北海道K町 シマフクロウ       戻り

シマフクロウの家族はその後どうなっているか、気がかりでK町まで出かけた。実はK町には冬は行かないと決めていた。何故ならば、ここは北海道の冬のなかでも一番気候の荒れるところで、氷と寒風の世界であり、僕はいつ行っても晴天に恵まれない。従って曇天や吹雪の中が多く、とにかく条件が悪すぎる極北の地であった。今回Mさんの誘いでシマフクロウの家族のことが気になっていたこともあり出かけることにした。昨年9月に来ているが、冬のK町は3年ぶりだった。3泊したがやはり天候は悪く初日の夜は風と雪の中の撮影だった。カメラレンズの中に吹雪の粉雪が入り込み、撮影にならなかった。寒くはなかったが、深夜になると雪がまとわりつくようなべた雪に変わり容赦なくカメラやレンズに付着する。シマフクロウも沢伝いに吹き荒れる吹雪を警戒して姿をあまり見せなかったので早めにやめた。次の日は一日中雪が降り、1Mぐらい積もった。宿の庭に出ることも難しいぐらいの大雪だった。夜になっても小雪が舞い、そして谷から吹き降ろす風は恐ろしいうなりをあげ止むことはなかった。3日目やっと撮影可能な夜を迎えた。
三日月が山の上に上がり、沢全体が白い雪の世界を呈していた。(参考のために。10年前は3日待っても1度も来ないことは当たり前だった。本来シマフクロウと対峙する環境とは厳しい世界であると思う。)

PM6:40 一回目の飛来。2日間天候が荒れたために殆ど魚が取れず空腹だったのだろうか、いつもの時間より早い。体の大きさから判断して親のシマフクロウか。魚を取ると直ぐ上流の暗闇に飛び去った)

PM6:45 2回目の飛来。やはり親だろうか。魚の取り方が早い。

PM7:00 3回目の飛来。1昨年生まれた若鳥が来た。昨年は親の子育てを手伝い、魚を捕獲しても直ぐ飛び去ることも無く川べりにいることが多く、一番撮影しやすい。昨年9月、大きなカラフトマスを足で捕らえ30分も水の中で格闘していたことがある。
撮影にサービスしてくれる可愛い子だ。しかも脚環をしていない。一番絵になる。
PM7:02 4回目の飛来。

PM7:25 5回目の飛来 4回目と合わせて昨年の雛と思われる。身体が幾分小さい。顔がまだ猿のような皺が消えない。

PM8:30 流れの弱い部分の川の瀬が氷始める。氷を砕き、流れをよくしようとするが思うように行かない。

PM9:55 6回目の飛来  捕らえたオショロコマを一気に飲み込み更に足で捕らえた獲物を鷲つかみ(?)して暗闇に消える。

PM10:10 7回目 氷が厚くなってきて魚が取れず、飛び去る。

PM11:10 8回目の飛来 雛2羽。それに親が1羽合計3羽。

PM11:25 更に1羽、雪のかぶった小枝の奥に飛来。計4羽。シマフクロウの家族だ。あと、1羽どこかで見張っている筈。
        これらの光景が10分程続く。僕としては初めてみた光景だった。現在5羽の家族がこの小さな谷の沢に生息している
        そろそろ親鳥は繁殖時期にさしかかる頃だが、1昨年の若鳥、そして昨年の雛2羽の行く末はどうなるのだろうか?
        1昨年の若鳥はヘルパーとして親鳥の子育てを手伝った実績?があるが果たして今年はどうなるのだろうか?
        これらの3羽の今年の夏の将来は鳥類学者もベテランの鳥屋も予想が立てられない。知恵者のシマフクロウは果たし
        てどんな解決策があるのか興味深深たる思いで僕は見守って上げたい。
PM11:40 10回目の飛来
PM11:50 11回目の飛来

AM1:30  12回目の飛来。
        暗い後方の大木の梢を覗き込んだがいつもとまっているシマフクロウが1羽もいない。今夜は既に塒に戻ったのだろう        か?再び小雪が舞ってきた。静寂の世界がそこにあった。