06.02.16    オオタカ     かすみがうら市


 昨日の天気予報通り、今朝は暖かい。ブラインドの中にいても居眠りが出てくるようだ。2月の中旬だが4月半ばの陽気である。遠く見える筑波山や加波山の峰々が白く霞んで見える。こんなに天候が良くて暖かい日はオオタカは直ぐにも飛来しそうな期待感が一杯になる。特に
理由はないのだが、自分がオオタカなら、深い森の中の暗いところにいるよりも、明るい日差しのなかで獲物を見つけるため、思い切り滑空していた方がどれだけ気分が良いか分からない。

獲物が直ぐに見つからなくても、長閑な田園の中で、飛び回っていた方が獲物を見つける可能性も高いし、又何処に大好物のドバトやムクドリが集合しているのか発見できるのではないか。

そんなことを想像していたら、電光石火の早業で前回飛来した幼鳥が飛来してきた。奴(前回同様分かりやすく彼をこのように呼ぶ)は警戒心だけは人一倍強く、ドバトの背中に乗っていても此方を、輝く双瞳で睨みつけ、それも時間が長い。
此方のブラインドを見ている間はレンズはおろかブラインドの窓を開けることも出来ない。このにらみ合いの時間はだいぶ慣れてきたので、僕は奴の動作を冷静に観察することができるようになった。こちらが間違った判断をしなければ飛び去るようなことはしないことも分かった。問題は他の猛禽が餌を強奪するために攻撃をしかけた時であるが、これも極力視界の広い300ミリのレンズでカバーする以外手立てはないと思う。
前回はこのレンズに1.4のテレコンを装着したため視界が狭くなり、念願の勝子到来のチャンスも棒にしてしまった。奴も勝子が不意に突然襲ってきたので分からなかったこともある。本来なら、天空を睨みつけたり、威嚇のゼスチャーである風切り羽をを広げたり何らかのサインがあるのだが前回はまるで分からなかった。奴の真後ろの死角から飛び込んできたのだろうか?

僕は本日も勝子が、不意に、突然に、いきなり、奴に、攻撃をしかけてくることに期待した。
勝子でなくても最近ご無沙汰になっているオスの成鳥 ターキーでも出てくれればと願った

。もうそろそろ、子育て前期の交尾期に入る時期で、ドバトの1羽ぐらいメス(勝子)にプレゼントする度量と男気がないと、ターキーは相手にされないのではないか。男ならドバトぐらい強奪してみろ!と僕は誰に言うでもなく呟いた。

150mほど離れた電柱の上からノスリが時々こちらを、ちらちら眺めている。このノスリはどうもこちらのドバトよりも、真下近くにうごめく、ネズミの方にご関心があるようで、いまいち飛び出してくる気配はない。

本日の一陽来復のようなうららかな、天候の中でオオタカの幼鳥はノンビリと食事をしている。とてもこの陽気では突風が吹くような気配はない。暫く食事をしていると、砂嚢が大きく膨らんでもう食べられないとばかりに奴は周りの光景をぼんやり眺めている。この辺が若い鳥である。2−3歩下がってウンチをした。猛禽なら飛ぶ前兆であるのでカメラを構えたが奴は再び食事にかかった。全てに動きが緩慢であり、周りに対して警戒心がなくなっている。

しかし、突然、
先ほどのノスリが50mほどの棒クイにとまった。奴はその動きに反応するようにドバトをカギのような爪で持ち変えるとあっという間もなく杉山の奥に向かって飛び去った。飛び去る時、僕はシャッターを連写した。一枚は下記の写真、もう一枚は上体から風切羽が半分だけのもの、
そして残り一枚は全く何も映像がないものだった。
シャッタースピード2400分の1の世界だったが、天候が良かったのだからもう少しスピードを上げればよかったかなと思う。前回に引き続き今回も空振りは免れた。

本日も勝子は来なかったが幼鳥はキチンと飛来した。幼鳥の動きを勝子は何処からか目撃しているかも知れない。
そしてこの地が安全であることを確かめれば再びその勇姿を僕の眼前に現すに相違ない。あくまでも目的は勝子の地上近くから離陸し、飛翔に移る瞬間の映像をものにすることだ。オオタカは枝木に毅然と、とまっている姿も美しい。しかし目の前を飛ぶ姿はこの自然界のなかで最も神々しく荘厳とアイデンテイに満ちている。それでいて軽快で何一つ無駄な動きはなく、飛行する姿は美しく、見惚れるばかりだ。
至近距離で、肉眼で見える映像と、同じものを撮影したいのである。




オオタカ幼鳥 慌ててドバトをカギ爪で持ち上げ飛行する瞬間。
レンズ300ミリ シャッタースピード2400分の1

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