|
|
|
・農地法上の分類から見た購入方法 農地の購入には農地法による制限がある。基本的には農地は農業者しか買えない。しかし、全く買えない訳ではない。合法的な入手方法としては、下記のように3種類ある。 1、農業者になってしまう。(3条申請)まさに正攻法。4−5反(1200−1500坪)の農地を、農業委員会の審査を経て取得する方法。もちろん、農業者としてやって行けるかどうか、すなわち資金力、農業経験、農業機械の所有等の点が厳しく問われる。その地域に居住するのは絶対条件である。この場合、必ずしも5反の農地を所有する必要はない。1反を購入し、残り4反を借地する場合でも許可されることがある。 しかし、その審査の姿勢には地域によって大きな違いがある。近畿圏では顧客に1反程度の農地を購入させる為に、1反購入、4反借地、自宅は借家にし、「農業者」をでっちあげて農業委員会をだます土地ブローカーが存在する。(わたしは実際にブローカーからこの手法を勧められた。)「借家は荒れた古農家に話をつけて月2万ぐらいで一時的に借りてくるんですよ。・・・」このような方法で入手しても、農業委員会は地域の人なのだから、後々うまく行くはずはないと思うのだが。このような手法が横行する都市近郊では当然審査は厳しい。 一方、過疎地の中には比較的簡単な審査で許可される場合がある。村ぐるみで空き農家や休耕地を探してくれた所まであるそうだ。特に夫婦者、中でも子連れは大歓迎されるようである。公的融資や公営住宅を新規就農者のために用意している地方自治体も現れ始めている。 2、所有者に事前に地目を変更してもらう。(4条申請) 地目が「畑」「田」の場合は農地法による制限が加わる。そこで、所有する農家に、先に地目を「宅地」「山林」「荒れ地」等に変更してもらう方法である。数年前はこの方法は比較的容易だったそうだが、最近は都市近郊では厳しくなったようである。昔は形式的に植林し、すぐ地目を「山林」に変更できていたのが、最近では1年ぐらい農業委員会が保留する場合が出て来たという。「宅地」にする場合でも、盛り土、垣根、排水溝などの「宅地」らしい現況が必要とされるようである。これではすぐに農地として使うのは困難であるし、特に「宅地」の姿にするには坪2−4万の費用がかかると思われる。 3、購入を前提に地目を変更する。(5条申請) 4条申請は所有者(農家)が所有者の都合で地目を変更するのに対し、5条申請は購入者の都合で地目を変更するものである。4条の場合は地目の変更が完了することによって初めて、購入可能な状態になるのに対し、5条では地目の変更を目的とした申請を行うだけであって、地目の変更の完了を前提としている訳ではない。従って、「現況」すなわち農地の状態のまま購入(本登記)が可能である。当然地目変更を目的としているのであるから実際に変更する必要はあるのだが、現実にはそこまでは追及困難なため、このようなことが可能になるのである。 しかし、この方法も万能ではない。「住宅、別荘」の場合は150坪程度が上限となり、「キャンプ場」の場合は山林で十分ということから農地からの変更は困難。「駐車場」は付近に住宅地が必要。大工さん等の場合は「資材置き場」という方法は可能。このように広さや周囲の環境に応じた具体的な利用計画が5条申請では必要となり、その具体性が許可を左右する。 4条、5条に共通して言えることだが、高度な農業のための土地整備が完了している区域、計画されている区域は地目変更の許可はほぼ不可能である。従って農業者として3条申請で購入するしかない。現在では優良な農地の多くがこれに該当し、4条、5条適用が容易な農地は農家などの宅地の近くの農地か、中山間部の段々畑等にしか残っていない。もっとも、数年ごとに行われる用途地域の見直しで例外的に地目の変更が認められる場合もあるが、それまでの間不安定な仮登記となる。 仮登記とは、所有者が売却するなら、購入者の第一順位となるという登記である。従って、所有者が売却を認めなければ、いつまでたっても本登記はできない。もっとも、きちっと契約していて、購入者が本登記できるような要件が整えば、当然、本登記にしてもらう権利はあるのだが、要件が整うのに時間がかかって、所有者が亡くなった場合には話がややこしい。したがって原則としては、本登記できないような契約はすべきでないと言える。
・紹介方式上の分類から見た購入方法 農地は紹介ルートの違いによって価格も制約も大きく異なる。ルートは下記の4つに分類できる。 1、地方自治体最近は、過疎地を中心に、多くの自治体が新規就農の斡旋を始めている。当然、この場合は5反以上の農業者となることが前提である。メリットとしては農地や住宅の低価格での提供や、農業機械購入のための融資がある。デメリットとしてはその地域の行政が推進している作目や農法を無視できないという点であろう。多くの自治体はなるべく大規模に、近代農法で、その地域の産地形成に参加して欲しそうである。本州でも5反どころか5町(5ヘクタール)の畑作を原則としているところもある。5町も有機でできるわけはない。しかし、極めて少数であるが、有機農法での入植を推進しているところもある。愛媛県肱川町(0893−34−2311)などはその例である。もっとも他の例は知らないが。 2、知人、親類1、2反の農地をいわゆる地元価格(最も安い価格)で購入する唯一のルートであると思われる。しかし、4、5反の広さで農業者になるのならともかく、1、2反の場合に存在する農地法の壁を独力で突破するのはかなり困難だと思われる。 3、ブローカーブローカーといっても悪質な不動産屋ばかりではない。そもそも過疎地の農地や農家を最初に都市住民に紹介、販売をはじめたのは彼らである。(1983年頃) ブローカーは広範囲に情報を収集し、物件を購入、修理し販売する。ブローカーの会員になり希望する物件の条件を提示すると、該当する物件が出て来たときに紹介してもらえる。彼らは常時日本経済新聞などの不動産欄に様々な物件の広告を出している。価格的には割高な感じであるが、物件の多さはピカイチ。短期間のうちに自由に選べる唯一のルートである。 4、地元不動産屋今回私たちが利用したのはこのルートである。私たちが望むような物件の手持ちは少ない。しかし、価格は地元価格とブローカー価格の間で、リーズナブルである。私たちは今回の篠山以前に、高槻、亀岡でこれらの不動産屋に当たってみたが、どちらでも1、2のなかなか良い物件を見つけることができた。もちろん情報入手には現地に行かなければならないが、それだけの価値は十分にある。 山猫の一口ガイド 山の迫る山間部はお勧め。周辺の農地の面積の割に水が豊富。水が常時使えれば、小さな水路を掘って水を農地に廻してやることができ、週一回の作業でも維持できます。
|