07.10.08   キジと彼岸花      笠間市

 昨年オオタカの観察の帰途、偶然にも川原の土手一杯に咲く華麗な彼岸花の中に、寛いでいるキジを見つけた。
匍匐前進して、キジの姿の撮影にかかったが、彼岸花の見学にきた観光客の姿を恐れて、キジは瞬時にブッシュの中に消えてしまった。
逃がした鳥は綺麗だった。

その後も何度か土手に咲く彼岸花を見に行ったが、キジの姿は一度も認められなかった。、
この1年間、いつも彼岸花の中のキジの姿が脳裏に浮かび、彼岸花の咲く季節を待っていた。

だが1度見た土手の彼岸花は今年はお盆過ぎてからユンボなどの重機が土手に入り、荒れてしまって、彼岸花はほんの少しだけ咲いているだけだった。
そこで僕は彼岸花の咲く場所を手当たり次第に探し回り、キジを見つけに数日車で走った。
友人知人からそしてカミサンの友人からも彼岸花の咲いている場所を尋ねた。皆さんの知っていた場所は知名度の高い、規模の比較的広いところで、観光客が回遊する場所でもあったが、一応あたって見て、キジがいるかどうかは確認した。

仮にキジが生息していても、見物人がいては出現しないこともあるので、人家の少ない里山を集中的に探すようにした。

30箇所以上回った地点で、山間の谷間を流れる小川の脇に生息するキジを発見した。谷間が狭く、キジの動く場所は限られ、彼岸花の
花園に入る確率は高いと思った。

しかも小川は部落を走る道路から見下ろせるところで、車からキジが何処にいるか直ぐにみつけ安いことも良いポイントであると判断した。
彼岸花は小川の脇と道路から田圃に入る農道に密集して咲いていた。

高所からキジのいる場所が俯瞰できることは大きいメリットだが、キジからもこちらの動きが直ぐに分かったしまうことは難点であることがカメラをセットしているとき分かった。
キジはこちらの姿を見ると、直ぐに消えてしまった。初日は深追いしないで、次の日にかけた。

良く分からないがキジと彼岸花の関係は何もないと思う。
ただそこに彼岸花が咲いているからそこを通るだけで、必然性は何も無い。従って彼岸花の中のキジの写真を撮ることは困難であり、
あまり意味の無いことのようにも思える。

しかし昨年、僕は一度キジが華麗な彼岸花の中にいる光景をみてしまったので、何としても撮影してみたかった。無謀!とも最初は思ったが次第に彼岸花に近い棲息地も見つかるようになり、明るい展望が開けてきた。

幸運はいきなり来た。
次の日、キジは道路から下り坂で繋がる農道の脇の彼岸花の中で腹ばいになっていた。車でそっと接近して車の窓からレンズを出して下にいるキジの撮影が出来た。

10回ほどシャッターを切ると流石にキジも車の中の僕に気がつき、右手の農道の草むらに消えていった。
しばらく待ったが彼岸花には寄って来なかった。

次の日から雨天が2日続き、彼岸花の最盛期が過ぎた。あっけない幕尻だったが赤い彼岸花とキジの写真を撮ることが出来た。




解説
キジ♂ 彼岸花 別名曼珠沙華或いは天上の花ー幸運が来る時は天から赤い花が降ってくるー経典より
彼岸花はお彼岸近くなると、地中から花茎が伸びてくる。1日10cmも伸びてくる。50cmぐらい伸びると花が咲き始める
花は約1週間で枯れ始める。殆ど枯れてから葉が出てくる。葉は秋から冬一杯光合成して地中の球根に栄養を送る。
そして夏に枯れて秋の彼岸時期の花茎の成長を待つ。従って秋雨を受けた彼岸花の伸び具合はびっくりするほどの早さである。

彼岸花の左側は小さな水路になっている。
彼岸花を何故植えているのか、近くの農家の方に尋ねてみた。
彼岸花の球根や根には毒性があり、田圃の畦をモグラや野ネズミに荒らされないように植えておくとのこと。
お墓の脇にも良く見られるがそのような理由があるのだろうか。
30数箇所回って彼岸花の多いところ、少ないところがわかるようになった。
来年はもっと綺麗な彼岸花の中にいるキジを探してみたい。だが彼岸花も桜のように開花期は短く
晴天の日も少ない。無謀に近い探鳥には違いない。

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