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ばばちゃんについて書きそびれている内に、春の嵐が吹き荒れる季節になってしまいました。 鳥取ではこの数日、中国大陸から飛来する黄砂がひどく、景色は霞み、車はすぐに砂まみれになってしまいます。 実はこの春の訪れとともに、ばばちゃんは姿を消していくのです。 ばばちゃんとは冬の日本海で獲れる深海魚です。 本来は「ばばあ」と呼んでいたのを、あまりに可哀想なので「ちゃん」づけで呼ぶようになったそうです。 「ばばあ」という名の由来は今度調べてみたいと思いますが、見た目がとてもグロテスクなのと関係があるかもしれません。 頭でっかち尻すぼみの体形、大きく剥いた眼、発達した顎と強靭な歯、ぬめりとした肌など、いかにも深海魚といった姿です。 しかし、こんな外観からは想像しにくいのですが、とても美味しい魚なのです。 弾力があって脂も適度に乗った白身は、鍋にぴったり。 鍋に魚といえばアンコウとタラが代表的。でもアンコウはねっとりと歯に吸い付く感じが濃い〜くて、一方のタラはパサパサになって味が淡白すぎます。(この辺りは、それぞれの好みがあるでしょうが) ばばちゃんの身は両者の中間、あるいは“いいとこ取り”をした感じで、歯ごたえと旨みのバランスが絶妙です。 いくら食べても飽きないうまさです。 だしもよく出て、鍋のあとの雑炊がまた格別。満腹で雑炊までたどり着けないときは、汁をとっておいて翌日煮物に使えば、これまた味付けがほとんど要らない良いだしになります。 このばばちゃんの季節は冬ですが、毎日店頭に並ぶ訳ではありません。 「ばばちゃん漁」や「ばばちゃん釣り」というのがある訳でなく、カニ漁の際にカニと一緒に網にかかるものが細々と市場に出回るだけです。 以前は漁師さんが食べるだけで、一般の人々にはまったく見向きもされなかったそうです。 これが最近になって新たな名物料理として目をつけられ、少しずつ出回るようになったということです。 今は、海辺の町の民宿などが、このばばちゃんの食べ方・料理法をいろいろと工夫しているようです。 冬の鳥取あるいは日本海と言えばカニと温泉で、京阪神から三朝温泉などには沢山の「カニ・ツアー」が企画されているようですが、カニに飽きたら一度はばばちゃん料理を試してみてください。 |
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2002年3月21日(木)
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