07.09.10  ミュウビシギ トウネン    茨城県神栖市

 しばらくぶりに関東を直撃した台風9号の爪あとは大きかった。我が家の早生の栗畑は壊滅的な打撃を受けた。老木は根本から倒れ、南側の
斜面の枝は強い風雨でへし折られ、青い栗のエガは地面に叩かれ、あたり一面青いマリモが敷かれたようだった。
思わずその惨劇に息を飲むほどだった。
スタインベックの小説には、このような風で手ひどい打撃を受けた農夫の話が随所に出てくるが、僕にとっては始めての大きい打撃だった。

それから、まる一日かけて栗畑の台風の後始末をした。
一人で運べない大木だけは後日、チエンソウで運べるほどに切断して、整理することにした。
夕方遅くまで仕事をしたため、腰がだいぶ痛くなった。

翌日は台風一過。
台風に追いやられて海から砂浜に逃げてきた珍鳥を探しに出かけた。不思議なことに、腰の痛さなどすっかり忘れてしまった。
砂浜はいつもの台風後より穏やかで残された台風のゴミも少ない。海岸は朝から太陽がぎらつき、少し歩くと汗が背中を流れ落ちた。

台風時期になるとヒメウズあたりが迷い込んでいないかと何時も期待する。せめてヨコネンあたりがいてくれたらと熱い期待で砂浜を歩く。
とうとうテトラの絡まりのところまで歩いてきてしまった。
そこまで行くと、オバシギやコウバ、オグロそれにトウネンの群れがテトラの影にいるのが分かった。
もしかしたら、台風を逃れて集まってきたのかも知れない。小さいトウネンの群れに双眼鏡をむけ、その中にヨコネンがいないか1羽ずつ確認した。
中に嘴が長い1羽がいた。、頭の中の電球が1個光ったもしかしたら、、

しかしそれはキリアイだった。何回見てもキリアイだった。背中の模様がはっきりしている。
小さいシギチの中にミュウビが2羽いた。行動が何時も2羽で動いていた。余りにも可愛いのでカメラを取り出し撮影をすることにした。
Nさんはミュウビをライフワークにしているがこの2羽の可憐な姿を見ると分かるような気がする。数百羽同時に行動するのもいるが、たった2羽で
行動するのも不思議である。台風で迷ってしまったのかも知れない。
レンズを向けているとミュウビの表情が面白い。波打ち際で波の動きに合わせ動いているが、時々休憩するために近くにくる。その時、こちらの目とミュウビが会ってしまう。どうしたのと言わんばかりの顔をする。
小鳥と会話が出来たらと思う瞬間である。



 ミュウビシギ 波崎海岸 07.09.09


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