COPって何?
Q.この11月にオランダのハーグでCOP6が開催されるという話を聞いたのですが、COPとは何なのでしょうか?
A.COP6とは、2000年11月にオランダのハーグで開催される、第6回気候変動枠組み条約締約国会議のことです。京都で開催されたCOP3(第3回締約国会議)以来の大きな節目の会議として注目されています。
COPとはConference of the Partiesすなわち、締約国会議の略称です。COPの後ろにつけられる数字は、この締約国会議の開催回数を示しています。つまり、COP6とは第6回締約国会議の略称というわけです。締約国会議とは、条約の締約国によって行われる会議で条約の最高意志決定機関です。よく私たちが新聞などで目にするCOPは、通常、「気候変動枠組み条約」に関する締約国会議のことを指しています。ちなみに、「締約国」とは条約や議定書に署名するだけなでなく、批准などの正式な手続きを取り、条約や議定書の規定する義務に従うことを明らかにした国を指します。
「気候変動枠組み条約」は、地球温暖化問題に対処するために1992年5月に採択され、同年6月にリオデジャネイロで開催された地球サミットで155カ国が署名し、1994年の3月に発効しました。我が国も、1992年6月に署名し、1993年5月に加盟しています。同条約の第2条には、「気候系に対して危険な人為的干渉を及ぼすこととならない水準において大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させること」という究極の目的が示されています。そして、この目的を達成するために、「共通だが差異のある責任」という考え方にたち、これまでに多くの温室効果ガスを排出してきた先進国に、90年代末までに先進国のCO2排出量を90年レベルに安定化させるという約束を課しています。しかし、「気候変動枠組み条約」という条約の名前が示しているように、この条約は主として地球温暖化問題に対処するための「枠組み」を定めることがポイントとなっており、内容については別途「議定書」によって定めるというスタイルとなっています。このため、90年代末までに先進国のCO2排出量を90年レベルに安定化させるという約束にも法的な拘束力はありません。このため、たとえ達成できなくても条約違反とはならず、また2000年以降の目標についての規定もありません。こうした点について検討し、条約を実効性のあるものとするために、「締約国会合」すなわちCOPが毎年開催されているのです。
1995年3月にドイツのベルリンで開催されたCOP1以降、これまで5回の締約国会議が開催されてきました。COP1では、2000年以降の先進国の温室効果ガスの数値目標を盛り込んだ「議定書」を1997年のCOP3で採択することが定められました。1996年7月にスイスのジュネーブで開催されたCOP2では、COP3で法的拘束力を持つ議定書を策定することを定めた「ジュネーブ宣言」が採択され、京都議定書へ一歩前進しました。そして、1997年12月に京都で行われたCOP3で、「京都議定書」が採択されました。議定書では、目標年の2008〜2012年(第一約束期間)に90年の排出量と比較して、先進国全体で約5%、米国7%、EU8%、日本6%などという法的拘束力のある温室効果ガスの削減目標が決定されました。このようにCOP3では、条約の根幹にかかわる重要な数値目標が設定され温暖化対策が大きな前進を見せたわけですが、一方で多くの重要な課題も未解決のまま先送りされてしまいました。主な課題としては、先進国間の排出量取引注1)、共同実施注2)およびクリーン開発メカニズム(CDM)注3)という、いわゆる柔軟性措置(京都メカニズムとも呼ばれる)の具体的ルールや、森林の吸収源の範囲や計算方法、目標が守れなかったときの手続き、各国の排出量や国内政策の報告の仕方、途上国の支援等が挙げられます。1998年11月にアルゼンチンのブエノスアイレスで開催されたCOP4では、これらの課題に対して討議が行われましたが具体的な結論を得ることがでず、京都メカニズムについてCDMを優先しつつCOP6までに内容を決定すること等を定めた「ブエノスアイレス行動計画」が策定されました。そして、昨年10 月にドイツのボンで開催されたCOP5では、「ブエノスアイレス行動計画」に基づいてCOP6までの手続き上のスケジュールが定められると同時に、2002年までの京都議定書の発効が強く訴えられました。
今年11 月にオランダのハーグで開催されるCOP6では、こうした経緯をふまえ、京都メカニズムの具体的ルールや目標を確実に達成するための遵守制度、森林の吸収源の取り扱いについて合意を得ることが目指されています。また、途上国の関心の高い、人材育成や技術移転の問題についても合意することが必要です。このように、COP6は、COP3において定められた京都議定書の最終仕上げともいえる会議となるため、この会議の結果が今後の温暖化対策を大きく左右するものと考えられています。多くの先進国は、これらの課題がCOP6でどう決定されるかを確認した後で京都議定書の国内批准手続きを進めるというスタンスをとっています。このため、もし会議でこれらの課題について合意を得ることができなければ、京都議定書の2002年発効が危ぶまれる事態も予想されることから、いま世界中から大きな注目を集めているのです。
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