ケナフの性質

製紙材料として近年富に注目されているケナフの性質を調べています。

  「ケナフとは何か?」

ケナフ kenaf:アオイ科

茎は丸く直立し、太さ2〜5cm。

高さは3〜4m赤色を帯びている事がある。

葉は先のとがった卵形、掌状3〜5裂することが多い。

花はアオイに似た5弁花、直径10cmほどにもなり、白黄色中央に暗赤色のまだら模様がある。

果実はとげがあり、内部は5室に分かれ各室に種子が3〜5個。

一年草の植物。

原産はアフリカまたはインドとされ、繊維作物として中国や東南アジアなど熱帯から温帯にかけて世界各地で栽培されている。

歴史的には古代エジプトのミイラを包んでいた布にもケナフが使われていたことがわかっているくらい大変古くからあった植物。

育成時に光合成能力に優れ、多量の二酸化炭素(CO2)を吸収して固定化するため地球温暖化防止に役立ち、また水中の窒素(N)とリン(P)の吸収効果も大きく、水質の浄化の点でも注目されており、地球環境にも役立つ植物資源です。

また、木材に代替しうる非木材紙の原料としても現在注目されています。

 

ケナフの蒸散作用(その1)

実験者:2年6組 井上・奥村・須藤・牧志・槙野・淀谷、指導教師 十塚正治

実験日:西暦2000年8月下旬

照度1650lux、34℃、湿度28%

ケナフの光合成能力、成長の速さの指標として蒸散能力に注目し実験した。

実験方法

5月29日発芽後、約3ケ月後に160pに成長した株で実験した。

環境庁が『樹木の大気浄化能力調査』として採用している蒸散能力測定に準じて実験した。ただ環境庁のマニュアルでは気密容器中での体積減少量を測定しているが、気密性を維持するのが一般的に困難で、特に細い草本では不可能に近い。

本実験では250mlのポリビンに100mlの水を入れ、水切り後の葉のついた茎をさし、アルミホイルで口を密封して、質量の減少を測定した。

空実験として、茎の代わりにガラス棒で同様にセットして実験したが、1時間程度では10rの減少もなく、物理的蒸発は無視できる事は確認した。

全葉の面積は同面積のコピー用上質紙の重さで換算した。

結果

植物名 全装置の始めの質量(g) 全装置の30分後の質量(g) 蒸散量

(ml)

全葉の面積(cu) 蒸散速度

(μl/h・cu)

ケナフ

側葉5枚

139.82 138.60 1.22 458.56 5.32
ケナフ

側葉7枚

141.60 139.91 1.69 626.89 5.39
ケナフ

茎頂葉

174.13 168.61 5.52 707.59 15.60
セイタカアワダチソウ 151.08 150.56 0.52 232.03 4.48
エノコログサ 144.62 143.15 1.47 447.03 6.57
メヒシバ 140.42 139.47 0.95 168.32 11.30
クスノキ 134.54 134.33 0.21 473.12 0.88
カエデ 125.64 125.21 0.43 342.12 2.51

結論

セイタカアワダチソウ、エノコログサ、メヒシバは茎頂の葉で実験しているので、ケナフの茎頂の葉と比較すると、代表的所謂、雑草とくらべて、ケナフは格段に蒸散力が大きく、即ち光合成等の代謝が盛んなことが実証された。

ケナフの蒸散作用(その2)

ケナフの光合成能力、成長の速さの指標として蒸散能力を測定する。

来年度の本校受験希望者に対する体験学習として実施した。

実験者:    班、氏名(           )

実験日:西暦2000年9月30日

照度 500lux、 25℃、湿度 68%

実験方法

5月29日発芽後、約4ケ月後に 150pに成長した株で実験する。

250mlのポリビンに100mlの水を入れ、水切り後の葉のついた茎をさし、アルミホイルで口を密封して、質量の減少を測定する。

5分間ごと45分間測定する。

空実験として、茎の代わりにガラス棒で同様にセットして実験したが、1時間程度では10rの減少もなく、物理的蒸発は無視できる事は確認した。

すべての葉を1枚ずつ紙の上で型をとる。紙を葉の形に切り、すべての紙の重さを測定する。

紙は10cu 0.697gなので紙の重さから葉の面積を換算する。

結果

ケナフの実験での一例

質量の変化

全装置の始めの質量 109.18g
5分後 108.69
10分後 108.09
15分後 107.73
20分後 107.30
25分後 106.83
30分後 106.39
35分後 105.96
40分後 105.54
45分後 105.14

質量の変化をグラフに書いてみよう。

グラフから分かるように直線的に蒸散しているのが分かる。

45分間の蒸散量(      4.04  )ml、(注)水は1g=1mlである。
全葉の面積(   745.6   )cu
蒸散速度(   7.22  )μl/h・cu、 (注)1ml=1000μlである。

植物の代わりにガラス棒をセットし実験した空実験結果は次のとうりである。

全装置の始めの質量 167.50g
3分後 167.50
6分後 167.51
9分後 167.50
12分後 167.50
15分後 167.50
18分後 167.50
21分後 167.50
24分後 167.50
27分後 167.50
30分後 167.50


この空実験から物理的蒸発減少量は10mgのレベルでは全く無視できることが分かる。

次に実験した全ての植物についての結果を記す。

植物名 全装置の始めの質量(g) 全装置の45分後の質量(g)

蒸散量(ml)

葉の面積(cu)

 蒸散速度(μl/h・cu)

 

ケナフ(茎頂葉) 119.47 115.75 3.72 494.2 10.0
ケナフ(茎頂葉) 105.05 101.42 3.63 598.1 8.09
ケナフ(茎頂葉) 113.46 110.64 2.82 508.3 7.40
ケナフ(茎頂葉) 109.18 105.14 4.04 745.6 7.22
オヒシバ 114.39 113.70 0.69 350.1 2.63
エノコログサ 176.17 175.09 1.08 511.9 2.81
セイタカアワダチソウ 97.63 96.44 1.19 517.2 3.07
セイタカアワタ゜チソウ 108.58 106.94 1.64 590.67 3.70

まとめ

この実験でもケナフは他の草本に比べて格段の蒸散能力があることがわかった。その1の実験比べて蒸散速度が小さいのは照度、湿度の差とおもわれる。

光合成の代謝経路の違いからC3植物とC4植物に分類されるが、一般にC4の方が光合成能力が大であることが知られている。

C3:ケナフ、クスノキ、カエデ、イネなど多数

C4:エノコログサ、メヒシバ、セイタカアワダチソウ、トウモロコシ

となっており、ケナフはC3でありながら、C4のものよりも強い光合成能力をもっている非常に特徴的な植物であることがわかった。