アジア太平洋地域会合のまとめ


※以下の文書は環境パートナーシップの了承を得て転載させていただきました

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■アジア太平洋地域会合のまとめ■
                                                                             
環境パートナーシップオフィス・きはらちあき

1)アジア太平洋地域会合
■日程:11月27日(火)〜29日(木)
■主催:アジア太平洋地域におけるWSSD準備タスクフォース
     アジア開発銀行(ADB)・アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)・国連開発計画(UNDP)・国連環境計画(UNEP)
■参加:アジア各国から政府代表、国連機関、これまでにアジア太平洋地域で行われた関連会議の議長、主要グループ(企業関係者、産業関係者、先住民、地方自治体、自然保護関係者、報道関係者、NGO,青年及び女性)などあわせて約400人程度。
■採択文書について:プラットフォームと呼ばれる採択文書の政府間交渉(いわゆるドラフティング)は、27日の午後4時に始まり、27日は朝の2時まで、28日はまる一日と一晩中やって、29日の朝6時過ぎ?に草案ができた。

<プラットフォームに含まれる内容>
I. アジア太平洋地域でのアジェンダ21の実施に関する評価

II. 持続可能な発展の為の鍵となる課題及び優先事項:
A. 経済社会問題 Economic and Social Issues
1.慢性的・永続的貧困 Chronic and persistent poverty
2.グローバリゼーションの影響 Impact of globalization
3.持続可能なエネルギー開発 Sustainable energy development
4.食糧確保のための持続可能な農業 Sustainable agriculture for food security
5.居住地開発 Human settlements development
6.持続不可能な消費及び生産パターンUnsustainable consumption and production patterns
7.人的開発 Human development
8.自然災害対処 Coping with natural disasters

B. 環境・自然資源 Environmental and natural resources issues
1.土壌と生物多様性 Land and biodiversity
2.海洋と沿岸資源 Oceans and coastal resources
3.淡水資源 Freshwater resources
4.エネルギーと鉱物資源 Energy and mineral resources
5.大気と気候変動 Atmosphere and climate change
6.島嶼地域の脆弱さ Island vulnerability

C. 横断的課題 Cross-cutting issues
1.持続可能な開発の為の政策課題 Policy challenges for sustainable development
2.組織改革と統治 Institutional reform and governance
3.能力開発 Capacity-building
4.情報を伴う意思決定の授権 Enabling informed decision making
5.技術移転 Technology transfer
6.主要グループの参加およびパートナーシップ形成の促進 Promoting participation of and partnership with major groups
7.性の平等と正義の確保 Ensuring gender equality and gender justice

III. フォローアップ:
A. 最終目標と到達目標 Goals and targets
B. アジア太平洋地域のイニシアチブ Asia Pacific initiatives
1.持続可能な開発の為の能力開発 Capacity-building for sustainable development
2.持続可能な開発の為の貧困の低下 poverty reduction for sustainable development
3.よりクリーンな生産と持続可能なエネルギー Cleaner production and sustainable energy
4.土地管理と生物多様性保全 Land management and biodiversity conservation
5.淡水資源の保護及び管理と利用権 Protection and management of and access to freshwater resources
6.島嶼国の海洋、また沿岸・海洋資源と持続可能な開発 Oceans, coastal and marine resources and sustainable development of small
  island States
7.大気と気候変動に関する行動 Actions on Atmosphere and Climate Change

C. 実践のメカニズム Implementation mechanisms
1.国レベル National
2.地域・準地域レベル Regional/sub-regional
3.世界レベル Global
IV. 持続可能な開発への資金提供 Financing sustainable development

V. さいごに
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■ 発表された内容〜議長によるまとめ
・アジェンダ21の実施状況については、幾つかの進展もあるものの、大多数の国では環境の劣化や自然資源の減少が起こっているので、障害となっている原因を排除し、政策や戦略を明確な行動につなげていくことが重要である。
・経済、環境、文化の多様性が、持続可能な発展に対する障害にも違いを生み出している。
・この地域に多く見られる持続不可能な開発がおこる原因は、貧困、グローバリゼーションの悪影響(WTOにおける力の不均衡、多国籍企業への富や過度の権力の集中、持続不可能な消費パターン、各国の実際のニーズに対する国際金融機構の鈍さ、持続不可能な投資など)、多額の債務負荷、一般市民を含むステークホルダー参加の仕組みの欠如などである。
・貧困の緩和には、小企業からの収入の促進、小規模企業のつながりを強めることによる小金融機構の強化、民営セクターの役割の拡大、また民営セクターを効果的に機能させることが出来るようにする為の金融及び資本市場改革の補助などの対策を行う必要がある。
・基礎学力の欠如、健康状態の衰えや病気の流行、大気汚染、気候変動、森や土地の衰え及び砂漠化、生物多様性、水質汚染、エネルギー、海洋管理、淡水、そして自然災害がこの地域の主な優先課題または懸念分野として確認された。
・ステークホルダー、特にNGOや女性が意思決定のプロセスに関与することは、政策の形成及び実施に有益である。
・国家の自治、よき統治、公正な経済成長、政治的安定、民主主義、最低必要なレベルの教育と一般情報公開が持続可能な発展に必要な前提条件であると明確化された。
・アジェンダ21の実施を補助する為にこの地域からのベスト・プラクティス(良き事例)を纏める必要がある。こういった事例はアジェンダ21の実施にあたり、それぞれの国でケーススタディ(事例研究)として扱われることもありうる。
・クリーンで環境に安全な技術、特にクリーンな石炭技術などの転移の補助を、途上国にとって良い条件で行う必要がある。WSSDがリオの精神をもう一度奮い起こし、具体的な行動を推し進めて、世界規模の政策の一致、アジェンダ21を更に実施していく為のイニシアチブ、そして環境に安全な技術の転移を実行することを期待する。
・情報通信技術の利用は、資源の効率的な利用に関する情報の配信や、持続可能な開発の実践事業に一般参加を促すのに役立つと支持された。
・持続可能な開発のイニシアチブをサポートする、先進国と途上国間の世界規模のパートナーシップを今一度活気付ける必要があり、先進国はODAの目標値であるGDPの0.7%という数値に関する約束をなんとしても満たさなくてはならない。

■ 今回の会議に対する意見
言葉遣いをどうするかという話合いに終始し、実際に何かをしようというものではなく、単なるポジションペーパに過ぎなくなっている。各国を連携させるような協定や条約を打ち出す計画も今のところなく、ヨハネスブルグサミットは失敗に終わるのではという懸念もあるが、世界の市民団体のひたむきな参加でなんとか政府もまだ諦めずにすんでいるという現実もある。


2)NGO会議(Asia-Pacific People's Forum on the World Summit on Sustainable Development)
■日程:11月25日(日)、26日(月)
■主催:

・NGO Forum on Cambodia
・The Cultural and Environmental Preservation Association (CEPA)
・Tebtebba Foundation
・Third World Network (TWN)

■目的:
・アジア太平洋地域からの様々な団体・ネットワークの代表を集め、政府・国際機関・参加主体によって実行された持続可能な開発がアジェンダ21と比較しどうなっているのかをそれぞれに評価

・成功例・失敗例の確認、アジェンダ21の実現にあたり困難な事・障害の明確化

・今後10年、グローバリゼーションの中で持続可能な開発の為に優先されるべき事項の提案づくり

・WSSD準備プロセスやその他関係するイベントにおける共通の行動計画まで発展させる

■参加:アジア各国から約100人程度のNGO、その他南アのSangocoやデンマークのNGOもオブザーバとして参加
■内容について:
<会議の構成>
1日目:現状および問題点の確認
ぶっ続けプレゼンテーション(25くらい?)
各国の現状レポート、主体グループレポート、テーマ別レポート
★全体的に、グローバリゼーションに関わる問題が多かった。
2日目:地域会合で使われるプラットフォームとの結び付け及び声明文の作成
アジア太平洋地域行動プラットフォームの分析・批判
→分科会に分かれて細部に渡り意見だし
★ある程度の知識・経験のあるコーディネータが1〜2名必要
<NGO声明文要旨>
・WTOと多国籍企業によって押し付けられるグローバリゼーションが持続可能な開発の最大の障壁
・「自由市場」によって動かされる自由化という名目の、"One size fits all"型の開発を止めるべく、政府はこれ以上の影響範囲・命令権・権力をWTOに与えることに反発すべき
・国連は、多国籍企業を単なるステークホルダーの一つとして扱うのでなく、企業の活動規定をつくるべき
・国際関係の中核に置いて、共通だが分化された責任を各国政府が持つべきであることを政府は再確認すべき

3)これからの動き
PrepCom II(1月28日〜2月8日、ニューヨーク)
地域別評価及びプラットフォームからのインプット
サミット向けドラフトへの案出し
アジェンダ21の27章(主要グループの役割)
マルチ・ステークホルダー参加(2日間)
PrepCom III(3月28日〜4月8日、ニューヨーク)
マルチ・ステークホルダー用の時間は無いものの、オブザーバ・ロビー活動などの参加は可
PrepCom IV(5月27日〜6月7日、ジャカルタ)
サミットに提出されるアジェンダの討議
マルチ・ステークホルダー参加(2日間)
ジャカルタPeople's Forum
PrepCom IVと同時に開催
主催はIndonesia People's Forum
WSSD(9月2日〜9月11日、ヨハネスブルグ)
マルチ・ステークホルダー参加(半日)

<Asia Pacific People's Forum for Johannesburg>
アジア太平洋地域のネットワークを強化、より多くの声を集める
北東アジア(韓国、日本、中国、モンゴル、ロシア)
太平洋(ギニア・オーストラリア・ニュージーランド)
東南アジア(フィリピン、マレーシア、インドネシアなど)
南アジア(インド、スリランカなど)
中央アジア(カザフスタン、etc.)
全体の纏め役は、インドネシアのNGO連合(Indonesia People's Forum)

■このネットワークでやること:
1.アジア太平洋地域NGO間の情報交換の継続
メーリングリスト、ウェブサイト(www.rio10.dk
2. ML上でのディスカッション
テーマごとにMLで対話を図りながら優先事項は何かを考える
3.より多くの主要グループの参加を促す(市民、労働団体等も含む)
セミナー、ワークショップなど行う、国内のネットワーク構築など
(長期的な目標を持つ、サミットは人々を繋げる機会として利用する、国内の優先課題理解)


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