地球環境警鐘エコツーリズム・ネットワーク(仮称)の創設

 

●環境省が募集していた政策提言に、日本環境学会企画部会として応募したものです。この提言は、ヨハネスブルグ・サミット提言フォーラムの「エコツーリズム」分科会の草津温泉での合宿の中から生まれたもので、このメーリングリストにも参加されております東京経済大学の礒野弥生氏らと一緒に作成したものです。

●ヨハネスブルグ・サミットでは、この提言を基礎にして、日本環境学会とヨハネスブルグ・提言フォーラム等が共同で開催するワークショップで発表できればよいと考えています。また、ヨハネスブルグ・サミットの一つの文書である「約束文書」としても出したいと考えています。約束文書には、「足尾の環境と歴史を考える会」としても出したと考えています。

●なお、ヨハネスブルグ・サミットには、提言フォーラムなどがツアーを組んで参加を計画しております。参加を希望をされる方がおりましたら、ご連絡いただければと思います。

(20020627記)

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団体・企業名:日本環境学会 企画部会
代 表 者:利根川 治夫
担当者名:利根川 治夫

〔政策提言の内容〕
*政策分野・手段の番号は参考資料をもとにお書きください。
 政策のテーマ:地球環境問題警鐘エコツーリズム・ネットワークの創設
 政策の分野:持続可能な開発、自然環境の保全、エコビジネス
 政策の手段:制度整備、環境教育、組織、地域活性化、国際環境協力

@ 政策の目的
エコツーリズムは、参加者にとっては地球環境問題を理解する環境教育の有効な手段であるとともに、それを実施する地域の自然環境と付近住民の生活を維持しつつ経済的に自立させるという、地域の持続可能な発展に有効な手法である。地球環境問題を警鐘するエコツーリズム理論とエコツアーを開発するとともに、情報交換、参加促進などに関するネットワークを整備するもの。
A 提言を行うこととなった背景および現状の問題点
地球環境問題は、21世紀になって益々規模が拡大し深刻化してきている。既に大洋州では海面上昇による被害が現実に生じて他国への移住が計画され、山岳地や極地周辺では氷河の後退が目に見えて著しくなってきている。また開発途上国の熱帯林や湿地の破壊、乾燥地の砂漠化も規模が拡大し、地球規模での環境破壊は進行こそすれ後退はしていない。
さらに、WTOが観光倫理を定めてはいるが、現在の観光は観光対象地域の環境を著しく破壊し続けている。とりわけ、発展途上国では観光が残された自然や人々の生活が破壊している。自然を見るツアーという名での環境破壊も世界各地で生じている。
このような地球規模の環境問題の原因は開発途上国では貧困が、また先進国では資源浪費型の非循環型経済社会に起因していることから、地球環境の悪化を物語っている現実の変化を直接観察することによって環境学習を推進することが極めて重要である。こうした視点にたって、地球環境問題を警鐘し、地域住民の主体的参加による地域環境と文化を保全するエコツーリズム理論とエコツアーを国民・住民レベルで開発し、先進国及び開発途上国の協力関係を強化する必要がある。

B政策の概要
地球環境問題は開発途上国、先進国を問わず顕在化し具体的な現象が生じ始めている。この問題の解決に当たっては、各国政府、国連機関等の役割りが大きいが、個人のレベルにおいても積極的な参加が不可欠である。しかし人間は五感で体験しなければ具体的な行動を起こしにくいことから、エコツアーに参加することにより現状を実感・理解し個人及びNGOのレベルでも活動を行うことが必要である。
一方、従来の観光ツアーやエコツアーは必ずしも地球環境問題に対しての理解を深めるためのものが多くなかったことから、例えば
@ 後退した氷河・永久凍土、A海面上昇により浸水した大洋州の集落、Bかつて耕地であった砂漠地、C大洪水跡地、D荒廃地となった熱帯林や湿地跡地、E産業活動によって破壊・消滅された自然や都市跡地、F深刻な公害や廃棄物問題を抱える途上国大都市、G絶滅のおそれのある野生生物など典型的な地球環境問題の現象が観察できる場所(悪例)と、豊かまたは美しい自然や資源循環型の伝統的生活、環境問題解決の好事例(良例)とを組み合わせて訪れるという、環境教育効果の高い優れたエコツアーを開発して普及するとともに、エコツアー受け入れ地域の実態を調査することにより、持続的可能なエコツーリズムが実施されているかを検証し、エコツーリズム理論とエコツアーをより高次の実践的理論へと高めていくための組織とそのための仕組みを創設する。
 
C 政策の実施方法と全体の仕組み
1.「地球環境警鐘エコツーリズム・ネットワーク(仮称。以下「ETNET」という)」という世界組織を設立し、日本に事務局を設置する。
2.各国に所在するエコツーリズム組織をネットワーク化して、「ETNET」が情報収集・提供等を行う。
3.国連機関、国際開発銀行、各国政府、民間企業等からの支援を得て、開発途上国などにおいて地球環境問題を警鐘する新エコツアーを「ETNET」と現地機関とが共同で開発する。この場合、開発するエコツアーについて、地域住民の参加を得ることが必要である。
4.「ETNET」は、新エコツアーをホームページ等により全世界に普及し、主に先進国からの参加を促進する。
5.「ETNET」は、実施されたエコツアーを検証し、モデル的なエコツアーの実施方法などの技術支援を行うとともに、国際会議などにより持続可能な望ましいエコツーリズム理論とエコツアーの構築を促進・普及する。
6.なお、事務局運営費は企業等からの寄付などを充てる。

D 政策の実施主体
 日本環境学会が発起団体となり、日本政府(環境省、国土交通省、外務省(JICA))、国連機関、国際開発銀行、国際機関、企業等の支援を受けてETNETを設立し、NGO等と協力して事務局を運営する。

E政策の実施により期待される効果
 地球環境問題への警鐘とその理解の促進

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