ギリシャ神話の神々

18話〜19話
18話 アテナイ王テセウス
    アテナイ王アイゲウスは、子宝に恵まれず、ある日、アポロンの神託所を尋ねました。
    その帰路の途中、友人のとこに立ち寄ったアイゲウスは、アポロンのお告げ通り
    友人の娘アイトラと結婚したのでした。
    アイトラは、やがて、テセウスという男の子を産みます。
    しかし、王位争いの絶えない国の事情を心配したアイゲウスは、
    きっとやって来るに違いない暗殺者とテセウスの身の上が心配で、
    王位の印として、先祖伝来の宝剣とサンダルをもたせると、
    「大きくなったら、これを持って、アテナイの国に来るように」と告げ、国へ帰って行きました。
    
    テセウスは、小さい頃から、自分より体の大きい相手にも、立ちむかっていき、
    やがて、立派な青年になりました。
    母アイトラは、テセウスに、宝剣とサンダルを持たせ、これを、アテナイ王に見せるように
    告げました。
    陸地を旅しながら、テセウスは、いろんな盗賊を、こらしめ、ますます、強くなっていきました。
    やがて、アテナイの国につくと、アイゲウスは、魔女メディアを妃にもらっていたのです。
    魔女メディアは、自分の子供の王位が奪われることを恐れて、
    テセウスを、猛牛退治に行かせます。
    それは、かつて、ヘラクレスが、クレタ島を荒らしていた牛を生け捕りにしたあと、
    野に放したために、マラトンという町を襲い、人々を苦しめていた牛でした。
    テセウスは、その牛を退治したあと、その牛をアテナ神殿に捧げました。
    それから、アイゲウスの館に訪れると、王妃メディアは、テセウスに毒をもって、
    殺そうとしましたが、失敗に終わり、メディアは、息子と共に、アジアへ逃れていきました。
    一方、アイゲウスは、テセウスの宝剣を見て驚き、テセウスをアテナイの王子として
    迎えました。
  クレタの迷宮
    
クレタ島の王ミノスは、ポセイドンから牡牛を授かり、それを、必ず、いけにえに捧げると
    約束しました。ところが、ミノス王は、その牛のあまりの美しさに、かわりの牛を
    捧げたのでした。それに、怒ったポセイドンは、ミノス王の妃パシパエに、牡牛に対して
    恋心を抱かせるようにしむけました。
    そのころ、クレタ島に天才工人ダイダロスが住んでいて、牡牛への恋心をもてあましていた
    パシパエは、ダイダロスに、牛の木工を作るように命じました。

    そして、パシパエは、その木工の中に入りこみ、ポセイドンの牡牛と、牛になったパシパエは
    愛し合うようになったのです。やがて、パシパエに子供ができ、これが、牛の頭と人間の
    体をもつ怪物ミノタウロスです。
    困ったミノス王は、アポロンの神託にすがりました。
    アポロン「1度中に入った者は、2度と出て来れない迷宮ラビュリントスを作り
          その中に、ミノタウロスを閉じ込めるのだ。」
    そこで、ミノス王は、ダイダロスを呼んで、迷宮を作らせます。
    そうして、迷宮ラビュリントスが完成し、ミノス王は、その中に、ミノタウロスを幽閉しました。

    そのころ、アテナイでは、守護神アテナをたたえる祭りが行われていました。
    その競技に、ミノス王の王子が参加しましたが、不慮の事故で、アテナイ兵に殺されて
    しまいます。それに、怒ったミノス王は、和解として
    「9年ごとに、7人の娘と7人の若者を、ミノタウロスへの貢物として差し出す」ように
    命じたのでした。
    彼らは、戻ることのないミノタウロスの餌食になってしまうのです。
    それを聞いたアテナイの王子テセウスは、自分を貢物として、クレタ島へ行かせる様に
    頼みました。

    クレタ島に着いたテセウスは、ミノス王に、最初に、迷宮へ自分を入れるように頼むのでした
    その様子を見ていたミノス王の娘アリアドネは、なんとかテセウスを助けようと
    糸玉をテセウスに手渡します。
    アリアドネ「これを、迷宮の入り口に結び、帰る時は、糸をたぐりながら来た道を戻れは
           迷うことはありません。」
    そして、このことが知れたら、ミノス王に殺されるから、私をアテナイへ連れて行って
    くれるように、テセウスに頼むのでした。
    
    そうして、テセウスは、迷宮にはいり、見事、ミノタウロスを倒し、その証として
    ミノタウロスの角をもって、迷宮をでました。
    ミノス王の娘アリアドネは、人質となっている残り13人のアテナイ人を逃がし
    その夜のうちに、アリアドネは妹パイドラと共に、テセウスの船に乗りこんで
    クレタ島を脱出したのです。
    ところが、途中の島で、テセウスは、ディオニュソス(バッコス)のお告げを聞きます。
    バッコス「アリアドネを、その島に残して行かなければ、
          おまえに災いがふりかかるであろう」    
    テセウスは、眠っているアリアドネを、泣く泣く一人その島に残して出発したのでした。
    アテナイでは、王アイゲウスは、毎日、テセウスの無事を祈って、海岸で待っていました。
    船の帆が、黒なら・・・テセウスはしんだと。
    船の帆が、白なら・・・テセウスは無事だと・・。
    ところが、テセウスは、アリアドネを失った悲しみで、船の帆を白にするのを
    忘れていたために、遠くから船の帆が黒いのをみたアテナイ王アイゲウスは、絶望のあまり、
    エーゲ海に身をなげて、しんでしまったのでした。
    テセウスは、父の死を悲しみましたが、やがて、アテナイ王となったのです。
    エーゲ海とは、ギリシャ語で、アイガオン・パゴス(アイゲウスの海)という意味です。

   一方、クレタ島のミノス王は、天才工人ダイダロスのしわざだと思い、ダイダロスと息子の
   イカロスを迷宮に閉じ込めます。
   迷宮で、ダイダロスは、鳥の羽で作った翼で、息子と共に、迷宮を脱出するのですが、
   息子イカロスは、高く飛びすぎたために、太陽の熱で、ロウが溶け、海に落ちてしまいました。
   イカロスのおちた海は、イカロスの名を取って、「イカリア海」と呼ばれるようになりました。
   ダイダロスは、クレタ島から脱出すると、シチリア島に降りました。
   ミノス王は、「巻貝の中に、糸を通すことのできた者には、ほうびを取らせる」という
   おふれを出しました。こういうことをできるのは、ダイダロスしかいなかったからです。
   このおふれは、シチリア島までおよび、ダイダロスは、いとも簡単に通すことができました。
   こうして、ダイダロスの居場所をつきとめたミノス王は、自分にダイダロスを引き渡すようにと
   伝えました。
   ところが、シチリア王は、ダイダロスを手放すのを惜しみ、ミノス王を自分の館に招いて
   殺してしまいます。
   ミノス王が死ぬと、アリアドネの妹パイドラは、クレタ島へ帰っていきました。
   
   テセウスは、この地方一帯アッティカをまとめ、このアテナイ(現在のアテネ)を
   首都にしようと壮大な計画を立てていました。
   テセウスは、民主政治の国を建設しようとしていたのです。

 アマゾン族
   そんなある日、ヘラクレスがアマゾン族の女王ヒッポリュッテの腰帯を奪うために、
   途中、アテナイへ立ち寄ったのでした。
   テセウスは、ヘラクレスに同行して、アマゾン族と戦い、やがて、女王ヒッポリュッテの妹の
   アンティオペを妻に迎えます。
   やがて、ふたりには、ヒッポリュトスという男の子が生まれました。
   ところが、アマゾン族は、復讐にアテナイの町を襲い、激戦は4ヶ月にも及びました。
   その間に、妻は、殺され、心に穴があいたテセウスは、クレタ島のパイドラを
   妻に迎えました。

 ヒッポリュトス
   テセウスとアンティオペの子、ヒッポリュトスは、りっぱな若者になりました。
   ところが、女性に求愛されても、相手にすることはありませんでした。
   これに怒ったのが、アフロディテです。アフロディテは、テセウスの妃パイドラが、
   ヒッポリュトスに恋するようにしむけ、その恋を明るみにして、
   テセウスに、ヒッポリュトスを呪い殺させようとしました。
   パイドラは、ヒッポリュトスを落とし入れる手紙を書き、しんでしまいます。
   テセウスは、自分の悲しみを、ポセイドンに訴えました。
   ポセイドンは、テセウスの願いを受け入れ、猛牛を差し向け、ヒッポリュトスは
   猛牛の前に倒れてしまいます。
   このヒッポリュトスとパイドラの話は、いくつかの戯曲となりました。
   
 ラピタイ族の王ペイリトオス
   
ラピタイ族の王ペイリトオスは、テセウスの武勇を聞き、その力を試そうと、アッテイカへ
   やってきます。
   それをきっかけに、友人となり、テセウスは、ペイリトオスの結婚式に招待されました。
   その招待客の中には、ケンタウロスたちもいました。
   ところが、ケンタウロスの一人が、酒に酔って暴れだし、他のケンタウロスもつられて
   暴れ出したので、結婚式は、めちゃくちゃになりました。

   それを押さえたのが、テセウスだと言われています。
   
   その後、テセウスも、ペイリトウスも、妻をなくした後、ゼウスの娘ヘレネを
   どちらが妻にするか、競いました。
   ヘレナは、テセウスの妻になりましたが、ゼウスの神託で、
   「ペイリトウスの妻は、冥界の王ハデスの妻ベルセポネに」というお告げを聞き、
   ふたりで、冥界に乗り込んだのです。
   冥界の王ハデスは、神を恐れない二人の振舞いに怒り、二人を2度と立ち上がれない椅子に
   座らせたのでした。
   ちょうど、その時、ヘラクレスが、冥府の番犬ケルぺウスを生け捕りに来ていて
   二人を、椅子から引き放そうとすると、冥府が怒りだすのです。
   テセウスは、生きて帰れましたが、とうとう、ペイリトウスは、冥界に残ったのです。

   しかし、アテナイをはったらかしにしていたテセウスを、人々は、さげすみ、反発しました。
   そこで、テセウスは、アテナイを捨て、父の残したスキュロス島へ、渡りましたが
   そこで、テセウスは、命を落としてしまいます。

   のちの世のことー
   アテナイ軍が、一気にペルシャ軍を破った戦いがあります。
   この戦いの時、テセウスの霊が、アテナイ軍の目の前に現れて、兵を奮い立たせ
   自らもペルシャ軍に向かっていったということです。
   アテナイの人々は、以前、テセウスが、虐げられた弱者を守ってくれたことを思いだしました。
   やがて、テセウスの遺骨は、アテナイの町に葬られ、以後、人々はテセウスを
   半神として敬ったのです。



19話、悲劇の王・オイディプス
   テバイ王ライオスには、子供がいませんでした。
   そこで、ライオスは、アポロンの神託所へ出向きます。
   アポロン「子がいないのは、幸いと思うがよい。
         もし、息子が生まれたら、その子は、おまえを殺すだろう」
   
   しばらくして、王妃イオカステに、男の子が生まれました。
   ライオスは、わが子を、這って歩けないように金のピンで両足のかかとを留めて
   従者の羊飼いに、キタイロン山に、捨てさせました。

   その子は、近くの都市のコリントス王に拾われました。
   コリントス王には、子供がいなかったため、オイディプス(はれた足)と名付けられ
   王子として大切に育てられました。
   やがて、立派な若者になったオイディプスは、自分がコリントス王の本当の子ではないと
   いう噂を耳にして、アポロンの神託所へ出向きます。
   アポロン「おまえは、故郷へ帰ってはならない。
         もし、帰れば、父を殺し、母を妻にする運命にあるのだ」
   アポロンの神託所からの帰り道・・・
   右へいけばコリントス、左へいけばテバイ。
   コリントス王が、自分の本当の父として疑わないオイディプスは、
   「コリントスの父を殺すわけにはいかない・・」と左の道デバイへ向かいます。
   デバイへの道の途中、早馬がやってきて、
   オイディプスの道をふさいだので、オイディプスは、
   早馬に乗っていた老人を殺してしまいます。
   それが、本当の父ライオスとも知らずに。
   こうして、アポロンの神託の半分が、実現しました。

   テバイでは、いち早く、ライオス王の死が伝えられ、ライオス王の兄クレオンは
   そのころ、スフィンクスの事で、頭を痛めていました。
   そこで、「スフィンクスを退治して者に、王の地位と、亡き王の妃イオカステを
   妻に与えると町中に、おふれを出しました。
 
   この噂を聞いたオイディプスは、スフィンクスのいる山に登ったのでした。
  スフィンクス「私の質問に答えられない時は、生きては帰れない。」
  オイディプス「もし、謎が解けなければ、私を食べるがよい。
          そのかわり、答えられた時は、恥じて死ぬがよい」
  スフィンクス「朝は4本足、昼は2本足、夜は3本足になるもの、それは、なんだ?」
  オイディプス「それは、人間だ。赤ん坊の時は4本、成人したら2本足で歩き
          年をとれば、杖をついて3本で歩く。」

  テバイでは、崖から落ちて生き絶えたスフィンクスを見た者がいて、
  オイディプスは、たちまち有名になり、テバイの王となり、イオカステを妻にもらいます。
  オイディプスは、イオカステが母とも知らず、
  イオカステも、オイディプスを、わが子と知らないまま、結婚してしまいました。
  こうして、オイディプスの知らないうちに、神託は実現されたのでした。
 
  やがて、ふたりの間に、子供が生まれました。
  長男ポリュネイケス、次男エテオクレス、長女、美しいアンティゴネ、次女イスメネ。
  しかし、オイディプスの幸せは、長く続きませんでした。
  オイディプスの行い(父を殺し、母と結婚)に対する神々の怒りが、テバイの町に
  ふりかかってきたのです。
  疫病がはやり、農作物の不作がつづき、人々は、飢えと病気で苦しみました。
  そこで、先王の兄クレオンを、アポロンの神託所へつかわしました。
  クレオン「神託は、こう告げました。
        先王ライオスを殺した者を、テバイから追放すれば、飢饉も疫病も
        すぐに、治まる。犯人は、この町にいる、と・・・」
  そこで、オイディプスは、「先王を殺した者を、探すのだ!」とおふれを出します。
  その間にも、人々は、飢饉と疫病に苦しみ続けました。
  クレオン「この町には、高名な目の不自由な預言者がいます。
        彼に、犯人を告げさせるのです」
  そこで、オイディプスは、預言者を館に招きました。
  預言者「先王ライオスを殺したのは、あなたです・・・」
  オイディプスは、怒り狂いました。
  オイディプス「おまえは、クレオンの回し者だな!おまえなど預言者であるものか!
          なぜ、私が先王を殺せる?会った事もないのに!」
  預言者「どうして、私がクレオンに・・・。
       ・・目が不自由なのは、あなたのほうじゃ・・・。自分が誰から生まれたか
       ・・ご存知か?・・まだまだ、いっぱいあるのじゃ・・あなたの不幸が・・」
  こうして、無実の罪をきせられたクレオンは、追放されてしまいました。

  そんな折、コリントス王が死んだという使者が、テバイの町にやってきました。
  オイディプスは、「父を殺す」という神託が、果されなかったことを不思議に思いました。
  すると、コリントスから来た使者は、
  オイディプスが、コリントス王と血のつながりがないことを、告げたのでした。
  使者「あなたは、捨て子だったのです。テバイの先王ライオスに使える羊飼いから
      もらい受け、私が、子のいないコリントス王に差し上げたのです。」

  すべてを知ったイオカルテは、自らの命を絶ち、
  オイディプスは、なにも真実を見ることができなかった自分の目を針で突き刺したのでした。
  やがて、クレオンは、オイディプスの息子ポリュネイケスとエテオクレスと共に
  オイディプスを、テバイの町から、追い出したのです。
  オイディプス「息子たちよ。おまえたちは、必ず、王位争いをして、共に倒れるだろう」と
  言い残して、長女アンティゴネと、あてのない旅に出たのでした。
  オイディプスは、娘アンティゴネに手を引いてもらいながら、あちこちの町を
  放浪しては、ほどこしを受けながら、暮らしました。

  テバイの町は、いつのまにか、飢饉と疫病から救われていたのでした。

  さて、大きくなったオイディプスの息子たちは、やがて、争うようになり、
  次男のエテオクレスは、長男ポリュネイケスを追い出します。
  ポリュネイケスは、亡き母イオカステの形見、ハルモニアの首飾りをもって、
  アルごスの国に逃れます。
  ハルモニアの首飾りとは、アフロディテの娘ハルモニアが、カドモスと結婚したとき、
  女神が送った首飾りで、それは、代々、テバイ王家に伝わっていました。
  やがて、ポリュネイケスは、アルゴスの国の支援を得て
  テバイの国を取り戻そうと、弟に戦いをいどむのでした。
  そこで、テバイでは、どうやったら勝てるか、アポロンの神託所に、お告げを
  聞きにいったのでした。
  アポロン「戦いは避けられないだろう。勝つためには、オイディプスを
        味方につければよい。オイディプスの墓のある土地は、祝福されるだろう」
  そこで、ふたりの息子たちは、オイディプスの行方を、必死で探すのでした。
  
  そのころ、オイディプスと娘アンティゴネは、アテナイの郊外の森の中にいました。
  そこは、復讐の女神の聖地と言われ、町の人々は、ここにオイディプスがいることを、
  たいへん嫌がり、アテナイ王テセウスに相談しました。
  テセウス「不運なオイディプスよ。ここを離れないというのは、なぜだ?」
  オイディプス「ここは、復讐の女神の聖地、また、彼女らは、めぐみ深き女神として
          祭られてることも知りました。この地ほど、私にふさわしい土地は、ない。
          そして、私の墓のある土地は、祝福されると聞いた。
          私は、この体を、あなたに与えようと思う」
  テセウス「わかった。私が、あなたを守ってさしあげよう」
  
  ・・そうして、オイディプスは、テセウス王の土地で、しんでいきます。
  娘アンティゴネは、兄弟の争いをやめさせようと、テバイに戻りますが
  ポリュネイケスは、アルゴスから「7人の将軍」を引き連れて、テバイを攻め、
  やがて、オイディプスの息子たちは、兄弟で刺し違えて、しんでしまいました。
  クレオンは王となり、この戦いで息子を失った怒りで、ポリュネイケスとアルゴスの兵を
  埋葬してはならぬという、おふれを出しました。
  しかし、兄思いのアンティゴネは、兄ポリュネイケスの亡骸に、土をかけてあげます。
  「自分がしんだら、テバイに埋葬するように」と兄と約束していたのでした。
  これは、テバイでは、死刑に値することでした。
  クレオンは困って、アンティゴネを、死刑にさせたくなかったために、牢に入れました。
  アンティゴネは、牢の中で、自ら、命をたちました。
  そして、いいなずけだったクレオンの息子ハイモンも、悲しみのあまり、命を絶ちました。
  しかし、ポリュネイケスの魂は、アンティゴネに土をかけてもらったことで、救われました。

  アルゴスの4人の将軍は、埋葬もされず、野ざらしでした。
  これを知ったアテナイ王テセウスは、武力でクレオンを、おどし、
  アルゴスの4人の将軍の亡骸をひきとり、手厚く埋葬しました。
  この埋葬者の中に、7人の将軍の息子たちがいて、10年後
  7将の息子たちは、テバイへ侵攻し、復讐を見事は足し、「エピゴノイ」(のちに生まれた者)と
  呼ばれ、長いあいだ、人々の心に残ったということです。

        

クレタ文明

クノッソス宮殿
エジプトやメソポタミア文明が栄えていた頃、エーゲ海の小島にも、
古代文明がおこり始めていました。
エーゲ文明でも、栄えていたのは、クレタ島でした。
絶大な権力を誇っていたといわれる伝説の王ミノス王にちなんで、
「ミノス文明」とも言われます。
クレタ島は、牡牛は聖獣とされ、島の人々は、金属や青銅を加工する技術が特に、すぐれていたと言われています。
BC2000年ごろ、クノッソスを初め
各地に宮殿が建てられましたが
,
その中でもクノッソス宮殿は、1000にも及ぶ部屋があり、水洗トイレまで完備されていたということです。
クレタ文明は、BC1400年ごろ、ギリシャ本土のアカイア人によって、滅んだとされ、エーゲ文明の中心は、ミュケナイ文明に移りました。、

都市国家アテナイ

アテナイのアクロポリス
アテナイの町は、女神アテネに由来すると言われ、現在のアテネの古代名です。
テセウスが、その基盤を作ったとされ、
BC8世紀に都市国家として統一されました。
アテナイは、最初は、貴族社会でしたが、
市民の勢力が強くなり、民主政治が行われるようになりました。
このような自由な社会を土台に、文化・芸術が発達し、さらに、毎年、バッコスの祭りも行われています。また、アクロポリスには、パルテノン神殿も作られ、これは西洋美術の傑作と言われています.






ラビュリントス
牛頭人身の怪物ミノタウロスの舞台となったラビュリントスは、クレタ島の北岸にある
クノッソス宮殿の一部ではないかといわれています。
その大きさは
東西1500mX南北100m、4階建て、1000部屋といわれ、廊下や階段が入り組んだ宮殿は、まさに、1度入ったらでられない、
ラビュリントスそのものを思わせます。
このほか、クレタ島南岸の都市ゴルチュンの
地下採掘場、古代エジプトの王の神殿が、
ラビュリントスであったという説もあります。
迷宮や迷路のことを、ここから、
英語では、「ラビリンス」と読んでいます。



天才工人ダイダロス
迷宮ラビュリントスや、雌牛を作ったダイダロスは、どこの土地でも、その才能を発揮しました。
彼は、元々、アテナイに住んでいましたが、
甥のタロスが、将来自分を上回る名工となるのを恐れて、タロスを殺してしまいます。
有罪の判決を受けたダイダロスは、クレタ島のミノス王に使えます。
彼は、すぐれた工人だけでなく、斧やキリ、
船のマントなど、さまざまな発明者とも
言われています。
ギリシャ語で、ダイダロスとは、
「たくみに技をこしらえた」という意味があり、
アテナイの近郊には、彼を祖とする
ダイダリダイ(ダイダロスの子孫)という
技術工芸家の一族が、存在したと
言われています。



ペルシャ戦争
BC6世紀頃、西アジアは巨大なペルシャ帝国に支配されていました。
エーゲ海沿いの都市は、このペルシャ帝国に対する反乱を起こしました。
アテナイなどギリシャの都市を応援したため
ペルシャ帝国は、ギリシャへ遠征を行い
ペルシャVSギリシャの大戦争が起きました。
中でも、第3回目の戦争は、激しく
アテナイの敗北は、時間の問題でしたが、
アテナイの将軍テミストクレスは、
ペルシャ帝国艦隊と、せまいサラミス水道で
約2倍のペルシャ艦隊を破ったのでした。
これを、「サラミスの海戦」といい
これによって、アテナイの軍事力が認められ
それまで、中立だった都市が
アテナイ側につき、
ペルシャ帝国軍は、翌年、本土に
引き返しました。







テバイ家・略系図

  
軍神アレス==美の女神アフロディテ
          l 
          l 
       娘ハルモニア==カドモス
     (のちに、夫婦で蛇になってしまう)
        
 12話参照
          ・     ・
          ・     ・
          ・     ・
          ・     ・
      イオカステ==ライオス
              l
              l
          オイディプス==イオカステ
                   l
                   l
          −−−−−−−ーーーーー
                   長男    
               ポリュネイケス

                  次男
               エテオクレス

                  長女
               アンティゴネ

                  次女
               イスメネ   




スフォンクスの質問を解くオイディプス
古代ギリシャ時代に作られた盃
赤地を残し、他の部分を黒でうめる手法

スフィンクスは、元々はエジプト王ファラオと
ライオンの合体したもので、エジプトでは、
聖獣とされていましたが、
ギリシャ、地中海に広く伝わるうちに、
美しい顔と胸、ライオンの体、そして、
翼をもった女性として表わされるように
なりました。
古代ギリシャでは、最初、子供をさらう魔物、
または、戦いで死んでいく戦士を見守る怪物とされ、魔よけとして盾や墓の上、壷などに描かれていましたが、さらに土地の害獣として、謎をかける怪物とも考えられ、テバイの伝説もそこから生まれたと考えられています。



エディプス・コンプレックス
父を殺し、母と結婚した、この神話を元に
心理学で、エディプス・コンプレックスという、フロイトが名づけた用語があります。
エディプスとは、オイディプスの英語読みです。
これは、男の子が、3〜5歳に抱く感情のことで、父親に敵意をいだき、母親を独占しようとする感情です。
しかし、これは、父のようになろう、父を超えようとすることで克服され、また、思春期に他の異性が対象になり、恋愛感情に変化して行くと言われています。
この感情を、女の子にあてはめたものを
「エレクトラ・コンプレックス」といい、ユンクが
名づけました。