岩手の地形と地質

1 地形

 本県の西方を南北に走る奥羽山脈は秋田県との県境・分水嶺となり、これと並行して東部に北上山地、盆地があり、この二つの山脈の間を奥羽山脈と北上山地が接する県北部の奥中山峠を分水界として、北に馬淵川が青森県に、南は北上川が宮城県に流れ、北上山地東方の川は東流して太平洋に注いでいる。

 また奥羽山脈から東流する川も、北上山地から西流する川も北上川に注ぎ、北上川は延長244km(岩手県分184km)の大河となり、岩手の母なる川と呼ばれている。川の両側は川岸段丘や扇状地が発達、奥羽山脈の断層崖に続いている。北上平野と称される地域はこれら大小の扇状地と北上川沿いの沖積層から成り、北部の馬淵川の段丘や沖積層と共に本県の耕地の大半を形成しているが田畑併せても11.7%、広大な面積の割合には山林原野が63%を占めている。

 北上山地の東部は太平洋に臨み、宮古以南では最大10kmに及ぶ奥深い湾と、岬が入り組んでリアス式海岸となり、宮古以北では高い海岸段丘が発達し雄大な景観を展開している。

2 地質

 大きく分けて奥羽山脈と北上山地に大別してみると、奥羽山脈は第3紀の砂岩、凝灰岩などの上を那須火山脈の噴火による火山岩層が多い、山麓には扇状地が発達している。

 北上山地は古生層の砂岩・粘板岩、石灰岩と花崗岩などからなっており、山骨が硬く風食で準平原化している。

 更に北上山地では南部型と北部型の古生層に大別される。

 南部型にはチャート(角岩)はまれで、化石はシルル紀から二畳紀までの各地質時代のものを多く産する。しかし北部型には化石が全般的に乏しく、チャートが多く夾在する。

 白亜系は北上山地の太平洋岸に好露出があり、中でも下部白亜の宮古層群は日本でも有名である。

 第3系は、一部が古第3系として北上山地に見られるが、大半を占める新第3系は奥羽山系から県北一帯に広く分布し、中新統が多く、有孔虫、軟体動物や植物化石を所により産する。

 第4紀になると隆起、沈降で太平洋岸沿いに海岸段丘やリアス式沈降海岸を生じた。川岸段丘も北上川流域その他に多く、段丘礫層や火山灰層、溶結凝灰岩質とも関連し、数段の段丘地形が認められている。洪積世末期には火山も噴火し、火山噴火出物が広く堆積した。この頃に属する先土器時代の遺跡は県内各地で見出される。