった思い出があります。


今回ヤツガシラは2羽おりました。海岸よりの金毘羅神社に向かった細い小道の草むらで確認。Iさんと2人それに金沢からきたNさんの3人でヤツガシラが近寄ってくるのを待ちました。そこへ地元の山菜取りのオバサンがずかずかと入ってきて、完全にわれわれを無視して鳥のいる方向に歩み寄ったから直ぐに飛び去ってしまいました。それから
Iさんと2人で小道の反対側の神社の高台でヤツガシラが再び元のところへ戻ってくるのを待ちました。前方が平らな荒地と草むら。右手後方は海岸線で視界は開け、光彩陸離たる海原が横たわっております。しばらくIさんと雑談をしていました。すると、右手から2羽のヤツガシラがこちらに向かって飛んでくる姿を2人は確認しました。ヒラヒラと飛ぶ姿は鳥というより、大きな蝶が飛んでくるよに見えました。
「来た来た!」二人は見事に予想が当たった喜びとヤツガシラのヒラヒラと飛んでくる姿に見とれて、双眼鏡から眼を離せませんでした。そしてヤツガシラが鶏冠を大きく広げ、10M先の草地に静かに着地したとき始めて、我に返り、カメラを取ろうとしましたが身近にカメラがありません。雑談しているうちにカメラから遠ざかってしまっていたのです。2Mも離れており、慌ててカメラセットの位置に戻りましたがすでに遅しです。我々の急な不自然な動作に気がつき鳥はフワーと飛び去ってしまいました。勿論この時ほど悔しがったことはありません。このときも僕はヤツガシラとは距離が近いが撮影できない鳥だと思ったわけです。
しかし、不幸なことはそう重なるものでは有りません。野球に満塁ホームランがあるように、カメラマンにも幸運が持ち込まれることもあるのです。僕とIさんの二人で観察舎の中で暇つぶしにカワラヒワの撮影をしていると、くだんのヤツガシラが何処をどうしたのか
それとも血迷ったのか、観察舎の庭の芝生の上へ音も無く舞い降りたのです。そのとき僕はカメラセットをしっかり握っていたからヤツガシラの姿をたやすく撮影できました。これはそのとき撮影した写真です.。
今回のヘクラ島紀行文はヤツガシラに集中しました。ヘクラ島にはこれで6回行きましたが、いつ行っても面白いところです。但し、港の近くから、民宿つかさまでの海岸がいつも工事をしていて変わってきたこと、それと観察舎の前の大きい桜の木が簡単に数本切られたり、分校のグラウンドの周りにあった桜の木がすべて切られてしまったこと等、目にもはっきりと変化がわかる事があります。どうみても自然を大事にしていないように見えます。小鳥達が渡りの旅に疲れて羽を休めるへクラ島が変わっていくのを見ることは辛いものです。これ以上へクラ島の樹木をもう切らないで欲しいと願うのは僕だけでしょうか。今回同行されたIさんもヘクラの変わりようにびっくりされておりました。Iさんお疲れ様でした。又ヤマセミの撮影を続けてください。Nさんいつまでもお元気で。ヘクラ島の情報を教えてください。
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ヤツガシラ 冠羽は地上に下りるとき、又警戒心が出たとき             ベニヒワ 
        突然開く。