![]() |
多可郡中町に善光寺という臨済宗の無住寺があり、その参道の傍らに一株の大きなイブキの古木があります。 私が善光寺を訪れた時は、参道の手前に杭が打たれ、そこに鉄線が張られていました。私は、無住寺なのでてっきり立入禁止にでもなったのかと勝手に早合点し、来た道を帰りかけていました。 しかし、折角目の前にイブキの巨木があるのに、ここまで来て帰るのも悔やまれたので、帰る道の途中、民家の庭先で農作業をされている方が居られたのでお話しを伺ったところ、私の見た鉄線はイノシシ除けの為の高圧線らしく、集落内にイノシシが入ってこないように夜間だけ電流を流しているのだという事でした。 それを聞いた私は、来た道を再び引き返し善光寺へと戻りました。 恐る恐る鉄線を潜り、善光寺へと歩いてゆくと、木陰に入ると共に、うねったその大きな幹が徐々に見えてきました。 イブキという木は、ヒノキ科ビャクシン属の常緑樹で、花期は4月、イチョウと同じように雄株と雌株が別々という雌雄異株です。 この善光寺のイブキは樹齢約500〜600年と推定される古木で、樹高約17メートル、根廻り約4.6メートル、枝張りは、東へ約5.9メートル、西へ約7.8メートル、南へ約6.5メートル、北へ約6.5メートルという立派なものです。 イブキという木は、現在では園芸品種としてシンパク、カイズカイブキ、ビャクシンなどの多くが知られ、庭や生垣として植えられているのをよく見かけますが、本来、イブキという木は海岸や島などに自生する木で、海岸から40キロあまり離れた内陸部のここに順応し、これまでの巨木になる事はとても珍しい事だそうです。 |
![]() | |
| 2001.07.22 善光寺 |