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《‘英雄’死夜悪譚〜気高キ令嬢編〜》
‘異種族間戦争’を勝利に導いた“死夜悪”は 村人達から、当然の如く歓迎される。
さらに“村長”より破格のもてなしを受ける。
‘絶世の美女’と 誉れ高い一人娘“レイコ”との婚姻を勧めてきたのだ(街の正史では、『二人が結婚した日を毎年、‘死夜悪祭’として伝承している』と、記載しているが、異書‘死夜学’によると、そんな事実は一切書かれていない)。
“死夜悪”も前向きに検討しており村人達にも異論を唱えるものは余りいなかった(‘不気味に蠢く武器’を使ったにせよ、村の‘メシア’である )。
しかし恒久な平和というものは永らく続かぬもの。
『一時ノ 悦ビサエ 苦シク 長イ 夜ノ中..』と
‘悲劇歌人’も唄っている。
ある夜──
「‘英雄’か‘神’か、知らないけど‘婚約者’だからって気安く触らないでっ!それに“死夜悪”様、息が臭いですょ」
‘動揺’しながら
『お、あ、そ、そうか?』
──“レイコ”の‘美貌’に視線が集まる一方、‘令嬢的横柄’な態度に反感を覚える者もいた。
‘近衛兵’の二人である──
「なぁ “ナカガワ”っ 今日は挨拶すら無視されたぜぇ」
『“ホンダ”ぁ お前が‘ブリーフ’履いてるからじゃないのかよ』
「そんなの関係ないだろ!」
『実はあるんだよ ..多分。そんな怒んなよ俺も“お嬢様”にはすげぇ ムカついてるんだよ』
「おい 声が大きいぞ」
──夜は満ちたりた月と共に更けていく..。
〜六話完〜
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