ムスジイトトンボ Cercion sexlineatum (Selys)

雄 雌
広島県豊田郡安浦町日ノ浦 2000年9月2日
| 成虫の時期 | 5〜10月 |
| 生息地 | 水生植物が多い平地の池や沼,ゆるやかな流れ |
| 分布 | 本州,四国,九州,南西諸島 |
| 広島県の分布 | 沿岸部を中心に分布 |
| 大きさ | 27〜33o |
| 特徴 | 雄の第10節にはX字状の黒色斑がある |
| 越冬形態 | 幼虫 |
| 産卵形態 | 雄と雌が連結して,水面付近の植物の組織内に 産卵する |
沿岸部や島嶼部を中心に生息する種で,海岸付近でクロイトトンボ以外のCercion属を見つけた場合,本種ではないかと仮定して観察することが多い。Cercion属4種の中では,頭部後部の青斑が非常に小さく細いスジ状であり,つながっていないこと,肩縫線の黒条内に淡色部があることなどで同定する。
広島県における本種の分布はほぼ沿岸部に限られ,神石郡三和町高蓋が内陸部の唯一の記録である。豊田郡安浦町や安芸郡宮島町では汽水域に生息するなど,本種は塩分に対する耐性が他の種よりも強く,そうした水環境に好んで生息しているようだ。いずれにしても本種の生息地は極めて限られているため,今後も分布の追加報告が望まれる。
なお,本種を観察しているとき,同時にアオモンイトトンボを見ることが多い。両種とも,基本的には同じような環境を好むのであろう。豊田郡安浦町日ノ浦では,非常に限られた範囲ではあるが,夏期に多数の個体を観察することができる。