セミの館

ヒグラシの羽化

 このページの写真は、2007年7月30日に三重県名張市の赤目四十八滝で撮影したもので、 ハイキングコース脇の樹で羽化していたものです。行動時間の都合で始めから最後まで観察できなかったのが残念でしたが、羽化直後の神々しいまでの姿に感激しました。
 なお、羽化場所を探して移動中の幼虫と羽化シーンのものとは別個体です。

この日、今にも雨が降りそうな鬱陶しい天気で、
渓谷沿いの遊歩道も薄暗く、そろそろ引き返そうかと
思いつつも、時折雲の切れ間から日が差すこともあり、
天気が回復することを期待しながら歩を進めました。




薄暗い遊歩道に、苔むした一本の樹がありました。
その木肌の自分の胸くらいの高さに、なにやら
白っぽいものがくっついているのに気付きました。
そっと近づいてみると、なんとセミが羽化して
いる最中でした。



見つけたときは、すでに上半身が抜け出し、
腹部が中に残った状態で、逆立ちしてぶら下がって
いるところでした。







緑がかった白い体色は、薄暗い中で輝き、神秘的
でした。しばらくそこに留まって起きあがるのを
観察していましたが、時折力が入って起きあがろうと
するものの、すぐにまたぶら下がってしまいます。
目的ポイントはまだ先、時間も遅くなってきたので
帰りにまた観察しようと思い直し、先を急ぐことに
しました。



30分ほど後に戻ってくると、すでに脚で
ぶら下がった状態になっていて、翅もすっかり
伸びていました。しかし、まだお腹は体液が
充満し、パンパンに膨らんでいます。





このとき、まだ体は白っぽく、模様がはっきり
していません。また、翅も少しずつ透明感が
出てきているものの薄い膜を張ったような
感じで、翅脈の緑色が輝き、実に綺麗です。
この後、いよいよ時間が押し迫ってきたため、
後ろ髪を引かれる思いで、帰路に就きました。



遊歩道の出口近くまでたどり着き、そこのベンチで
ホット一息ついていると、地面をモソモソ歩いている
ものがありました。よく見るとセミの幼虫です。
踏まれたら大変と、近くの樹に移してやると、
ゆっくりと這い上がっていきました、



大きさや形からみて、先ほど羽化していたセミと
同じ種類のようです。左の写真はストロボを
使ったため赤っぽく写りましたが、実際は
上のように濃い褐色で目立ちません。
翅の部分だけが緑色に透けて見えています。


 このときはセミの種類はわかりませんでしたが、大きさや幼虫の形、羽化直後の成虫にうっすらと見え始めていた模様、それに周辺で鳴いていたセミの種類から考えて、ヒグラシと判断しました。

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