介護保険の現場から
第4回”るぶぶ”人づくりまちづくりセミナーは「在宅介護」をメインのテーマに、富岡並木地区センターと共催で行われました。
いっしょに暮らそう、ともに分かち合いながら!

日時:平成13年9月22日(土)13:00〜16:30
場所:富岡並木地区センター 中小会議室
内容:
  1. S家の在宅介護体験談 講師:澤銀次さん
  2. 介護保険の現場から 講師:青柳健一さん
  3. コーディネーター 米山圭子さん(るぶぶ会員)

1.S家の在宅介護体験談

我が家に授かった使命の完成レポート

1990年12月23日夕刻、神戸市五宮町から始まった私たちのミッションは、2000年12月31日午後11時50分、横浜市金沢区並木で終了しました。
10年と9日間の共同生活でした。
重大な使命は、アルツハイマー性痴呆症の克服と母の文化の二世代継承でした。

以上が、講師澤さん(写真)のメッセージです。

講義内容

澤さんは会場から自分に聞きたい事を参加全員に聞きました。まとめると次のような意見です。
  • 在宅介護にこだわった理由
  • 家族の役割分担特に妻の役割
  • 在宅介護で乗り切った方法とサービスの利用方法
  • 10年間で困った時期
  • 家族はどこまで優しくできるのか、在宅介護の限界は
  • 仕事と介護のバランスはどうやって取るのか
  • 子供を含めた家族のコミュニケーションのあり方
  • 発病した理由
  • 一人暮らしの問題点
  • 並木地区の人達の関わり方

その他ありますが、澤さんに関する主な質問は以上でした。

<澤さんのお話>
最初に、地元のボランティアグループ1.グループ「ユーカリ」代表田村みゆき2.季楽来 代表里圭子と、並木地域ケアプラザに対して感謝の挨拶がありました。
澤さんは3人兄弟の一番下で、音楽の教師をしていた父親が亡くなったとき、母が50歳自分は20歳で大学生の時でした。この時後は自己責任で自由に生きなさい、援助はしないと言われ、アルバイトで生活し、修士まで行きました。 父の死をきっかけに母と同志関係になり、自分は自立して行きました。母は誇り高い人で、一人娘でやりたいことをやって育ったようです。男女平等の考えを持っていましたが、当時は教師ぐらいしか平等の職業はなかったので徳島高等師範を卒業して教師になりました。 子供に対しては子供の比較をしても意味がない、と一切しなかった。
澤さんは大学を10年かけて卒業し、就職し3年間で世界53か国まわり、その後フランスのコサルタント会社に就職しました。この時マーケティングの重要さを知り、マーケティングの勉強のため再度修士入学をしました。 マーケティングとは売り手と買い手の情報格差を埋める活動ということで、この経験が母の介護に役にたちました。母の人生観、価値判断を知ることで母の求めることを知ることが出来ました。 卒業後日本で最初のマーケティング会社に入社しましたが、その3年目に母親がおかしいとの連絡があり、神戸に迎えに行きました。その時、母は白内障の手術をした後、風呂へ入ってはいけないといわれ、2年間も風呂へ入っていないひどい様子だったようです。 母は神戸から離れることを嫌がりましたが、横浜の子供の指導をして欲しい、旅行に行こうと説得し横浜に連れて来ました。
母を引き取って3年目、会社を辞めました。この会社はアルツハイマーのマニュアルもあり、出勤時間も自由にさせてくれる理解のある会社でしたが、心情的に辞めざるを得なかった。
引き取ってからの母の介護が始まったわけですが、夜中に起きて電気を何度もつけたり、奥さんを他人だと思い、時間だからお帰りといったりしました。そこで母の部屋を居間に移し、澤さんと暮らすことになりました。3年目に徘徊と失禁が始まりました。 アニマルセラピーということで、文鳥を飼っても役に立たず犬を飼いました。また、テレビを見ることで刺激を受けさせました。 このつらい環境の中で、「北方謙三」の本を読むことが救いになりました。気分はハードボイルドで母の喜ぶことは何でもやろうと決意し、富士山を見たい、というので今まで必要のなかった車の免許を取り、次には海から見たいというので小型船舶4級の資格を取り、駿河湾から富士山をみせました。 (ちなみに北方謙三さんブラディ・ドールのシリーズに駿河湾を舞台にしたクルーザーの戦いの場面が良く出てきます。)
気持ちを切り替えるキーワードは「母の父になる」ことでした。そう考えると、母が凄く愛しくなりました。手を動かすことがよいというので雑巾を縫わせましたが、最後は怒り出しました。そこで、メモをつけるようにしましたが、いろいろ書いていました。(現物を見せてもらいましたが、そこいら中に銀次さんの名前が書いてありました。本当に信頼していたのですね。)。ある時式を挙げようと、言いだしました。澤さんを夫と間違えているのですが、彼女には澤さんは結婚前の恋人に思えたのでしょう。
発病の原因は遺伝子、なのか生活習慣なのかまだ解明されていませんが、発病のきっかけははっきりしています。プライドの高い母が長男に同居を求めたら断られたことで、母が落胆したことが引き金です。孤独になる恐怖を救ってあげれば病気は治るはずです。それはスキンシップです。澤さんは犬のように母親を撫で回しました。捨てられる、放って置かれるという脅迫観念を取り除ければ病気は治るのです。スキンシップにより母の病気は完璧に治りました。旅先から兄弟に良く手紙を書かせました。一度も顔を見せない兄弟への嫌みになったでしょう。
医者にも行き、医師と看護婦とも何度も喧嘩をしました。病院のマニュアルでは治らない、任せられないので在宅介護になったのです。もちろん病気で危篤状態になった時は病院に連れていきました。アルツハイマーは野生動物には無い病気です。人間特有の「心因性生活病」なので、精神の悩みは精神で治すしかないのです。日本人は「道」といって形から入っていきます。恥をおそれる文化で、感情を表に出すことが必要です。
一人で生きて行くことは難しいのです。それは細胞が証明しています。細胞の発する信号の受け手があると、相手からも信号があり、活性化しますが、応答が無いと細胞を死にます。生物学の真実ですから一人で生きて行くことは難しいと思います。双方向の会話が重要です。
最後の三年間で骨折を3回しました。大腿骨に大きなビスを打ちテニスが出来るようにしました。骨は退化しますので散歩することが必要です。とにかくいろんな事をいいまくり、真剣に会話することが重要です。
10年間暮らして来ると人生が見えて来ます。全て欲しいものは自分の中にある、解決の糸口は自分の中にあるのです。自然科学や人間科学をトータルに理解することが自分の仕事だと考えます。科学の境界線を取ることで見えないものが見えてきます。本質に帰ること、基本に帰ることで、常識が邪魔になります。10年で違う人間になりました。自分のモットーは「勉強は死ぬまでやれ」です。修士を二つ出て親を越えることができたかな、と思っています。
自分が設計図を書いて、実行する奥さんの役割が重くなります。自分は借りだと思っていますので、誕生日や母の日など年5回ぐらい奥さんにプレゼントを示します。母を支える同志としてせい一杯の愛情を示します。子供達にも母の介護の分担をさせます。
優しさには限界があります。それを相手に伝えることが重要です。サポートの人達は毎日一回人が来てくれます。そのお陰でいろいろな技術が向上した、と奥さんは喜んでいるようです。
最後に記憶を良くする食事は、納豆、卵、低温殺菌の牛乳です。

2.介護保険の現場から
(有)孫の手 青柳健一さん(写真左)介護福祉士。6月にケアマネジャーとして独立。現在70名のケアプランを作成しています。

米山圭子さん(写真右)澤さん宅の最後のホームヘルパーで、今回のコーディネーターです。
青柳さんには来年から変わる介護保険の変更点について説明を受けました。ここで部分的に列挙しても意味がないと思いますので、横浜市の発行する「あなたと介護保険 平成13年度版」をご覧下さい。
大きく変わるのは「訪問・通所サービス」と「短期入所サービス」が別れていたのが、居宅サービスに一本化されることです。
この後、介護保険についての質疑応答がありました。
○普段ショートステイを利用していないと、必要な時施設が受け入れて呉れない心配。
□緊急の場合ケアマネジャーが空いている場所を探す。しかし、普段利用していた方が施設としては受け入れ易い。
○妻の場合、どうしても遠距離介護になりやすい。その場合誰に相談すればよいのか。
□(これらの質問に対して、横浜市並木地域ケアプラザの逸見さんからの説明)
在宅介護支援センターでは、区役所と連携して次のような相談をお受けしています。
  • 介護保険サービス利用までの相談
  • 行政サービスに関する相談(「自立」と認定されたが、ヘルパーが必要、紙おむつをたくさん使用している、体が弱って床屋に行かれない、体が弱くて外出ができない、等)
  • 施設・病院入所の相談(施設の資料等あります)
  • その他お困りなこと

連絡先
  • 澤さん 自宅:045−785−4356 会社:03−3436−4745
  • 青柳さん 045−786−0688
  • 横浜市並木地域ケアプラザ 045−775−1357(担当:佐々木・竹内)

第5回るぶぶ講座のお知らせ

「男も料理」連続講座1
生活習慣病を予防する!!
食生活のポイントを学ぼう

  • 日時:平成13年10月6日(土) 午前10時〜午後3時
  • 場所:横浜市立富岡東中学校 家庭科室
  • テーマ:生活習慣病予防と食生活 「高脂血症について」
  • 講師:金沢区保健所 丸山栄養士
    ヘルスメイト並木の皆さん
  • 材料費:500円
  • その他:タオル・ふきん・エプロン等をご持参下さい
  • 申し込み先:生涯学習「るぶぶ」総務担当 米山まで
    TEL・FAX045−785−3650
  • 締切日:9月30日(日)


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