WSSDアジア太平洋地域ラウンドテーブル及びWSSDアジア太平洋地域ハイレベル準備会合の結果について
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■WSSDアジア太平洋地域ラウンドテーブル及びWSSDアジア太平洋地域ハイレベル準備会合の結果について■
平成13年12月5日(水)
地球環境局総務課
課 長:寺田 達志(6710)
調査官:星野 一昭(6720)
補 佐:島田 幸司(6721)
担 当:重 浩一郎(6726)
11月27日(火)から29日(木)まで、カンボジア・プノンペンにおいて、WSSD アジア太平洋地域ラウンドテーブル及びWSSDアジア太平洋地域ハイレベル準備会合が開催された。
本会合の成果として、アジア太平洋地域の重点事項と取組方針を取りまとめた文書(地域綱領)を取りまとめた。
我が国からは浜中環境省地球環境審議官、赤阪在サンパウロ総領事他が出席し、地域綱領には、我が国が積極的に推進している省エネ・循環型社会の実現、衛星モニタリング等の科学的基盤整備、持続可能な農業、持続可能な森林経営(違法伐採対策を含む)への取組等の重要性が盛り込まれた。
本会合の成果は来年1月から開始される世界規模の準備会合に、アジア太平洋地域からのインプットとして提出される予定。
T.アジア太平洋地域ラウンドテーブル
1.日時:平成13年11月27日(火)
2.場所:プノンペン(カンボジア)
3.主催:ADB、ESCAP、UNDP、UNEP
4.出席者:アジア太平洋の国・国際機関(約50カ国、機関)およびNGO
(約150団体)から約400名
※日本からの参加者は政府代表団(浜中地球環境審議官、赤阪在サンパウロ総領事他)及びNGO(GEA、ICLEI、IGES等)
5.会議結果概要:
(1)本会議は各国政府代表、国際機関やNGOの代表等が一同に介して開催された。キム・ハクスESCAP事務局長、モク・マレ、カンボジア環境大臣の挨拶があり、その後に議長選出を行いシエリト・ハビト氏(マニラ大学教授)がラウンドテーブルの議長に選出された(議長予定者のエミル・サリム氏欠席のため)。
(2)会議は国際機関からのステートメント及び5つの準地域準備会合の結果報告に続いて、WSSDに向けたNGOからの活動報告が行われた。日本からは次の発表が行われた。
@)地球環境行動会議(GEA):自見庄三郎衆議院議員
本年10月にUNDESAと共催したGEA地球環境警鐘会議の結果報告
途上国の環境NGO支援を目的としたインターネットフォーラムである「バーチャルグローブ」の準備状況報告
A)国際環境自治体協議会(ICLEI)日本事務所及び仙台市環境部長
・11月に仙台市で開催した環境国際会議の結果報告
B)ヨハネスブルグ・サミット提言フォーラム
WSSDに向けて設立された同フォーラムの活動報告
(持続可能な開発のための日本評議会(JCSD)のジャパン・レポートについては、会場配布)
(3)本地域のプライオリティとして、各国NGO等から
@)貧困、グローバリゼーション、対処能力、資金、技術移転、ガバナンス、自然資源、エネルギー、淡水、海洋、砂漠化・土地劣化、生物多様性の重要性が指摘されたほか、
A)ジェンダー、少数民族、対外債務、災害、ミリタリズムについても問題提起された。
(4)学識経験者を交えた資金問題に関するパネルディスカッションでは、以下の事項の重要性が指摘された。
@)先進国による資金援助に対するコミットメントの達成
A)途上国側で資金援助を適切に活用する対処能力や体制の向上
B)民間部門の役割
C)持続可能な開発のために真に必要な所に適切に資金が調達される仕組み
D)上記を実現するための強力な政治的意志
U.WSSDアジア太平洋地域ハイレベル準備会合
1.日時:平成13年11月28日(水)、29日(木)
2.場所:プノンペン(カンボジア)
3.主催:ADB、ESCAP、UNDP、UNEP
4.出席者:アジア太平洋の国・国際機関(約50カ国、機関)より約200名
日本からの参加者は浜中地球環境審議官、赤阪在サンパウロ総領事他。
5.会議結果概要:
(1)28日午後、本会議が開会され、キム・ハクスESCAP事務局長等による主催者挨拶、フン・セン、カンボジア首相による開会挨拶が行われた。議長にはモク・マレ、カンボジア環境大臣が選出され、各国代表が演説を行った。
(2)29日午前、前日に引き続き各国代表演説が行われ、我が国を代表して浜中地球環境審議官がWSSDに向けた我が国の取組についてステートメントを行った。
(3)来年の準備会合に提出される文書(リージョナル・プラットフォーム(地域綱領))については、27日午後より、赤阪在サンパウロ総領事(WSSD準備委員会副議長)が議長に選出され、29日朝までの非公式協議の結果合意に至り、29日午後本会合において同案が採択された(概要別紙)。
(4)採択されたプラットフォームの論点
ア.持続可能な開発達成のための重点・優先事項であるとして我が国が主張し、盛り込まれた主な事項
@)市場メカニズムの活用や環境産業の育成などを通じた省エネ・循環型社会形成
A)衛星モニタリングネットワークや評価モデルを含む科学的基盤の整備(政策決定に果たす重要性の観点)
B)違法伐採対策を含む持続可能な森林経営
C)環境教育
D)食糧安全保障のための持続可能な農業
E)大都市問題への取組み(都市環境改善のための自治体間の連携(第4回ESCAP環境開発大臣会議で採択された「クリーンな環境のための北九州イニシアチブ」の実施促進を含む))
F)京都議定書の時宜を得た発効に際しての各国の可能な限り広範な参加
G)感染症対策
イ.上記ア.の他、アジア太平洋地域綱領に盛り込まれた事項
@)自然災害や気候変動の影響などに対する島嶼国のぜい弱性の問題に取組むためのイニシアチブ
A)島嶼国の気候変動への適応対策強化のためのイニシアチブ
B)持続可能な開発にあたっての男女平等の確保
ウ.資金及び技術移転について、先進国(日本、豪州、NZ)と途上国(中国、インド等)の対立がみられたが、過去に合意された表現(GNPの0.7%をODAとするとの先進国の約束の実現に努力するなど)を用いることで合意が見られた。
(5)その他
議場内での資料配付を通じて、我が国の諸取組を紹介した。環境省からは下記イニシアチブの成果を紹介した。
@)エコアジア2001(本年10月開催、アジア太平洋地域の非公式環境大臣会合)
A)長期展望プロジェクト(エコアジア2001で最終報告書を承認)
B)アジア太平洋環境開発フォーラム(エコアジア2001で発足)
C)アジア太平洋環境イノベーション戦略(エコアジア2001で実施を承認)
別紙
アジア太平洋地域綱領(プラットフォーム)の概要
性格
ヨハネスブルグ・サミットの世界レベルでの準備プロセス(1月〜)にアジア太平洋地域からインプットするための文書。
構成
T.アジェンダ21の実施状況の評価
U.重要事項・優先的取組事項
A.社会・経済的事項
B.環境・天然資源
C.横断的事項
V.今後の行動
A.目標
B.アジア太平洋イニシアチブ
C.実施のメカニズム
W.資金
内容
T.実施状況:
環境政策、組織、法制度などの面で多くの進展があったものの、環境は劣化し、貧困層も増加の一途
U.重要事項、優先的取組事項:
(1)社会・経済的事項
@貧困問題、Aグローバリゼーション、B持続可能なエネルギー開発、C食糧安全保障のための持続可能な農業、D人間居住開発、E消費・生産パターン、F人材開発、G自然災害対策
(2)環境・天然資源
@土地・生物多様性、A海洋、B淡水、Cエネルギー・鉱物資源、D大気・気候変動、E島嶼国のぜい弱性
(3)横断的事項
@政策チャレンジ、A制度改革、ガバナンス、B人材育成、C十分な情報に基づいた意思決定、D技術移転、E多様な主体の参加、Fジェンダー問題
V.今後の行動
7つのイニシアチブを提唱
@人材育成、A貧困削減、Bクリーナープロダクションと持続可能なエネルギー、C土地管理と生物多様性保全、D淡水資源の保全・管理・アクセス、E海洋、F大気・気候変動
W.資金調達
ODAをGNPの0.7%とする国連目標の早期達成に向け努力することを先進国に要請
地球環境ファシリティーの強化
市民社会と産業界の参加促進による追加的資金の獲得についての認識
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