窯風呂@
●「温泉だより」でありながら、最初は温泉ではなく風呂の話です。「窯風呂」については、4回に分けて書きます。風呂の話ですが、温泉につながるようになってます。(20010614記)
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風呂の語義
文書に風呂と風爐との二様の文字が使用されていて、呂と爐は通音略字とさえいわれているようで、『倭訓栞』には「浴室をふろと称すること風爐より出たる語なるべし」とあるように、下で火を焚き、上の釜で湯を沸かす点では同じであるが、思うにフロという語が別に存して、これに風爐との字をあて、さらに略して風呂とも書き、浴に関係する風呂と風爐とは『下学集』にいうように、本来別なものではなかったのではあるまいか。
また、風呂なるものは浴場のように湯を用いるものでなくて蒸すもの、すなわち一種の蒸気浴であったことが確かめられる−−とて、柳田国男氏のいう「フロは多分室(ムロ)と同じ語で、あなぐら又は岩屋のことであったろう」で、もしフロはムロと同意語またはその通音語であるとするならば、竈風呂や石風呂は竈もしくは石穴倉である。ムロそのものにはもとより蒸気浴の意義はないが、八瀬や瀬戸内海の沿岸のある地方においては、土窖もしくは石窟で蒸気浴を行うのであって、竈風呂もしくは石風呂といえば蒸気浴を意味することになったのではあるまいか。−−とあり、厳密な論法で述べている。
(中野栄三「入浴・銭湯の歴史」雄山閣 平成6年 p.29〜30)
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