ISO14001って何?
Q.最近、ISO14001という言葉を良く聞きますが、これは何ですか?
A.ISO14001とはISO(国際標準化機構)が定めた環境マネジメントシステムに関する国際規格のことです。
先月号では、企業の提供する環境配慮型の製品やサービスに関する動向としてエコラベルやグリーン購入を解説しましたが、環境への配慮が求められているのは、単に企業の提供する「製品」や「サービス」だけではありません。いまや企業の「経営活動」全体が環境に配慮したものであるかどうかが問われるようになっているのです。
これまでも多くの企業では、環境に対する負荷を軽減するために、生産設備の改良など様々な活動を行ってきました。しかし、これらの活動による効果の多くは一時的なものであり、企業の環境パフォーマンスの永続的向上を保証するものではありません。企業の環境パフォーマンスを継続的に向上させるためには、企業の環境へのとりくみが体系的な仕組みを備え、かつ経営と統合したものであることが必要です。
このような環境パフォーマンス向上のための体系的仕組み(環境マネジメントシステム)を構築するために必要な事項を規定したものが、ISO14001規格(環境マネジメントシステム規格)なのです。ISO14001の制定の直接のきっかけは、1992年にリオデジャネイロで開催された地球サミットの開催に向けて、「持続可能な開発のための経済人会議(BCSD)」が環境に関する国際規格の検討をISOに要請したことにあります。その後、ISOではTC207と呼ばれる専門委員会を設け検討を行い、1996年9月にISO14001規格を採択しました。ちなみに、ISO14001を含むISO14000シリーズでは、ISO14001の他にも環境監査やライフサイクルアセスメント、先月号で取り上げたエコラベルなどに関する規格が定められています。
ISO14001は、環境パフォーマンスの継続的向上のために、環境配慮活動を事業活動の一部として組み込み、企業の経営管理手法として知られる計画(Plan)-実施(Do)-点検(Check)-見直しと改善(Action)のサイクルで継続的な改善を図っていくという構造をとっています。このPDCAサイクルに沿って、ISO14001では環境マネジメントシステムに対する要求事項を、「環境方針」「計画」「実施及び運用」「点検および是正処置」「経営層による見直し」という項目ごとに定めています。ISO14001を導入する企業は、まず自社の活動や製品・サービスが環境にどの様な影響を及ぼしているか、また及ぼす可能性があるかを把握し、法的・社会的な状況や自社の経済的・技術的事情なども考慮に入れて、自ら環境目標を定め規格に記述されている要求事項に沿ってマネジメントシステムを構築し審査登録機関による審査を受け、認証を取得することが必要となります。このように、企業が自らが考え、目標を設定して行動する自主的取り組みであるということ、第三者機関による認証システムで客観性を確保していることがISO14001の特徴です。
また、ISO14001はマネジメントシステムに関する規格であってパフォーマンスに関する規格ではないことも特徴としてあげられます。つまり、ISO14001が要求しているのは「環境方針」「計画」「実施及び運用」「点検および是正処置」「経営層による見直し」という一連のサイクルがどのような要素を持ち、どのように運用されるかということだけであり、実際の汚染物質の排出量などに関する基準について定めているものではないということです。我が国のISO14001認証取得数は、2000年2月現在で3318件((財)日本規格協会調べ)となっており取得件数は加速度的に増加しています(図参照)。当初、電機業界などの輸出系企業が先行して取得しましたが、現在では、建設業界、金融業界、地方自治体、また大企業から中小企業へと拡大しています。この背景の一つとして、ISO14001を取得した企業がその納入業者にもISO14001取得を要請するという動きが見られるようになってきたことが挙げられます。また、民間企業どうしの取引だけでなく公共事業の入札などでもISO14001の取得を条件とすることが検討され始めています。このように、ISO14001を取得することにより、有利な事業展開が期待できることやエコファンド等の環境投資による資金調達が可能となること、企業イメージの向上、省エネルギーなどによるコストの削減、事故などの未然防止などの様々な効果が期待できるのです。
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