07.3.24  オオタカ  かすみがうら市

 ハイテク機器に凝ったのは10年以上前になる。
その頃はヤマセミに夢中でハイテクの機器でヤマセミが渓流に飛び込む撮影を撮りたくて色々な機器を作った。

ヤマセミが飛び込む時、自動的に赤外線でキャッチしてシャッターが切れる、オートセンサーは今でも健在である。ヤマセミが水中を飛び込んだ姿を水中から撮影する水中ハウジングや300ミリのズームレンズを遠方から作動させるカメラ等は途中でやめてしまった。
一知半解のため、成功したものよりも失敗したものの方が多いが、ヤマセミに対する熱が冷めていくに従ってこれらのハイテク機器からも遠ざかってしまった。
そして今回のオオタカで再びこのハイテクの力を借りることになった。

前回と違ってハイテク中心と言うことでなく、オオタカの映像を創りあげる部分のテコ入れであり、その点で時間はあまりかからなかった。
オオタカを撮影するにあたって僕はカメラにに取り付けるレンズを小さくかつ軽量なものを選んだ。
キャノンから出ている50ミリレンズで軽量さで一番のものを選んだ。
それからタムロンのズームレンズ28ミリー300ミリ、これも軽量で小型。
この小さなレンズを左右に振れるモーターを探した。

過去に中途半端だったモーターはやめてマブチモーターからモーターの形状で直径、長さ、高さいずれも小さくまったモーターを選んでカメラに取り付けた。ここではズームは手動にして簡単なタイプにした。

これでカメラに三脚でなく台車をつければ野原を駆動するカメラになるが、Simple is Bestをモットーとして数日でハイテクのカメラは完成した。
3、18(日)
テストをしてみた。この日はオオタカは飛来しなかったがノスリが舞い降りた。レンズはノスリに真っ直ぐに向かった。いや向かったつもりだった。
ノスリの嘴がモニターに見えたところでレンズはそれ以上動かなかった。レンズの許容範囲外にノスリが下りたからである。
シャッターはキャシャ、キャシャと軽快に切れた。

ノスリが飛び去ったあと映像をみたが、やはりノスリは顔半分ぐらいしか映っていなかった。だがノスリの背景がくっきりと描かれこれまでの写真とは違っていた。

テスト撮影はこれで充分だった。
次に撮影する日が楽しみだった。これまでオオタカの撮影で一面の背景は余り気にしなかったが今回の撮影は背景が最重要になる。これまでの撮影では背景のでそのボケ味が気になるだけだった。しかし今回は背景が全部写しこまれてしまう。従って360度光景を仔細に点検しなければならなかった。
360度見回すと、何と視界に邪魔な電柱が多いのだろう。東西南北いたるところに電線が走っている。こんな里山でも電柱のオンパレードだ。
電柱によって景観は台無しになる。こんなに里山の景観を大事にしない日本は美しいと言えるだろうか?

寝るとき、こんなことを考えたり、オオタカのいる光景を想像したりしていたらなかなか眠れなかった。

翌朝、彼岸の中日を過ぎても朝は寒い。
ブラインドテントを立てると直ぐにリモコンカメラをセットした。ブラインドの中にカメラ三脚は入れないので部屋が広く見える。
いつもならレンズ部分の廻りを衣服類で偽装してレンズのように見えないようにするのだが本日はそのようなことは一切しない。

時間があったのでカメラをもう一台これは無線装置にしてブラインドからこちらも同じように操作できるようにした。
全てセット完了してブラインドから2台のカメラの操作をしてみた。どちらも軽快なシャッター音が聞こえた。

だが、オオタカはなかなか現れなかった。
もしかしたら何処からか僕のリモコンセットの動作を見ていたのだろうか等と又、疑心暗鬼の自己疑問が始まった。
いつもの歴史小説をだいぶ読みすすめて疲れた目を外の荒野に向けた。
するとオオタカがいるではないか。僕はテレビのモニターに電源を入れた。
画面にはオオタカの横顔があった。
僕はすかさずリモコンのスイッチを押した。オオタカは不意のシャッタ−音で、カメラの方を睨みつけた。僕の方から見ると左側で、オオタカはそれからずーっとカメラの方に警戒心を持ち続けていた。
オオタカがこちらのブラインドに対していつものようにあまり警戒心を持たないのが不思議であった。
オオタカは2台のカメラを不思議そうに何回も見ていた。
しかしカメラのシャッター音に慣れると再びこちらのブラインドに対して緊張感を持った眼差しで見るようになってきた。
その鋭い眼差しでこちらを見ても僕のやることは唯一つ。
リモコンのスイッチを押すだけだった。
従ってオオタカに対してストレスは以前よりは軽くなったのではないか。その点では一歩前進だった。

しかし、この撮影手法は出来たが肝心のオオタカは繁殖の準備のためかその姿を見せることがすくなくなってきた。烏兎怱怱、3月も残りわずか。
今シーズンのオオタカ撮影も終わりに近い。



 
<オオタカのいる風景>  07.03.21撮影

 ハイテク機器を使用して撮影。これまで背景が鮮明に映る、オオタカの撮影は不可能でした。
この撮影方法の凄いところはオオタカを強調したければ画面を大きくすれば良いことです。
背景は自ずからぼんやりとしてくる。
写真をあまり見てない方はこの写真が余りにも自然で、何処が違うか、お分かり
難いのではないかと思う。
猛禽の写真集などを、ご覧になって比較してください。
直ぐに見分ける方法としてはオオタカと山を見比べてください。オオタカが如何に
強調されているかお分かりになると思います。遠近法によるものですね。

 戻り