まち歩き調査報告書
まち歩き調査報告書
開催日時:2001年6月30日(土)10:00〜17:00
関東学院大学 坂口春香さんから報告書が届きましたので掲載します。
並木コミュニティ・バスコースA
バスコースAは、並木コミュニティハウスから出発し、長浜一帯を越えて16号線に出ました。能見台駅前から京急バスに乗り、文庫駅前 で下車したのですが、車椅子・高齢者・介助者としてバスを利用してみて、その体験で知ったことや感じたことなどを簡単なレポートにして みました。
乗車時
乗車口は階段式だったので、人が乗ったままの車椅子を持ち上げるのが非常に大変でした。男性2人でも無理で、1人が先に乗ってもらって中から 手伝ってもらい、3人でようやく乗せられることができました。しかし、この時バスの運転手は運転席に座ったままで、手伝うどころか様子を見に来る こともありませんでした。そのことについて聞いたところ、京急バスでは運転手は対応しないマニュアルで、介助者の手が足りない場合は周りの客に 手伝ってもらうことになっているそうなのです。
→京急バスは乗車口が階段式のものがほとんどだと思うのですが、少しずつでもリフト式やノンステップ式のバスを増やしていってもらいたいで す。そして、せめてスロープは常備していて欲しいと思います。それから、運転手が非協力的だったのは非常に残念でした。付き添うがいたの で手伝わなかったのでしょうか・・・それでも障害者や高齢者に対してもっと親身になってもらいたいです。運転手は対応しないというマニュアル が本当ならすぐに変えるべきです!
走行中車内
車椅子のためのスペースがなくて困りました。優先席に座っている人がいなかったので、とりあえずその前に止めました。介助者が後ろで支えてい たので走行中の揺れは平気でしたが、車椅子のブレーキだけでは危険だと思いました。車椅子をしっかり固定する方法を運転手に聞いたところ、 そのためのベルトがあり、近くの手すり柱に縛りつけるということでした。しかし1カ所縛りつけただけでは全く固定になりません。2ヵ所にするにも、 どうするのか疑問でした。
→京急バスは車椅子のためのスペースがないバスがほとんどだと思われます。もし優先席に座っている人がいたら、車椅子を通路の真ん中に止めな ければなりません。そうすれば他の客の乗降者時に非常に迷惑をかけてしまいます。また車椅子スペースを設ければ、固定用の器具の設置もでき るはずです。ベルトで縛るという原始的な方法には驚きました。介助者がいなければ非常に危険だと思いました。いち早く改善してもらいたいです。
降車時
優先席にある降車ボタンは低い位置にあったので車椅子に座ったままでも押すことができました。しかし、高齢者疑似体験者は介助者の言われる がまま乗降車したそうです。バスを利用したときに疑似体験をしていたのは聴覚障害者でした。頼りの視覚もゴーグルをしているため視野が狭く、外 の景色はもちろん車内の停留所表示や降車ボタンも非常にわかりにくかったそうです。
→付き添いがいない障害者がバスを利用する際には、運転手はその人がどこまで行くのかを乗車時に聞いて把握しておくべきだと思いました。そのこ とも含めて、京急バスではバスを利用する障害者に対してどのような対処をすることになっているのでしょうか、マニュアルはあるのでしょうか・・・。 今回は、介助者の数も多かったため厳しい事態はほとんどありませんでしたが、『もし』を想像すると、今すぐに改善してほしいと思う所が自分の予 想より多かったです。
並木コミュニティ・バスコースB
並木コミュニティーハウス→バス停まで
並木2丁目団地では、車いすでは通り抜けできませんでした。
富岡高校前裏では、遊歩道の敷石がひっかかり、車いすが、スムーズに動いてくれませんでした。段差も多かったです。
道のタイルは、デザイン的にはいいが、車いすに乗っているとでこぼこを感じ、また押す方も大変でした。
バス停までの信号では、車いすや高齢者用のスイッチはありませんでした。
乗車バス停とバス
車いすで、バス停で待っているとき、歩行者や自転車が、ひっきりなしに通るので、待っているときも、常にまわりに目をやっていないと、ぶつかってしまうので、大変でした。
バスに車いすマークがついているのに、車いすを誰かに持ち上げてもらわないと、バスに乗ることができませんでした。
バスには、車いすのマークがあっても、車内での車いすの場所、置き方等、明確に示してあるものがありませんでした。
なぜ、車いすマークがついているのか、みんなにわかるように、表示してほしい。
車いすで乗降する場合、4人位の介添えが必要であるため、機械的に自動降下できる装備を多くの車両につけて欲しい。
食事
金沢文庫のすずらん商店街の「市場食堂」では、テーブルとテーブルの間にもスペースがあり、車いすも通りやすかったです。
ただ残念だったのが、トイレに車いすに対する配慮がなかったことです。
金沢文庫地下道
自転車は、降りて通ることになっていますが、乗ったままの人が多く、すれ違う時など、不安を感じました。
自転車に乗ったまま、スピードを出している人が多く、車いすの人は邪魔者のようでした。
地下道のスロープは、上りも下りも車いすを押すのが大変だった。特に下りは、乗っている人が怖くないか、気になりました。
買い物(金沢文庫 ユニー)
車いす対応のトイレがなく、普通の洋式トイレにも入る事ができませんでした。
タバコの自動販売機の、最上段のボタンに手が届かない人でも、その商品が買えるように、ちょうど車いすに乗った人が使いやすい位置にも全部の商品ボタンがあり、おつり・商品受け取り口にも配慮がありました。このような自販機が増えると良いと思いました。
道路・その他
車いすに乗ると目線が低くなるので、通路や横断歩道で車やトラックが、たくさん通ると、普段では特に何も感じなかったのに、少し怖く感じました。
車いすに乗っていると、歩行者に見られ、1度車いすに気がついて、もう1度振り返ってまた見られることが多くありました。
平らな道で歩行者がいなくても、車いすを1人でこぐことは大変で、なかなかまっすぐに進まず、少し乗っただけで腕が疲れてしまいました。少しの段差でも、昇降は大変でした。
シーサイドラインコース
並木地域ケアプラザ→@シーサイドライン鳥浜駅→海の公園南口→A住宅街・大通りを散策→B昼食→Cスーパーで買い物→いきいきセンター
@
A
車椅子の会員は緊張しているようにみえます。
B
C
D
@鳥浜駅で切符を買う
Aエスカレータを上る
Bシーサイドラインの中
C高齢者疑似体験のスタイル
D車椅子体験
@鳥浜駅から、シーサイドラインに乗り海の公園南口へ
駅では、駅員3名により車椅子でのエスカレーター利用の介助がされた。
電車の乗り降りの際にも駅員による介助があった。
駅員は車内にも同乗していた。
<車椅子>
駅にて
車椅子に乗ったままでは、切符を買うのにも券売機に手が届きにくい。
エスカレーターで上昇する際、ブレーキはかけないほうが良い。片方のみブレーキをかけていたが、エスカレーターを降りる際にブレーキをかけていない方の車輪だけが動いてしまい、不安定な状態になるため。
駅員の介助があったにも関わらず、エスカレーターの上り下りに手間取り、乗っている者は不安を感じる。→駅員の知識・経験不足?
エスカレーター下りの際、後ろ向きの上に傾斜がきついため、介助者がいても不安を感じる。
車内
車内から外を見ると、ちょうど目線の位置にドアの広告のシールがあり、外えにくい。
車椅子の方向転換をするスペースは確保可能。
<高齢者疑似体験>
駅にて
切符を買う際、小銭を取り出すのに苦労する。持っているお金が何円玉なのかわからない。
ボタン表示の料金表示が見えづらく、間近まで顔を近づけないと見えない。
エスカレーターは、上りより下りのほうが恐怖を感じる。
乗り降りの際、ドアとドアの隙間がわかりづらい。
車内
景色がぼやけて見え、音も聞き取りにくいため、どこの駅なのかわからない。
車内の広告・案内はほとんど見えない。
A住宅街・大通りを歩く
海の公園南口駅から、町屋町、泥亀を歩いていきいきセンターへ向かう。途中そば屋、デニーズに分かれ昼食。→B 買い物→C
<車椅子>
歩いていると気にならない段差や傾斜も、車椅子の場合かなり振動を感じる。視覚障害者のための点字ブロックも、車椅子にとっては障害となる。
歩道の駐車・駐輪が非常に危険であり、妨げとなる。
歩道の方が安全であるため歩道を走行しようとしても、放置自転車や道にはみ出して並べてある商店の品物が妨げとなり、走行できない。→スーパーグレード金沢文庫店
水はけをよくするために、道路の中央が高く、両端が低くなっているが、車椅子はその傾斜に流され端によってしまう。まっすぐに進むのは難しい。
蓋が網状になっている排水溝は、溝に車輪がはまりそうになる。
金沢区役所の前の交差点はスロープになっていて、歩道の上に乗りやすい。
区役所の前の歩道は、振動が大きい。
横浜銀行入り口の傾斜と、続く段差がきつい。
<高齢者疑似体験>
段差がどれくらいあるか判別がつかないため、階段などの上り下りは恐怖を感じる。
視覚障害者誘導ブロックは、凸凹がつまずきそうになる。
景色、土地感がつかめない。
相当近くで発せられた音しか聞き取れないため、後ろからきた車などに反応するのがとても遅くなる。車の音であると認識できる時には、 すでに車が自分の真横に来ていたりするので、その恐怖も大きい。
B昼食
そば屋
車椅子に乗って入ったにも関わらず、「お座敷にどうぞ」と言われた。テーブル席を申し出た。
入り口の足マットが車椅子の車輪に引っかかる。
デニーズ
入り口はスロープになっている。
トイレが、内開きのドアであるので車椅子で入ることはできるが出る時に苦労する。
高齢者疑似体験のゴーグルを通して見ると、メニューが見づらいためおいしそうに見えず、食べたいものが見つからない。
いすとテーブルの間がせまいため座りにくい。
Cスーパーで買い物をする
Aコープユニオンセンターで買い物
<車椅子>
通路が狭い上、商品が通路にまで積まれているので車椅子が何度も引っかかる。
人が多いと通りにくく、気が引ける。
商品棚は非常に高く、上の段の商品には全く手が届かない。
<高齢者擬似体験>
どこに何が置いてあるのかわからず探すのが大変。
値段も見えにくい。
商品にぶつかってしまう。
このス―パーでは、車椅子など、障害者用の対応は考えていないとのこと。
ガイドを置いていて入り口で声をかければ対応するとのことだったが、それを知らなければ利用のしようがないので、きちんと形で表示するべき。
富岡コース
@
A
B
C
D
@歩道橋を降りる
Aバスの車内
Bバスから降りる
Cすずらん通り商店街
D買い物
前のページのバスの乗降を比較してみましょう。
「・」は要点。「・→」は考察。です。
◎車いすでの移動
ちょっとした段差、点字ブロック、道路の素材(ブロック、タイル、アスファルト)など振動が気になる。
店の棚の上や、一番上の奥など、見づらい。
富岡のせせらぎ通り?(歩行者専用の道)は、レンガのようなもので作られた道であり、車いすでは振動がすごい。
まわりの視線が気になる。
車いす用のトイレは「あるだけで、それでOK」と思いがちであるが、実際車いすで使用しようとすると使いづらかったりする。
→健常者にとっては、見て、感じて楽しめる道であっても、障害者にとっては危険なものになってしまう。
→トイレに障害者対応のマークをつけるのであれば、そのトイレを実際に障害者に使ってもらい、本当に「障害者対応のトイレ」として役に立つものかどうかを確認することが必要ではないだろうか。
◎電車(京浜急行)
駅員が、乗降とエスカレーター使用の際、手伝ってくれた。能見台駅は電車とホームの間が車いすの場合、ひとりで降りるのは危険なくらい空いている。
→たとえ、駅が使いづらい作りだったとしても、駅員が気軽に話し掛けられるような存在であり、親身になって手をかしてくれるようであれば、駅改造は早急に急がねばならないことではないように思える。このとき、一般客も手を貸してくれた。
◎バス(市営バス)
車いすの人が乗るとわかると、運転手はバス停ぎりぎりに寄せてバスを止めなおした。ノンステップバスであり、後ろのドアのステップからスロープが出てくる仕組みであった。運転手はとても親身になってスロープを出し、座席を倒して車いすが乗るスペースを作り、車輪止めをしてくれた。しかし、運転手は不慣れなようで、その操作にかなり時間がかかり、そのバス停で5分ほど停車することになった。よく他の乗客からクレームが出なかったと思うくらい、運転手は車いすの乗客にだけ気をとられてしまっているようだった。
→バスの運転手の対応は、こちら側から見れば、親切で気持ちの良い対応であった。しかし、スロープを出すのに時間と手間がかかること、そのため運行ダイヤが遅れ、他の乗客に迷惑がかかることから、障害者は外出をしなくなってしまう。 それではバリアフリー化しても意味がない。この悪循環の解決が今後の問題点だと思う。
◎食事(イトーヨーカドー能見台店内 ファミール)
段差がない。通路も広く、エレベーターも大きめ。障害者対応のトイレもあり。
→イトーヨーカドーは、ハンディキャップを持つ方々に優しい店作りを行っている。きっとイトーヨーカドーには、障害者に対して徹底した考え方があるのだろうから、その方針を聞いてみるのも健常者側の理解が深まると思う。
◎買い物(金沢文庫すずらん通り内 100円ショップ、コンビニエンスストア)
自動ドアでないぶん、店員がドアの開け閉めをしてくれるなど、親切さも感じた。
高いところの奥などは、健常者でもある程度の身長がある人でなければ見えないし手が届かない。
→施設に不便なところがあっても、人が自然に手を貸してくれるならそのバリアは高いものではない。
◎高齢者疑似体験、視覚障害者(アイマスク)体験
目が見えづらいため、エスカレーターの乗り降りのタイミングが難しい。
方向感覚がわからない。どんな道を歩いているのかわからず、回りの状況の把握ができないため、路上駐車などに気付かない。
タイルがカラフルに色分けされていたりする道がある。それはかえって「何か違うものがあるのか?」と不安になった。
→段差のところで色を変えるなどすると、きっと気付きやすい。
→目が見えづらいと、ものの確認に時間がかかる。高齢者の動きがにぶいのはそのせいもあると考えられる。介助者がいるのといないのとではスピードも変わるが、不安の度合いも変わってくる。
◎全体として。
やはり、車いすで外出しようと思った場合、バスを例にあげれば「バスは利用しづらい→利用しない→運転手はスロープの出し入れに慣れないし健常者の乗客はスロープの存在を知らず、手を貸すことができない→障害者はバスに乗らない」という悪循環が、このコースでは特に問題としたい。悪循環解消が今後の課題であると私達は考える。
レポート形式がコースによって若干異なることをお許し下さい。
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