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◇◇◇ 2003.7.30 村議会での意見陳述◇◇◇ 〜大宜味村住民投票の会〜 大宜味村住民投票の会 代表 前田 勇憲(29歳) 皆さん、おはようございます。 大宜味村字大宜味よりまいりました前田と申します。本日はこの議会という場 で、このような意見を述べさせていただける機会を与えていただきまして、あり がとうございます。関係者の皆様方に一言お礼を申し上げます。 それでは早速、代表者としての意見を述べさせていただきます。 私はこのたび「大宜味村地先における塩屋湾外海公有水面埋立事業の是非を問 う住民投票に関する条例」を制定請求いたしました代表者の一人、前田勇憲と申 します。 私たちは「大宜味住民投票村民の会」を立ち上げ、住民投票条例制定のための 署名収集を行い、466名の署名を集め、条例制定に必要な数55名の8倍に当たる 457名の署名が、村選挙管理委員会から有効と認められました。なぜ私たちがこ の様な活動を起こすに至ったのか。それは村当局の埋立に関する事業の進め方に 不満があったからです。いいえ、不満と言うよりは「不安」と言ったほうが良い でしょう。 そう、私たちは「不安」なのです。 「海を埋め立てる」という事は、対外的なイメージとして大宜味村に「負(マ イナス)のイメージ」を植え付ける事になるでしょう。これは私の主観的な見方 ではなく、現在の時代の流れや、村外から大宜味村に訪れる人々がもつ、または 求める大宜味村のイメージ「豊かな自然・のどかさ・癒し」などを考えれば明白 な事です。 大宜味村民の中には「埋立は村の問題なんだから村外のヤツには関係 ない」という方々もいますが、大宜味村だけで村の発展・活性化は成り得るので しょうか。若年層の定住促進をはじめとした村内の活性化も大切ですが、村外の 方々に数多く足を運んでもらうということも、村の発展・活性化に繋がる重要な 要素の一つだと思います。 最近では西会津の老人会が大宜味村での交流事業を打ち切り、宮古島へと交流を 求めて去っていってしまいました。大宜味村のイメージは、今、マイナスのほう へと変わっていってしまっているのではないでしょうか。 さて、ここまで埋立に対するマイナスのイメージだけを述べてきましたが、私 たち「大宜味住民投票村民の会」は、なにも埋立事業自体に対して反対の意を唱 える為に住民投票条例制定の活動を起こしたのではありません。私たちが問題を 感じているのは、そのマイナスの部分が充分に議論されないまま事業に踏み切ろ うとしている村当局の姿勢に問題を感じているのです。 32.7haという広大な面積の海を埋めるという、大きなマイナスイメージを払拭し 得るような、大きなプラスイメージを現在の計画は本当に持ち合わせているので しょうか。「平地の少ない大宜味村に広大な土地ができる」「新しい役場や中学校、 保育園、村営のグラウンドができる」「商業スペースも確保するから、そこに企業 を誘致すれば新しい雇用の場が生まれる」「住宅スペースもできるので、村外に 出ている村出身者や村外の人々など、多くの人々が大宜味に住めるようになる」 確かに魅力的な話です。 今の役場は駐車場が狭くて不便だし、設備の整った新しい学校ができれば 生徒達も喜ぶでしょう。東村や国頭村は村営グラウンドを持っているのに大宜味 村だけもっていません。それが手に入るというのならこんな素晴らしいことはあ りません。 と、まあ、ここまでは、現在の計画の中で、目に見えて分かる効果と言えるでしょう。 しかし、商業スペース。「どんな企業が来てどんな仕事がどれくらい生まれるの?」 住宅スペース。「団地ができるの?分譲?坪いくら?」その他にも「国際長寿センター って何する所?」「新しい物産センターって道の駅とどう違うの?」「ダチョウ牧場 っておもしろいばぁ?」と計画に対する?(クエスッチョン)は数え上げたらきりが ありません。 埋立やその上に建つ施設の建設について村は財政的には問題なく実現可能だと 言いました。なるほど、ならば計画通りにモノはできるのでしょう。しかしその後、 これらの施設をどう活用して運営していくのか、また、できるのか。その辺の質問に 対する村の答えはうやむやすぎると言わざるをえません。 あれだけの広い範囲の海を埋めて、対外的にも大きなマイナスイメージを大宜味村 が背負って、その上でこの事業を進めたときに、どれだけのプラス効果が得られるのか。 私たちはそこが知りたい。 私たちの、この計画に対する不安を分かりやすく説明するとすれば、やはり 人口増加の件でしょう。平成17年までに人口が700名増える。どうやって? この700名という数値の根拠を求める質問に対しての村の答えは「700名という数字は あくまでの希望的な目標の数値であり、その目標に向かって努力したいです」ということ でした。私たちはムリな努力は求めていません。どう考えても非現実的過ぎま す。しかも、この700名という人口増加を基にこの計画が作られ進められてい る。不安を感じるのも当たり前じゃないですか? その他の施設に関する質問に 対しても同じで、現実的な展望の見える答えが全くありません。 本計画を進める時に、他の埋立地域との比較検証などは行われたのでしょうか。 近い所で言えば本部町などがありますが、そこでの埋立後の人口推移や産業、 雇用の動きなど調査できる事柄はたくさんあります。そしてそこから、大宜味村に 見合った現実的な数値や計画が見えてくるはずです。都市計画を専攻している大学生のほうが、 もっとマシな、根拠のある答えを私たちにしてくれるでしょう。 現在、議会や住民説明会などで出される質問の多くを答えるのは、村の担当職員 ではなく総合事務局から出向している担当者の方だと聞きました。村の担当職員の方々は、 この計画を、本当に、充分な根拠を持ったうえで把握なさっているのでしょうか。 不安です。 さて、繰り返し言うようですが、私たち「大宜味住民投票村民の会」は埋立計 画自体に反対するために起こした会ではありません。一言で言うと、計画に在り 方に問題を感じているといったところでしょう。 今回、条例制定の為の署名活動のなかで、村内全域にわたって、一軒一軒、ムラの 皆さんの家を訪問しました。そしてあらためて実感しました。私たちが一番に問題を 感じていること。それは、村民が充分にこの埋立計画を理解・把握していないということです。 先ほどから私が述べてきた問題も含めて、埋立地に何ができるのか、いつするのか、 埋立地の場所すら分からない人も多くいました。また、自分は埋立推進だから署名 はしないという人や、推進だけど今の進め方には疑問を感じているという人、埋 立は反対だけど周りの目が怖いから署名はできないという人や、家族が土建業だ から署名できないという人、自分は埋立反対だから署名するという人や、自分は 埋立賛成だ、これでハッキリするんだったら署名しようじゃないかという人、埋 立が良いとか悪いとかよく分からないから署名はしないという人。様々な人から 色々な話が聞けました。 そして、こう思いました。まだ議論すべきことは沢山あるなと。このまま、 この計画進めてしまっていいのかな、埋立によって受けるマイナス面やプラス面とか そういう事を、この人たち集めて話してみたいなと。 この署名活動の中で、村のこれまでの住民説明会ではできなかった議論が多くでき ました。そして、あらためて不安を感じました。私たちのメンバーの中には2、3 年前から住民説明会では不十分だから、村職員も一緒に住民同士が議論できる場 を、村主体で設けてほしいと何度もお願いしてきた人たちもいます。しかしそれ は叶えられませんでした。 今、大宜味村民の多くは、この埋立計画の全容を把握できていないまま、 賛成したり反対したり、議論したり、どうしていいか分からなかったりしているのです。 そして計画は進められようとしている。このままでいいのでしょうか。 県からは埋立の許可がおりました。議論の場を持つ時間がないというのなら、 せめてこれだけは、という住民投票なのです。今の大宜味村民が直接出した答えを 残しておく。これは今後の大宜味村にとって有益なことだと思います。 この計画がそのまま進められたとしても、この住民投票をきっかけに多くの村民が この計画を本当の意味で知り、考えていければ大宜味村の未来は開けるでしょう。 百年の大計といわれているこの事業を、村民全体が本当に考えて答えを出せれば、 そしてそれを歴史に残せることができたなら、これほどすばらしいことはありません。 最後になりますが、署名活動を通して感じたことは、大宜味村は、大きな問題 に対しては、住民が意見を言いにくいムラになっているなということです。小さ なムラということもありますが、意見を言うことが怖いことになっているし、ま たそれを潰したり排除したりする雰囲気もある。まるで悪いことをしているよう な。この住民投票やその活動をきっかけに、もっと普通にみんなが意見を言い交 わせるムラがつくれたらと思いました。そして私のような若造が、この活動を通 して、私たちが担うであろうムラの将来の事を、少しでも考えることができたこ とに喜びを感じています。 本日はこのような意見を述べる場をくださって本当にありがとうございまし た。今回の埋立やそれに付随する事業は、大宜味村の明るい未来を創る重要な計 画です。百年の大計、歴史に残る大事業です。それを進める村長をはじめとする 村職員の皆さま、そしてそれを決定された議員の皆さま方の責任は大きく、また その責任の大きさにまけないようなお仕事をなさってくださると信じています。 私たちは、今回の住民投票はこの計画にとって、また村民にとって有意義なもの になると信じています。よろしくお願い申し上げます。 以上、請求代表者としての意見をのべさせていただきました。ありがとうござ いました。 2003年7月30日 「大宜味村地先における塩屋湾外海公有水面埋立事業の是非を問う住民投票に関 する条例」請求代表者 前田勇憲 左にコンテンツの欄が表示されない場合は こちらをクリックしてください。 |