05.12.24 オオタカ カスミガウラ市 本日もオオタカは来なかった。もう、二度と来ないような不安感が付きまとう。 しかしこのような時は冷静に飛来しない原因を突き止めなければと思う。しかし前回愚痴めいたことを吐露してしまったので、今回は避けたい。 本日はオオタカの撮影で予期しない出来事、つまりプラスになっていることを記していく。勿論僕のオオタカの撮影は定点観測で、環境の変化がどうなっていくかが大きなテーマーになる。つまりオオタカの観測の現場は日ごと変わっていき、そのありようを撮影していく。その中でオオタカ以外の猛禽に会うこともある。それも予期しない出来事があったりすると、オオタカと同じような興奮とサジッシヨンが提供されることがある。僕の現在通っているオオタカの狩場は2ヶ所であるが、オオタカ以外にノスリ、チョウゲンボウ、それにチュウヒそしてトビを確認している。 これらがどのように勢力分布を持っているのかは分からない。但し食べ物(獲物)の違いで裾分けはしているようであるが、その目的の獲物が 少なかったり、その日が極端に空腹であったりした場合は文字通り腹に背は変えられないのかお互いの領分を侵略するようである。 前々回,オオタカの勝子が獲物を食べているところにノスリが強引にその食べ物を強奪してしまったことを述べた。僕はその時オオタカは絶対反撃して大喧嘩が生ずるものと息を止めて成り行きを見守っていた。しかし、既報の通りオオタカは何の抵抗もなくその貴重な食べ物をノスリに捕られたまま上空に飛び去った。 そしてノスリはオオタカから奪ったドバトを勢い良く食べ始めた。 本日はこの続きである。ノスリは急いで食べ始めたが時々オオタカがやるように獲物を両羽の中に隠し背を低くすることがあった。後で分かったことだがその時、別なノスリが上空を旋回していたのである。 ノスリは背を低くして両眼だけは空中のノスリの動きを追っていた。 突然、天空からノスリが食事中のノスリの脇におりてきた。食事中のノスリは獲物を更に羽の奥に隠し、身体全体を大きくして立ち上がった。 だが、抵抗はそれだけだった。「そこをお退き!」と叱られたかのように直ぐにサーと素直に獲物を明け渡した。そこには獲物を取り合う壮絶な喧嘩はなかった。人間の世界で言う無条件降伏のようではっきりと勝敗は決まっているようである。 オオタカがノスリに獲物を明け渡す時もそうであったがそこには獲物の取り合いである流血の凄惨な争奪戦はなかった。 考えてみれば当然のことである。猛禽同士が壮絶な喧嘩をしたらどういういう結果になるか? お互い鋭いカミソリのような爪、心臓部までいとも簡単に突き刺すことの出来る嘴を持ってリングに上がったら、仮に勝負に勝っても大きな深手は負ってしまうに相違ない。 お互いが明日に生きていく健康体を失ってしまう。従って、恫喝や脅かし、喧嘩のしぐさはあっても、本格的な喧嘩はしない。この点において、なんと人間より賢明な生き方をしているのかと感動する。人間は原爆まで作ってもまだ猛禽のレベルにも届いていないのではないか。 その喧嘩の結果を予測できない人間はなんとおろかなことだろう。 ノスリとノスリの喧嘩はオオタカの観察で数回目撃した。全部派手なにらみ合いはあったが、つかみ合いは全然していない。 下の写真でも、右のノスリが威嚇しているだけで、左は恭順を示して、お腹を見せている。丁度ライオンや狼が喧嘩上位のものに対して絶対手向かいはしませんと言った従順の態度といかに似ているか、驚くばかりである。 オオタカの撮影でこのような観察がプラスされることは非常に喜ばしい。オオタカの記録だけでなく、オオタカ対ノスリ、 ノスリ対ノスリと言った戦慄を味わうような喧嘩の姿もブラインドテントから見られることがあるので、寒い早朝でも、 テントの中へもぐりこむのである。 僕の経験ではただ単に、車を走らせるだけでは、偶然にその姿を垣間見ることはあるが、このような戦いを一部始終みることは出来ない。地味な定点観測であるがブラインドテントから見る世界は広いような気がする。 ![]() ノスリの喧嘩 戻り |
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