グンバイトンボ Platycnemis foliacea sasakii Asahina

広島県広島市安佐南区せせらぎ公園 2000年7月1日
| 成虫の時期 | 5〜9月 |
| 生息地 | 丘陵地のゆるやかな流れ |
| 分布 | 本州(関東以西),四国,九州 |
| 広島県の分布 | 全域で見られるが,生息地は局地的 |
| 大きさ | 38〜41o |
| 特徴 | 中・後ろ足が白く,雄は軍配状に広がる 雌はモノサシトンボに大変よく似ている |
| 越冬形態 | 幼虫 |
| 産卵形態 | 雄と雌が連結して,水面付近の植物の組織内に 産卵する 単独で産卵する場合もある |
イトトンボの仲間では最も人気の高い種のひとつで,雄の中脚と後脚の脛節が広がっていて白く目立ち,この形が軍配状であることから,本種の和名がつけられている。雌はモノサシトンボとよく似ているため同定に困ることがあるが,本種が生息するところではまとまった数が見られ,その中には必ず雄もいるので,雄を探してみるというのもひとつの手なのかもしれない。
きれいな緩やかに流れる清流に生息するといわれるが,たとえば本種の多産地として知られる広島市安佐南区のせせらぎ河川公園でも,とても清流とはいえない。すでに生息地は潰れてしまったが,呉市仁方宮上町では,細流が流れ込む小さな溜め池に本種が生息していた。ここは近隣にも本種が好むような河川は全くなく,本来の生息地から一時的に移動してきたわけでもない。そうしてみると,本種は河川にしか生息しないという常識も,あながち正しいとはいえないのではないか。広島県では沿岸部や中国山地では生息地が少なく,主に中央部を流れる河川に生息するようである。また,せせらぎ河川公園でも,ここ数年個体数が著しく減少しており,今後も個体数の推移に注視しなければならない。いずれにしても,広島県で本種の生息地を確認したら,報告する価値はある。