事件ファイル



メコン川
長距離バスの旅事件(ラオス)
ラオスでは長距離バスに乗っていること自体が事件なのだ!

トラックバスルアンプラバンからある都市(名前は忘れた!)へ移動しようと宿の人に教えてもらったバスターミナルへ向かった。しかし、”バスターミナル”らしき広場には、ただ、たくさんのトラックがとまっており、そのそばでドライバーが口々に何か叫んでいるだけだった。おいおい、もしかして、これがラオス式バス?と半信半疑で近づいて行った。これはひどい!ただ、トラックの荷台に板を渡してあるだけ。クッションも座布団も何もない。たくさん止まっているけど、ほとんど似たりよったり。仕方なく、自分の行き先のバスを探して、ぼられてはたまらない!とドライバと値段交渉。しかし、彼は英語を話せないし、俺はラオスの言葉を話せない。仕方ないから、「地球の歩き方」に書いてある値段を信じて乗り込んだ!

アルマジロ バスは暫らくは快調に走っていたが、突然止まり、ドライバーが脱兎のごとく飛び出して行った。何事!と外を覗いてみると、彼は何かを捕まえて、麻袋に詰めていた。近寄っていくと、なんとアルマジロ!「おー、アルマジロ、初めて本物を見た!」という感動と同時に、もっと真剣に運転してくれよ!という思いも。でも、彼はあのアルマジロを市場で売って、収入源にするんだなぁ。たくましい!

走り始めて、最初のトイレ休憩があった。ドライバーに、後どのくらいで目的地に到着するのか?とジェスチャーで聞いてみた。彼は二つの手を広げて、10を作って見せた。おー、あと10時間か、ということは夜の11時ごろだな、と見当をつけ、また、バスに乗り込んだ。

午後7時頃、バスは民家らしき家の前に止まった。ドライバーが何やら叫ぶと、皆、ごそごそ降りた。おー、やっと夕食休憩か、と俺もいさんで中に入る。しかし、期待は見事に裏切られた。中はがらーんとして何もなく、壊れかけそうな棚に”食料品らしき物”が少ーし並んでいるだけ。ガクッ!バスに乗ってからほとんど何も食べずに、夕食休憩がこれかい!
店のおばちゃんにパンでもないか?と聞くが、おばちゃん、手をふるばかりで相手にしてくれない。肩を落として、バスに戻った。

それからさらに4時間位走って、時間は夜の11時。バスは急に止まった。ん?着いた?しかし、周りは山に囲まれて、町の明かりなんか全く見えない。どうしたんだ?と思っていると、また、ドライバーが一叫び。皆、降りて、さっきのドライブイン(?)で買った食料を食べだした。「ん?そろそろ到着するはずなのに、なんで、腹ごしらえ???」と不思議に思いながら、俺もバックから非常食を取り出し、外に出た。ドライバーに到着時間を聞こうと、探していると、彼はヘッドライトの明かりで、さっきの店でもらったお弁当らしきものを食べていた。近づいて、一緒に食事をとることにした。すると、これを食ってみろ!という仕草で彼はナイロンの袋を指した。恐る恐る、手を入れて食べてみると、お、うまい!それはもち米を蒸したものだった。彼は、肉らしき塊も分けてくれた。一口食べて、塩付けの豚肉のような味だった。でも、恐ろしく固い!がんばって噛み切って少しづつ食べていたが、どうも口の中で、もさもさするので、ヘッドライトの明かりでよーくみると、うげぇ!毛と皮がついたままの豚肉の塊だ!調理はしてあるのかどうか不明。ま、塩漬けだから大丈夫とは思ったが、彼がよそ見をしている間に暗闇に投げ捨てた!

タートルアン寺 バスは、再び走り出す。「目的地はそろそろのはずだ。多分、スケジュール的にちょっと遅れているだけだ。」と自分に言い聞かせながら、2時間経過。すると、ポツポツという音がし始めて、なんと、氷が降り始めた。おまけにホロを突き抜けて、中に降り込んでくる。「おー、弱り目にたたり目とは、このことか!」ととにかく身を丸めて攻撃に耐えた。それから、1時間。恐れていたことが起きた!氷が雨に変わって、道路がぬかるみ、バスがスタック!もう、最悪ー!みな、下りて、バスを押す。泥がはねて、全身泥だらけ。それでもなんとか、脱出成功!再び走りだす。途中、村に向かう自転車の青年を拾いながら、(俺は、「もう、こんな狭い荷台に自転車いれるなよ!」と心で悪態をつく。)さらに4時間程。とうとう、夜が明けた。もう、乗客は俺一人。それからさらに3時間。町が見えてきたときには、俺の目にはかすかに光るものが。実に出発してから24時間。尻の皮はとっくに剥け、体もバックパックも泥で完全コーティングされていた。ホント、ラオスのバスは命がけだな!
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