『廃墟にうごめいているものとは・・・(2)』



  反応が無いのを直感した僕は、車までSを運んだ。

  ただ事ではない事を察した他の連中も車まで戻ってきた。

  「どうした?」「何があったの?」「大丈夫か?」。。。



  僕は「意識がねーんだよ!」としか言いようが無かった。

  それから短い間ではあったが

  みんなで、ゆすったり、顔をひっぱたいたりしたが意識は戻らなかった。

  なす術はなかった。

  「だめだ。ひとまずここから抜けよう」誰かが提案し、みんな同調した。



  逃げるように廃墟の前から抜け出し、しばらく道を走り

  国道沿いのコンビニエンススストアで休憩を取った。

  僕がジュースを買っているとき、Sは意識を戻したらしい。

  僕が車に戻ったときには、ぼーっと半目を開けているSに

  みんなが声をかけて、ほっとしている様子だった。

  僕も声をかけた。

  ごぼ〜「だいじょうぶかぁ?」

  S「あんた、なぐったっしょ。。。」

  ごぼ〜「あ。。。はい(^^;)」

  S「A!あんたもなぐったっしょ!」

  A「仕方ねっしょや!反応しねーんだもん。しかし、ど〜したのさ?」

  Sは我に戻り、そこで見たことを語り始めた。





  「車降りたときから、嫌な感じしてさぁ。。。みんなも感じてたっしょ。」

  「ぱっと見たら建物の窓という窓から視線感じたのさ。」

  「ちょっとやばいなぁ〜。ほんとに居るよと思ったんだけど。。。」

  「で。カステラ一番歌いながら行ったっしょ?」

  「したら、うるせぇなどこのどいつだ!みたいな顔して建物から何人か出てきて。。。」

  「1人はごぼ〜の横に引っ付いたんさ。して、もう1人は。。。」

  「Aの前を後ずさりしながら、顔を覗き込んでたのさ」

  「もう一人は、私らの上を鋭く動いててさ。。。」

  「うわぁ。やっばいなと思ったんだけど。。。」

  「で。建物の玄関のところに来たら。。。」

  「『来るな』って声とか『おいで』っていう声とか。。。」

  「色んな声が急に頭の中で響いて。。。すごい驚いた。」

  「ずっとうつむいてたんだけど、ちょっと目を開けて前見たら。。。」

  「階段上ってるTの横で血しぶきが上がって。。。」

  「『嫌だ』と思った瞬間、霊が一気に私に寄ってきて。。。」

  「ごぼ〜の横に引っ付いてた霊が。。。」

  「『お前は何なんだ!!!!』とか言って顔に引っ付いて来て。。。」

  「その後に、力が抜けて。。。」

  「でも、みんなの声聞こえたし、殴られるのも感じた。」

  「あそこはすごいわ。。。」





  ぼくは、今でもこの時の出来事ははっきりと覚えている。

  そして一緒に行った彼らもこのことは覚えている。
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