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<はじめに> アルテミアは、節足動物門 甲殻綱 鰓脚亜綱 無甲目 ホウネンエビモドキ科 アルテミア属の生物です。節足動物門 甲殻綱 無甲目 アルテミア科 と表記される場合もあるのですが、まだどちらが一般的なのか調べていません(^^;;; とにかく、学名で Artemia salina とか Artemia franciscana とかいうのがそれです。英名はbrine shrinp。俗にシーモンキーとも呼ばれます。一昔前に子供向け通信教育の教材として流行ったので育てた事がある人もあるかと思います・・・つか、俺達も飼ってました・笑 このプランクトンが書物に登場するようになったのは18世紀の中頃です。具体的には1755年頃の記述の中に世界中の厳しい環境にある塩水の中にいるとあります。これに付いては後述の<生態>の項を参照して下さい。 現在では種苗生産で稚魚の餌にする動物プランクトンとして知られており、プランクトンの中では手に入れやすく飼育もしやすいプランクトンであると言えます。 寿命は半年くらい。飼育には東○ハンズやファミレスで飼育キットを販売している他、 ノープリウス幼生をクラゲや熱帯魚の稚魚に生餌として与える為、熱帯魚店で卵を販売しています。 こうして販売されているのは耐久卵という乾燥した卵です。耐久卵は茶色い小さな粒で、生まれてくる幼生は白いため、孵化途中の段階では白と茶色のだるまみたいに見えます。某嬢がこれを見て「ブドウ球菌」だとか「胞子」だとか表現していました・笑 <生態> アルテミアは海水の何倍もの塩分濃度で棲息しています。そして、チベットの山中の塩湖や、イラクのような砂漠地帯の水たまりなど厳しい環境でも生育することが知られていますが、実は飼育する上ではかなりいい加減な塩分濃度でも育ちます・笑 孵化直後のノープリウス幼生は体調0.4ミリほどで、成体は約1センチ。体は細長く、11胸節・9腹節からなり背甲をもちません。胸部には遊泳肢があり、順次動かしてあおむけになって泳ぎます。 また、アルテミアは走光性を持ちます。走光性というのは光のある方に集まってくるという習性で、身近なものでは夜に街灯に集まる蛾などが持つ習性です。 そこで! 小さい頃にこれをやって遊んだという人は俺達以外にも結構いると思います。いや、いなきゃおかしい! いてくれ!!・笑 まず、薄暗い場所にアルテミアを置き、一方から光を当てます。 するとその光に向かってアルテミア達がわさわさと集まって来ます。 ほら、面白い!・・・面白く無いっすか・・・? やっぱ俺達って少数派?・涙 ちなみに、光の多い条件で孵化させると走光性が弱まるという研究もあります。 気を取り直して生態の話の続きです。 メスは、毎日約20匹の幼虫を生むか、同数程度の卵を産みますが、生殖の方法は様々です。 まずは、直接生殖孔からノープリウス幼生を生む胎卵生と、耐久卵を生む卵生の2種類があります。そして有性生殖をするものと単為生殖をするものとがあります。この卵胎生・卵生の違いと、生殖方法による違いとはまったく関係がありません。 ・両性生殖と単為生殖 アメリカ産のものはオスとメスが常に存在し、 遼東半島産・セッテ産等は、普段はメスだけです。 その為、アメリカ産のものは両性生殖を行い、 遼東半島産・セッテ産は普段は単為生殖を、 オスがいる時には両性生殖をするという事になります。 普段はメスだけのタイプにおいて、オスが生じるという事には 意味があるのですが、 それに関しては複雑な話になりますので、また別の機会に。 ・卵胎生と胎生 アルテミアは棲息環境が良ければノープリウス幼生を 生みますが、環境が悪い時、メスのアルテミアは 外郭線を刺激して、成長しようとする胚を、 芽といわれる爪のようなもので包み込み、 成長するのによりよい環境になるまで成長を止めます。 こうして成長を止められた状態で生まれた卵を耐久卵と呼びます。 そんな訳で耐久卵は「卵」と言っても、 原腸胚で成長が止まってる胚です。 直径は直径約 0.20 - 0.23mm 位。 耐久卵は一度乾燥しないと孵化しませんが、 乾燥した条件下では数年間生き続け、 成長に適した環境になると孵化し、通常の幼生と 同じように成長します。 孵化したノープリウス幼生は微小な藻類や原生動物を食べて12回の脱皮を経て成体になります。幼生と成体は大きさだけでは無く形態も大きく変わります。 特に、目は特徴的で、幼生の時は赤い目が1つだけなのですが、成体は2つの黒い目を持ちます。 <飼育方法> 飼育する時には耐久卵(乾燥卵として売られているもの)を水で戻して孵化させます。 そのため、アルテミアの飼育は水を用意する所から始まります。アルテミアは塩水の中に生息する生物ですので、水と言っても塩水が必要です。食塩を溶かした水でも孵化するとどこかで読んだのですが、食塩には含まれない微量元素が含まれている人工海水のが良いかと思われます。 水の用意の仕方は人工海水を用意する時とほぼ同じです。まずは水道水を丸1日以上日光に当ててカルキ抜きをしておきます。 水温27℃、140PPTの塩水が最も飼育に適しています。理想を言うなら孵化させる時には28℃前後が最も良いと言われています・・・が、一般家庭でそれはちょっと難しいと思われます(^^;;; 家庭ではきちんとカルキを抜いた水1Lあたり20g程度の塩分を溶かした水を入れた水槽を室内の温かい所(室温20〜30℃程度の場所)に置いておけば育ちます。ただ、水温が32℃を超えると棲息環境との違いから休眠状態を続け、ふ化率が著しく低下しますのでご注意下さい。 水が用意できたら乾燥した卵を海水中に入れ、かき混ぜます。密度が高すぎると上手く育たないのでご注意下さい。その後は水温にもよりますが、10〜20時間でノープリウス幼生が孵化し、充分な餌さえあれば、約2週間で成体になります。 アルテミアはこの海水濃度でも棲息できるバクテリア又は藻類を食べて育ちます。家庭飼育する場合は市販されている餌を使用する事をお勧めします。また、餌に酵母を混ぜて与えると大きく育つと言う話があります。 家庭で飼っている場合、時間が経つと水が蒸発して少なくなります。そんな時には汲み置きして置いた水を上から足せば大丈夫です。 <餌としてのアルテミア> <飼育>の項で述べた通り、アルテミアの耐久卵は海水に浸しておくと1〜2日でふ化してノープリウス幼生になります。これは魚や甲殻類などの稚仔や小型個体の生物餌料、あるいは放射線、毒物などの生物検定の材料として用いられているものです。特に種苗生産における稚仔魚の餌として、とても大きな役割を果たしています。 しかし、国内での生産はなく、全てを輸入に頼っています。生産地としてはアメリカのサンフランシスコ、グレートソルトレイク、中国の遼東半島、フランスのセッテなどがあげられます。産地別の詳しい事は<地方品種>の項をご覧下さい。 上によく餌に使われると書きました。確かにアルテミアは広く稚仔魚の育成に使われ、魚類の成長に適した生餌ではありますが、実はアルテミアは魚類の成長に欠くことのできない高度不飽和脂肪酸をほとんど含有していません。 ですので、餌として使う場合には栄養強化剤を海水に混ぜた中にアルテミアを一晩置いて取り込ませることが必要となります。そして、与える対象である魚が淡水魚であるなら、必ず塩抜きをしてから与えます。また、観賞魚の餌としてアルテミアを与える場合、孵化後24時間を経過すると栄養組成が変わってしまうので孵化直後の物を与えます。必要量以上にアルテミアが孵ってしまった場合は、冷凍もしくは冷蔵が有効です。 <地方品種> アルテミアは両極地を除く全世界の塩分濃度の高い陸水中に分布しています。海水中では食害に合うため生息していません。日本でもかつては宮城県や瀬戸内海沿岸の塩田で生息していました。現在、世界で300ヶ所以上の棲息地が確認されています。そして、一属一種ではありますが多くの地方品種にわかています。例えば、グレートソルト産、サンフランシスコ産、中国産のものについて特徴を述べるとすると、
このように棲息地の環境やエサとなる藻類などの成分によって組成が異なり、 魚類のエサとして使用する場合も、淡水魚・海水魚ではそれぞれ向き不向きがあります。 また、その年の原産地の気象条件によっても、組成が若干異なる事も確認されています。 <一言> ところでイソベさん。マジでやるんすか? 「電磁波がアルテミアに与える影響」 |