一学生のヨハネスブルグ・サミット展を見ての感想

●利根川です。ヨハネスブルグ・サミット展を企画・実施し、かなりの人が見学されたようです。展示会場内では何度かヒアリングを受けましたが、文書での感想は聞いていません。それで、一人の大学生の感想を紹介させていただきたいと思います。

●頼まれて非常勤講師をしている日本工業大学の学生の感想文です。テストの代わりに、何度かレポートを書いてもらい、それを採点することにしたのですが、レポート出題日に欠席した人には、特別にヨハネスブルグ・サミット展を見学して感想を書くか、経済学に関する本を一冊読んで感想を書いたら採点するとしたところ、何人かが展示を見て感想を書きました。そのうちの一人の感想を、本人の了承を得て紹介します。

●貧民街と白人の住宅街との写真を並べて掲示した写真を見て、貧困の問題を考えるきっかけになったようで、パネルの展示を行ったものとしては、それなりの効果があったものと思います。写真は、日本国際ボランティアセンター(JVC)提供のものです。丹君の文章を読んで、映像の力を再認識しました。

●ところで、昨日、NHK総合テレビでは、「アフリカ 21世紀 第3回 隔離された人々 引きさかれた大地〜南ア・ジンバブエ〜」を再放映していました。アパルトヘイトという世界史上まれに見る白人による黒人の支配・収奪・人権抑圧の歴史、そしてアパルトヘイト中止後も続く貧困、ジンバブエからの不法入国者を強制退去させ続けている南アフリカ共和国、白人から土地を奪い返す黒人など、見応えのある映像です。そして、是非多くの人に見て貰いたい映像だと思いました。たまたま展示を見たということを契機にして、より深くこうした問題に関心を持っていく人が一人でも増えたということに対して、忙しいなかで展示作業を行った人間として、やってよかったと思いました。

●ヨハネスブルグ・サミット展開催中に行った南アフリカ共和国大使館の参事官の講演終了後出された質問の一つは、ヨハネスブルグの治安の問題でした。参事官は、会期中は最大限の治安対策するから、会場周辺や宿泊地周辺は大丈夫だと答えていました。私は、黒人の貧民街で活動しているNGOの方々との交流や貧民街を訪ねることができるかと質問しました。NGOとの交流は、そのような場を設けるので可能であろうと答え、貧民街へ案内することは可能であると答えられたと思います(「思います」と書いたのは、微妙な言い方をされていたように記憶しているからです、ちなみに、参事官は、黒人でした)。直接体験することなく評論する学者・研究者・評論家がたくさんいると思いますが、実際の貧困を実際に体験しないで(それがたとえほんの少しであっても)、貧困根絶について何か物を言うことには、私自身は強い抵抗を覚えます。今叫ばれている貧困根絶政策のそのほとんどが、結局のところ富める者から貧しい者への施しの政策であるように思えて仕方ないからでもあります。

(20020226記)

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ヨハネスブルグ・サミット展を見に行っての感想

建築科 2年
名前:丹良平

 今日(2月2日土曜日)渋谷の少し先にある国連大学(正式には国際連合大学)に「ヨハネスブルグ・サミット展」を見に行きました。

 ヨハネスブルグとは「南アフリカ共和国の産業・経済・文化面での中心都市で、南アフリカのGDPのうち16%を生み出し国内労働力の12%を雇用していて、人口は約4000万人。アフリカ系が76.3%ヨーロッパ系が12.7%、カラード(混血)が8.5%インド・アジア系が2.5%で構成されている国でその人口の80%がキリスト教徒である」ということを展示パネルを見て初めて知りました。恥ずかしながらヨハネスブルグすら知らず、聞いたことがある程度で、ましてや都市名だとは思いもよりませんでした。

 そんな僕がまず最初に見て思った正直な感想は「何て、自分たちは生活に不自由せずに暮らしているんだろう」と思いました。だって、お腹がすいたり喉が乾いたりしたってすぐに今は゛自動販売機"や゛コンビニ(コンビニエンスストアー)"で「24時間」いつでもどこでも購入して食べたり飲んだりと空腹を満たすことができます。しかしこの「南アフリカ共和国」という国は僕たちの住む日本と違って、「貧困」という今の時代に生まれた僕たち「日本人」にはとても考えられない状況にあるのです。そしてもう1つは「貧富の差」が激しいということです。いくつかある展示パネルのうちの、居住区の写真が載っているものを見て思いました。写真は比べやすいように2枚が並んでいて、1枚はコンクリートでできた庭付きプール付きの白い家々が建ち並ぶ住宅地の写真で、もう1枚は道(地面)がデコボコしていて(=きちんと整地されていない)見た目からして簡単な作りの木とトタンでできたような家と、そのまわりで遊ぶ(!?)子供(黒人)が写った写真の2枚で、これは同じ地区に住む゛白人"と゛黒人"の住む環境があまりにも違うことを示したものということでした。

 この「ものが溢れる」と言われる今の日本で生活していて、上に書いたような「貧困」や「貧富の差」というのはよっぽどのことがない限りとてもあり得ることではないと思いました。だってどんなに「貧しい」人でも自分の住む家があり、中学生までは皆最低でも勉強ができる環境にあり、そればかりか今は大学に行くのは゛当たり前"みたいになっている今日の暮らし。そのなかで20年間育ってきた僕たちから見た南アフリカを含む゛開発途上国"の人達は「大変だなぁ」「かわいそう」と思うだけで実際の苦労ははっきりとは、わからないと思います。しかし、そういった人達も今の僕たちのように暮らすことができるようにと「同じ地球に住むもの同士」が助け合ってみんながいっしょに楽しく安心して暮らしていける世界にしていこうと話し合うのが地球サミットであり、今回の「ヨハネスブルグ・サミット」があるわけだから、この「話し合い」を意味のある話し合いにするために「自分はどうしたら良いのか?」又、「とくに代表でも何でもない僕、個人には何ができるのか?」と考えるのも大事なことだけれども、その前にこういうこと(上に書いたこと 「貧困」「生活水準の違い」「南アフリカのことや開発途上国について」「ヨハネスブルグ・サミットを含む世界規模での話し合い」など)が今の世の中で起こっているということを「知る」だけでも全然違うと思います。その意味でもこのヨハネスブルグ・サミット展を見学したということは大きな一歩だと思います。(いくら課題提出のために行ったとしても) 「今回開かれるサミットでは「接続可能な開発」を目標に貧困問題や水質源の管理、グローバリゼーション、消費パターンなどが討議される予定で日本からも政府のみならず地方自治体、企業そして多くのNGOが参加する事だろうと思います。」「…ヨハネスブルグ・サミットは、新しい世紀に向けて世界の環境、経済・政治とくらし・文化をもう1度見つめ直し、人々の「人間の幸せ」や「豊かさ」を考える最良の機会です。」と展示パネルの「はじめに」で“元”環境大臣の川口順子さんは言っていました。実際、きれいごとや成績に関わるからといって言う訳ではなく僕も一個人いや、一地球人として同じに思います。自分たちの住む所だけではなく、その他の地域も地球単位で人間にとって動物にとって「みんな」にとっての地球を豊かなものにするためにどうしたらよいのかを少し考えさせられました。

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