06.11.04 伊豆沼 マガン 満月の中を飛翔する雁の姿を写真にと心がけて今年で3年目になる。 最初は簡単であると思った。 しかしやり始めるとこれが如何に難しいか分かった。まず、数字で示したい。満月は月に一度である。それから雁が伊豆沼に飛来してくるのは10月から3月の間。これだけで年に6回のチャンス。6回のチャンスの中で晴天の日が1回あるか疑問である。伊豆沼はご存知のように周りに大きな沼が4つある。4つの沼は朝夕霧が発生して月を闇に隠してしまう。月の出る1時間前は晴天であっても、回りが冷たくなると、見る間に沼の近くに水蒸気が上がり厚い雲と化していく。 年に6回のチャンスと言ったがほぼ満月に近い13夜から14夜を入れると確率は2倍3倍に上がってくる。 従ってこの辺を考量に入れて伊豆沼に入るのだが今年はカミさんと同行で出かけた。カミさんは僕と違って不思議にツキがある。これまで色々な小鳥に遭遇して何故か自信さえつけてしまっていた。笑。このツキを借りない手はないと今年は僕は決め込み、伊豆沼の雄大な自然と美味しい料理で誘った。 天気予報では連続して好天気になっていた。しかしどうしても心配で12夜の日から入った。正確には11月2日である。この日は多少雲があったが 雲間から抜け出て半月より少しお腹の出た月が出た。マガンも月の周りを飛行したがどうしても月の形がいただけない。明日の13夜の月に賭けようとその日は少し気持ちも明るくなりカミさんと宿に向かった。 次の日、昼間は殆ど快晴。だが3時ぐらいから俄かに雲が多くなり、とても月が見える状態でない。地元のカメラマン達も早々に帰宅してしまった。 予報では明日の夜は曇りらしい。そして15夜の明後日は更に悪くなるようだ。いつものような最悪のパタンである。 翌日の朝、日の出の中のマガンの撮影をした。顔見知りのカメラマンや友人達ともお会いでき、楽しいひと時であった。その友人達から仙台市内の ミサゴの撮影に誘われ、一緒に仙台の河口に向かった。もうその時点で月のマガンは諦めていた。 1週間前、珍鳥のマダラヒタキの撮影後、友人はここのミサゴの存在を知ったそうだが、近くにはあまり来ないが数は沢山いるようだ。 日本で一番低い山と看板にある十数mの山(日和山)に登って数時間友人達と鳥談義をしながら時間を過ごした。 だがミサゴをみている間も脳裏には満月の中のマガンのことが離れなかった。午後になり次第に風が出てきた。僕はこの風でもしかしたら伊豆沼の雲も飛んでしまうかも知れないと思った。 そのように考えたら瞬間、僕は伊豆沼に戻る気になっていた。唐突かもしれない。だが僕をそこまで判断させたのは今、冷たく吹き始めた風だ。 友人達も伊豆沼に戻ることになった。それから1時間車で急いだ。 しかし伊豆沼には厭な雲があった。薄い雲が伊豆沼周辺を襲っていた。だが雲の上は何もない。そのうちに雲間から抜け出た月が天空から輝き始めた。ひとかけらも雲がない丸い、まるい月だった。その月明かりを頼りにマガンが次から次へと飛来してきたではないか。 最初数羽だったが見る間に数え切れないほど列になって戻ってきた。これが僕が求めていた映像だ。この姿は悠久の昔から変わらずにこの今の時間までつながっていた。 伊豆沼の上空にマガンはたどり着くと一斉に編隊を崩し落雁の形で沼に落ち着く。一方の集団は上空の月よりも高く飛んできて伊豆沼の畔を目指す。 月は更に冴えて周りの闇を濃くしていく。マガンは更に数を増して戻ってくる。煌々とひかる月の明かりで辛うじてその姿が分かる。 幻想幽玄の世界である。 ![]() 月とマガン。 ![]() 日の出とマガン ![]() 上の2枚の写真マガン1羽が小さいので思い切って大きい写真を載せました。 可愛いと感じるのはぼくだけでしょうか? #お願い!このコーナーを読んだ方、恐縮ですがご感想を掲示板に書き込んで頂けないでしょうか。宜しくお願い致します。 戻り |