05.12.12 かすみがうら市 オオタカ 前回はオオタカが食事中に突然ノスリが天空から弾丸のように飛び込んで、その餌を強奪する光景を目の前で目撃した。 この絶好のチャンスを僕はカメラで撮影することが出来なかった。ただその瞬間の出来事を時間の流れが止まったかのような光景として 僕の眼の網膜に焼きついた。カメラに焼付ければ良いものを、ただ茫然自失のなかで貴重な一こまを逃したかと思うと慙愧に絶えない。 自宅に帰ってから、コンパクトフラッシュのメモリーカードの中の写されている映像を一枚一枚点検してみた。どのような意識の流れで、オオタカの姿を撮影していたのか自分の心を分析しながら写真を確認した。オオタカのメス成鳥勝子が草むらで食事している同じようなカットがいくつか映し出されていた。平凡なオオタカの絵だった。そして本来なら次に有るべき空前絶後のオオタカを攻撃するノスリのスリリングな写真が出てくるのだが当然そこには何もなかった。 次にはオオタカに代わってノスリが食事する選手交代の写真で、これもオオタカ同様平凡である。更に見ていったがこれと言った写真は発見出きなかった。 もう一度最初から目撃した現場を脳裏に描き、メモリーカードを追っていった。オオタカの絵からノスリの姿に変わるところで眼はとまった。 それはオオタカの写真だがともすると、見過ごしてしまうくらいのオオタカが草むらに臥している地味な写真。最初竹の子のように立っている上尾筒が、何か分からなかった。 メモリーカードの中の写真では小さく不明なので、PCでそのLAWの写真を現像して、拡大してみた。竹の子のように見えたのはオオタカの尾羽だった。 それはオオタカが身を極力低くしている姿勢。背中の羽毛は逆立ち、尾羽は垂直に近く立錐。攻撃される前の守備体制の瞬間的な写真だった。食事していたドバトを胸の中に隠し、写真からは全く分からない。オオタカの鋭い眼はノスリが奇襲してくる前方に釘付けである。 この後の一枚の写真がない! 次の瞬間から、僕はただ見ていただけの木偶(でぐ)の坊だった。悔やみきれないカメラマンとしての無念さ、お分かりでしょうか? この悔しさが次の行動に駆り立てる。勝子は必ず来る。そしてノスリも日々生きるため,荒野に眼を光らせ獲物を狙っている。勿論ノスリだけでない。チュウヒもいれば、フクロウもいる。その他僕が見たことのない猛禽もいるかもしれない。 それらが勝子の敵になるだろう。そして再び獲物の取り合いになる。その時は、そしてその時は僕は必ずシャッターを連射する。 だがその前にやっておくべき事が沢山ある。勝子がその日どうして飛来したのか。そしてノスリはどこからスクランブル発進してきたのか、田圃と野山の地形図で解析する必要がある。風の流れ、温度、そしてこれは最も大事なことだが獲物の多寡も左右されるだろう。 全てを調べて次の勝子と会う日を待つことにする。 ![]() オオタカ メス成鳥 レンズキャノンEF300.2.8使用 戻り Webマスターから 文章をよく読んでから写真を見た方がイメージが掴めると思います。文章はイメージを強烈にするように書き込んでおります。一見は百聞に しかずと昔から言われておりますが、僕は必ずしもその通りではないと思います。ペンは力なりとも言うように、僕のオオタカに対する熱いイ メージは写真だけでは表現しきれず、むしろ文章を読まれて伝わるのではないかと思います。 |