- 春日神社の欅 -



春日神社と椋の樹

2001.09.23 春日神社

山間の小さな集落、徳島県美馬郡脇町夏子にある春日神社の境内には、かつてそれはそれは立派な欅(ケヤキ)がありました。今となっては樹齢がどれほどだったのかはわかりませんが、古くから春日神社のご神木として人々に親しまれてきました。
私がここを訪れた時、このご神木にまつわるこんな話を聞きました。
以前、木材工芸の業者がこの欅を1500万円で売って欲しいという申し入れがあったそうです。しかし、土地の人たちは古くから村を見守ってきたご神木を売る事など出来ないと、この申し入れを断っていました。
そうやって土地の人たちに大切にされ、数百年にわたりこの土地の人々の暮らしを見守ってきた欅でしたが、長い歳月のうちに少しづつ樹勢も衰えていたのでしょう、ある日、欅は次々と葉を落としていったのです。
それを見て慌てた土地の人たちは、相談の結果、このまま枯れるのを待つぐらいなら以前に申し入れのあった木材工芸の業者に買い取ってもらおうということになりました。
樹勢が衰えていたからでしょうか、それとも足元を見られたのでしょうか、結局ご神木は500万円で買い取られていったそうです。
この時、欅は根元から抜き取られたのでかつての面影は何もありませんが、春日神社の傍では欅と共にこの土地の人々を見守ってきた椋の巨木が今も青々と葉を繁らせ枝を空一杯に伸ばしていました。


所在地:徳島県美馬郡脇町夏子 春日神社