朝日新聞切り抜き No.3

介護保険報酬改定    国家資格巡り対立(心理士) 
障害者の「支援費制度」    0歳保育、無料化
不況風、障害者に冷たく    文系・理系に中学校色分け
国の「保育ママ」予算 なぜ余る?    保育サービス提供の市区町村(独自施策)
訪問介護報酬2.3%上げ    受け入れ児増に独自施設
訪問介護質が課    生保予定利率 3%程度へ小売商品値下げ
非婚時代 結婚しない40代男    DV防止法1年
30代危うい「心の健康」    年金改革スウェーデンに学ぶ
減る小児科−増える急患    病院が付き添い要求
年金変わる(年金改革のゆくえ)    里親サポートもっと
まだまだ足りぬ保育園    特定扶養控除は存続



      国家資格化巡り対立   03/1/23 20

              カウンセリング行う心理士  厚労省推進、反対も根強く

 心の病気を抱える人に、病院などでカウンセリングを行う心理士(カウンセラー)を国家資格にすることを巡り、対立が起きている。賛成派は、医療分野でより質が高い患者へのサービスが可能になるとしています。一方、反対派は「医師に準じたものを作っても、患者の利益にならない」と医療分野に限り資格を付与するという厚労省の考え方は誤りと主張しています。双方の言い分を聞いてみました。(佐藤陽、中村謙)

     「医療分野に限定」と提案 一定の資質確保を狙う 研究班

 心理士は全国に2万人いるといわれる。精神科などの医療現場で医師と協力しながら患者の治療にあたるだけではなく、家庭裁判所や保護観察所、児童相談所などで、犯罪を犯したり、親から虐待されたりした子どもたちをケアしている。教育現場にもスクールカウンセラーガ配置されている。うつ病など、社員の心の問題を早期に発見、解決するために社内にカウンセラーを置く企業も増えている。独自にクリニックを開いている人も多い。

 今回の国家資格化のきっかけは、厚労省から委託された研究班が02年7月に出した報告だ。報告は心理氏の業務には医療行為が含まれているとし、病院など医療機関でカウンセリングを行う心理氏の資格として国家資格を付与することを提案した。また、業務は医師の指示で行うとした。

 現状では、心理氏が医療機関でカウンセリングをしても、医師や看護師といった国家資格ではないため公的医療保険から診療報酬が支払われず、原則として患者側の全額自己負担となる。

 神奈川県の主婦は、B〜4年前、大量に食べては吐くことを黒返す過食症(摂食障害)の長女を毎週1回程度、医療機関ではない民間のカウンセリング機関に通わせた。料金は1回50分で1万2千円。母親自身の通院も含め、月6回になることもあった。
 「娘は過去の心の傷やストレスで摂食障害になりました。何回もカウンセリングを受け、少しづつ心の中を外に出すことが大切なんです。当時、病院で保険が効けば、そこに通わせました」という。
 実際には医師がカウンセリングをしたことにして保険を適用させるケースが多い。ただ、医療機関の心理士等で作る「全国保健・医療・福祉心理職能協会」(全心協、約300人)の宮脇会長は「医療機関の心理士の行為には保険点数がつかないので採算性が悪く、非常勤が多い。地位を安定させることが、患者さんへのサービス向上にもつながる」と、報告に沿った早期の閣下資格化を主張する。

 報告は又、医療分野の心理士の資質を向上させるため、現在心理士に求められる以上の医療に関する知識を国家資格の基準にすべきだとしている。宮脇会長は「現状は、医療現場で4〜5千人の心理氏が民間資格か全くの資格なしで働いており、質もばらばらだ。国家資格を作れば、一定の資格を確保できる」と言う。

 現場の医師の間には報告を指示する声が強い。大野境内教授は「患者さんは病気を治してもらうことを期待している。医療のカリキュラムを充実させ、『治療的な面接』ができる心理氏を育てるべきだ」と話す。


      「横断的な内容に」と署名

              「医師の指示」に抵抗も    心理士団体

 だが、最大の日本臨床心理士会(約7800人)は報告のないように反対している。同会は、医療分野に限定せず、他の分野も含めた「横断的」な資格にすべきだと主張、約5万3千人の署名を集め、厚労省に提出した。
 
 同会の平野学事務局長は、報告が「臨床心理職の仕事が多岐にわたるので、一律な資格とすることが不可能に近い」としていることに反論する。「医師という資格を取って、内科医や外科医になるのと同じだ。臨床心理士という一つの資格で多岐の分野に対応してきた実績がある。」

 国家資格の基準にこれまで以上の医療の知識を要求することについても、問題だと言う。河合隼雄会長(文化庁長官)は「養成カリキュラムに医療形の科目がさらに増えれば、医師に準ずるものを作るだけ。医学のアプローチと心理学のアプローチは根本的に異なる。患者が望んでいるのは心理の専門家だ」。国家資格をとっても教育など他の分野で適切な仕事ができず、結局、臨床心理士の資格の取るという二度手間になる恐れがあると言う。

 問題をさらに複雑にしているのが、医師の指示をめぐる見解の相違だ。
 報告を指示する日本医師会の西島理事は「患者さんの命を預かる医師は、チーム医療のコンダクターといえる」とし、心理士は国家資格をとっても医師の指示に従うべきだと言う。医師法によって医療行為が医師の専管事項である以上、心理士は看護師と同様に、医師の指示で診療の補助を行う存在、という考え方だ。国立生育医療センターの松尾総長も「子どもの場合、心と体は分けて考えられない。医師が関与せず、心理士だけに対応させるのは危険」と言う。

 これに対し、日本臨床心理士会の乾統括副会長(専大教授)は「判例では医療行為は、医師がするのでなければ、人体に危害を及ぼすか、その恐れがある行為とされている。投薬などをしないカウンセリングが、それにあたるとは思えない」という。
 さらび、心理氏が医療行為をしたとして医師法違反で摘発されたことはなく、現実には医療行為とみなされていないと主張する。「治療には医師との協力が不可欠だが、指示は不要です」。心理職の専門性が確立している米国では、多くの州で、医師の支持なしに仕事をしているという。

 与党、民主党、厚労省は、20日から始まった通常国会で国家資格化の法案成立を目指している。ある与党議員は「何とか着地点を見つけ、国家資格化を実現させたい」と話す。しかし全心協と医師の大半が医療分野に限定した国家資格化に賛成し、日本臨床心理士会などが反対している状況は続いており、今のところ法案提出のめどは立っていない。


 心理士の資格:50年代以来、カウンセリングの関係者は、国に心理士の国家資格化を要請してきたが、実現しなかった。このため河合会長らが中心となって、88年に日本臨床心理士認定協会を設立。認定試験を実施し、民間の資格として「臨床心理士」の付与を始めた。受験資格は大学院収支修了者で、現在、資格保有者は約1万1千人。他に、日本心理学会が認定する「認定心理士」は約7300人いる。4年制大学で所定の心理学の科目を修めることが条件。この二つの資格を含め、心理士の資格は全部で約0あるとされる。



         介護保険 報酬改定4月から実施へ 03/1/22 19

      「在宅」「自立」後押し

 介護保険サービスの公定料金にあたる介護報酬の改定案が発表されました。23日にも正式に決まる見通しで、4月からのサービス単価が新しくなります。しせついぞんから、「在宅サービス重視」「自立支援」という流れを後押しするものです。利用者の負担やサービスはどう変わるのでしょう。介護現場の反応と改定のポイントをまとめました。
 (相関真樹子、吉田晋)

     

     

 ・在宅中心87歳女性の場合−限度額超え自己負担増

 ・事業者−施設側の収入が減るため、要介護1と2の人については、入所を断るケースも。



        0歳保育、無料化 03/1/25 30

             秋田県、第一子のみ補助  新年度から

−概略−

 ・少子化に悩む秋田県の施策
 ・保育所に預ける際の保育料を圏と市町村で全額負担する
 ・公立・私立・無認可保育所いずれも対象で、家計所得での制限はない

 ・厚労省保育課「財政負担が大きくなるだろうが、実施するなら画期的な制度になる」


       障害者の「支援費制度」  03/1/15  37

          ホームヘルプで上限 厚労省方針
−概略−

 ・ホームヘルプサービスの利用時間に実質的な上限を設ける方針を明らかにした
 ・厚労省の説明「個々人のサービス支給に上限を定めるものではなく、あくまで補助金を公平に配分するための基準」

 ・障害者団体「事実上の上限と変わらず、地域で暮らす重度障害者は皆生きていけず、親元か施設に戻らなければならなくなる」

 ・支援費のヘルパー利用のため03年度の予算案は約280億円(前年度比実質14.5%)
 ・単価を介護保険並みに引き上げたため、補助金がパンクする恐れ

 ・基準案−身体障害者は月120〜150時間
        知的障害者は月50時間

 ・国のホームヘルプ事業の補助は2分の1(都道府県と市町村が4分の1)
 ・もし基準が決定すれば、限度時間(あるいは金額)を越えた利用時間分の補助金は出ず自治体の単独予算で取り組む他にない。
 


          文系・理系に中学校色分け 埼玉志木市 03/1/14 1

            4校「学部」 芸術・体育も検討
            学区自由化「人気の偏り防止」

−まとめ−

 ・独自のカリキュラムを設ける
 ・抽選
 ・志木市は人口約6万7千人、中学校は4校、昨春から小学1,2年を対象に「25人学級」を始めている
 ・04年度開始予定


         特養入所、必要順に 03/1/13 

              武蔵野市指針 4項目点数化し優先度


       受け入れ児増に独自施策  03/1/17 23

 国の掛け声で始まった保育所の「待機児童ゼロ作戦」だが、保育が必要な子どものために、保育サービスを提供する責任を負うのは市区町村だ。多くの待機児童を抱える自治体では独自の施策をはじめ、各地で受け入れ児童数を増やすのに必死だ。

        保育サービス提供の市区町村 

            空き室の活用で分園 大阪 (ビルやマンションの空き室は公立保育園新設より安価)
           独自基準の認可保育所に活路 東京
(認可園に比べ、補助金が少ない)


       不況風、障害者に冷たく  03/1/21 21

 長引く不況で、働く障害者たちが寒風にさらされています。昨年度の解雇者は4千人を超え、有効求職者数は14万人を超えました。いずれも過去最多です。経済状況の悪化と会社の効率主義が進む中、職場に障害者の居場所はないのでしょうか。働きたいと願いながら、ままならない障害者の雇用の現状をみました。(石井暖子)

              年間解雇4千人突破

            40歳男性、緑内障fで視力低下−会社から「必要ない」
 −略−

     仕事求め、応募100社  意欲あっても敬遠
−略−

     過去最悪のペース  国も雇用対策強化

 01年度に解雇された障害者は4017人で、00年度から6割も増加。02年度も過去最多を記録する勢いだ。01年度の有効求職者数は14万3777人で、00年度から9%増えた。また法定雇用率(1.8%)を未達成の企業は、昨年6月時点で57.5%にのぼり、調査開始以来、最悪だった。
 
 厚労省は「不況が障害者雇用にも影響を与えている。特に製造業の不振が大きい」と分析する。
 融資の弁護士でつくる「働く障害者の弁護団」には、全国の障害者から労働条件や解雇についての相談が寄せられる。00年度に結成され、1年目は47件、2年目は134件を受け付けた。
 「きづいたら仕事と机がなくなっていた」「研修を受けさせてもらえない」。代表の清水弁護士は「不況と効率主義のもと、健常者もギリギリの状態で働いているので、障害者に配慮する余裕がない。しかし、健常者と同じようにできない部分は、会社がサポートすることが必要だ」。

 視覚障害者らが立ち上げた「中途視覚障害者の服飾を考える会」にも100件を超える相談がある。下堂会長は「企業には、不況だから仕方がないという意識を変えてもらいたい」と訴える。

 こうした現状を受け、厚労省は対策の強化に取り組み始めた。
  ・雇用率達成の勧告に従わない企業名を定期的に公表
  ・障害者を雇う企業に支給される雇用調整金の増額検討
 などだ。さらに補正予算で1億3千万円を計上。ハローワークで在職中の相談にも応じたり、障害者を一定期間野党試みをした企業に奨励金を出す制度の対象者を増やしたりする予定だ。


           



    国の「保育ママ」予算 なぜ余る? 03/1/9 12

            「認可保育園の代替」が壁に

 働く夫婦の子供などを自宅で預かる「保育ママ」が注目されている。最近は育児に悩む母親をサポートする役割としても見直されていて、保育ママを制度化して支援している地方自治体もある。国もその動きを後押ししようと3年前から補助事業を始めたが、予算の大半が使われずに残っているという。なぜなのか。取材は「国の原則論」という壁に行き着いた。

 自治体の保育ママ制度は60年代に東京都や横浜市で始まってから広まった。厚生省の99年の調査によると、137の市区町村が登録制度を儲け、仲介や支援をしている。−略−

  厳しい要件、厚労省「緩和せず」

         申請見送る自治体

 厚労省は00年度から自治体の保育ママ制度に補助金を出す「家庭的保育事業」をスタートさせた。99年度に国は少子化対策を緊急課題に挙げ、保育所の待機児童解消を掲げた。保育ママ制度への支援は、施設の拡充が追いつかない分を補う応急策として始まった。

 厚労省は初年度に子ども5千人の利用を見込み、12億円を超す予算を組んだが、手を挙げた自治体はゼロだった。01年度は広島、名古屋、川崎など6市に焼く700万円を交付子どもの数は75人だ。02年度は12市町村に補助金を出す見込みだが、子どもの数は100人程度になりそうだ。

 自治体が申請しない最大の理由は、要件の厳しさだ。国が保育ママとして認定するのは保育しか看護士の資格をもっている人だけ。補助員については同様の資格がナイト、自治体などが研修を実施しなくてはならない。加えて保育ママは地域の認可保育所に登録しなければならず、共同で保育に責任を持つことが条件になっている。

 厚労省保育課は「あくまでも待機児童の解消を目指す事業。本来、認可保育所に入れるはずの子どもを受け入れるのだから、認可保育所に準じた環境を確保する必要がある。」と強調する。

 横浜市など自治体の担当者は「国の基準に合わせると、登録している保育ママで対象外になる人が出る」「自治体の基準と国の基準の二本立てで保育ママを認定すると、補助楽の違いから待遇に差がついてしまうのでできない。などと話す。

 03年度の国の予算案で、家庭的保育事業は半額の約6億円になった。自治体からは要件を緩和してほしいという要望が出ているが、同課は「現時点で資格要件を緩和したり、保育所との連携をなくしたりする考えはない」と話す。

         


      受け入れ児増に独自施設 b/1/17 12

            保育サービス提供の市区町村

 国の掛け声で始まった保育所の「待機児童ゼロ作戦」だが保育が必要な子どものために、保育サービスを提供する責任を負うのは市区町村だ。多くの待機児童を抱える自治体では独自の施策をはじめ、各地で受け入れ児童数を増やすのに必死だ。

 空き室の活用で分園 大阪ーマンションやビルの空き室
 独自基準の認証保育所に活路 東京−、



         訪問介護報酬2.3%上げ   03/1/21 13

           新単価を厚労省諮問 徳用は4.2%減

 特別養護老人ホームと老人保健施設はともに報酬を平均4.2%引き下げ
 訪問介護は平均2.3%引き上げ引き上げ。
 介護報酬全体では、2.3%のマイナス改定。

             


          生保予定利率 3%程度へ小売商品値下げ 03/1/21 13

            改正案提出へ 金融庁、最終調整 

     現在の予定利率は1.5%.


            訪問介護質が課題  点検 介護保険

 事業者
   詳細な計画書/調理実習 利用者の「満足」を意識

 自治体
   民間参入で広がる選択肢  客観評価へ基準作りも




   DV防止法1年  必要な行政・民間・警察の連携 02/10/30 23

     施設も人にも余裕なく−被害者の受け皿

 配偶者防暴力相談支援センター;DV防止法で設置された配偶者暴力についての公的な窓口。心身の相談や一時保護のほか、生活の自立や住居の確保についての情報提供をする。内閣府によると10月現在全国に102ヶ所。4〜8月で約1万4600件の相談を受けた。
 都道府県によってばらつきが激しい。警察や司法関係者、民間支援団体との協力も地域によって差がある。

 同法では「市町村の役割が曖昧」といわれる。市町村への相談は保護命令申し立ての要件にならないため、支援センターとの連携や役割分担が課題だ。

   加害者に回復プログラム  暴力の連鎖断ち切るために 02/10/30 24


     非婚時代  結婚しない40代オトコ  白雪姫を待つ 02/11/1 23

 日本の少子化の背景には未婚化がある。一度も結婚したことのない人たちが増えている。男性に顕著だ。70年、40代男性の未婚率は約2%。当時は大半の人が結婚する皆婚時代だった。だが00年は約16%。20年は約24%に達する見通しだ。「非婚時代」がやってくるのだろうか。

 貯金1億「子がほしい」  妥協できず高まる理想

 国立社会保障・人口問題研究所の調べでは、男性は自分より低い学歴の女性を、女性は自分より高い学歴の男性を結婚相手に選ぶ傾向がある。未婚率は、女性は大学・大学院卒者、男性は中卒者が最高だ。が、少子化の最先端東京都の男性の場合は大学・院卒者も多い。

 「結婚しなかった過去を正当化するため、男女とも年をとるほど理想が高くなる。男性は、より若い女性を求めるようになる」坂本佳鶴」恵・御茶ノ水女子大学助教授(社会学)

    白馬の王子様探して    40代オンナが見た40代オトコ 11/15 23

      「聞き手上手」既婚者ばかり   段取りゼロの初デート

  家事・介護・・・・男女とも「嫁」求め

          


         年金改革“先輩”に学ぶ          02/11/27 19
                          「スウェーデン方式」ってなに?
    国際年金セミナーに見る

 04年の年金改革のキーワードは「スウェーデン方式」です。しかし、そのイメージは必ずしも一致しているわけではありません。そこで21日に開かれた国際年金セミナーでスウェーデンの専門家が紹介した新しい年金制度の仕組みや実情を通じて、日本の年金改革への「教訓」を探ってみました(梶本章)

  保険料は年収の18.5%で固定  財政に合わせ自動調整

            

*スウェーデンの年金保険料は年収の18.5%で固定した。
 (現役の平均賃金の60%の年金を確保できる保険料)
*スウェーデンの年金財政安定のための策
 @現役の平均賃金の伸びに合わせ年金を変動させる
 A平均余命が伸びれば年金額をその分少なくすることによって、
  経済と人口の動きにあわせて自動的に年金を増減させる。

 それでも年金財政が悪化すれば、年金のスライド率を下げる「自動財政均衡メカニズム」も設けた。

 「実際に自動財政均衡メカニズムを発動することはないと思う。」
         社会保険要調査研究部主席エコノミスト,セッテルグレン氏

 日本の年金改革でも厚労省は、負担を担う若い世代の理解を得るため、保険料を固定し、年金財政が悪化した場合は、自動的に年金を削除して財政を安定させる仕組みの導入を検討している。こうすれば政治家が保険料の引き上げや給付カットに介入して年金財政が狂うこともなくなるというわけだ。

 しかし日本の保険料はまだ年収の13%あまりで、この水準で固定すると、現在の年金を4割削減しなければならない。このため同省は今後も保険料の引き上げは必要だとしており、最終的な保険料率や何年かけて引き上げるかも年金改革の大きな焦点となる。

 拠出建てによる賦課方式 「払った分」年金で返る

 スウェーデンでは自分が払った保険料が年金として帰ってくることを実現できる制度にするため、「概念上の拠出建てによる賦課方式」という新方式を生み出した。

 「賦課方式」とは日本の年金と同じように現役の払った保険料を「仕送り」のように高齢世代に回す方式。しかし実際の年金額は、払い込んだ保険料とこれを名目賃金上昇率で運用した分と合計し、65歳のときの平均余命で割って1年分の年金額を算出する。見た目は自分が払った保険料と利子で年金が決まる積み立て方式と同じような形となるのだ。

 「考えられる限り一番簡単な制度となり、総べての個人が口座を持ち、支払った保険料と『利子率』によって口座の残高が増え、将来もらえる年金も予測できる。」−スウェーデン社会保険庁・ミクラ調査研究部研究官

 厚労省は「高齢化が落ち着いて保険料が固定できるスウェーデンだからやれた」という。今後も高齢化が進み保険料を2割前後まで上げなければいけない日本で今すぐに導入するのは無理だとの判断だ。しかし、年金の信頼性を確保するため「分かりやすさ」は欠かせない。このため同省は将来の自分の年金額を簡単に計算できる「ポイント制」を導入する考えだ。

  単身月8万7千円夫婦15万6千円 年金少ない人には最低額保証

 社会保険方式で所得比例年金が運営されるが、スウェーデンでは年金が一定水準に満たない人には、税方式の保証年金が支給され、所得費例年金がなくても単身で月8万7千円、夫婦で15万6千円の年金が保証される。高齢者の生活保護費といってもよいが、所得調査なしで払われる。

 「保証年金は社会福祉の考えで導入され、物価にスライドする。高齢者の半分は受けている」
 人口やん年齢によって変動する所得比例年金の下支えの役割も果たしているという。

 厚労省は無年金者にも税で年金を支給すると、真面目に保険料を払っている人が反発し、モラルハザードを起こすとして消極的だ。生活保護との整合性も考えなければいけないという。しかし、民主党は年金の最低保証を重要視しており、与野党が主導して年金改革をまとめる場合、焦点に浮上するかもしれない。

   与野党強調し改革案 日本の政治家は?

 国民生活の基本的な制度設計に与野党対決を持ち込むべきでないと、スウェーデンでは保守4党と社民党が協議し10年がかりで改革案をまとめた。
 日本でも民主党の呼びかけで超党派協議がスタートしている。しかし、自民、民主両党とも党内には異論があり、まだ本格的な議論には入っていない。
 「改革派一にも二にも政治家が主体とならなければだめだ。我が国では政界の最も優秀な知的、実務的エリートが参加したので合意ができた」−セッテルグレン


    30代危うい「心の健康」 02/11/26 21  過労社会

              バブル世代の自殺 上  人減らし進み負担集中

 長時間労働、上司との関係、、、、、。職場にはさまざまなストレスがあふれています。心の健康を崩し、自殺に至る例も少なくはありません。これまで40代、50代のリストラ対象世代が注目委れてきましたが、最近は30台を中心としたバブル期入社世代が過労自殺に陥る危険性が高いようです。リストラと採用よ抑制で上と下の世代が減らされ、仕事の負荷が集中しているという分析もあります。「家老社会」の実態を2回にわたって検証します。

   今後への不安も要因

 昨年度、「過労自殺」と認定された件数は前億で31件(未遂も含む)。30代は11件で全体の35.5%を占める。
また、警察庁の昨年の自殺統計で「勤務問題」を理由に自殺した男性のの割合を年代別に見ると、30代が4.5%で最も多い。

             


      病院が「付き添い」要求  02/11/28 21

         禁止のはずが、家族等看護を代行   「付添い人」を看護士が指示
                                    保険きかず月90万円
 集中治療室に泊り込み−連絡係期待された
                              「患者全体に目が届かない」
                                看護職側は増員要求



   減る小児科 都内で廃止年10ヶ所 悪循環加速 一部に集中一晩30人 増える急患

*背景には、少子化や不採算、小児科医不足があると見られる

*結果的に一部の病院に急患が集中し、悪循環の流れを加速している

*小児科を廃止して、「高齢者向け」に。
 
※「一昔前なら子どもはA,3人いて少々の怪我は大目に見た。一人っ子が多い今、親が子に注ぐ気遣いは想像以上だ」−全国自治体病院小児科勤務医の会代表世話人・武弘道


         里親サポートもっと 002/12/16 27

    女児虐待死で緊急集会   幼い心のケア難しく「研修や休息足りぬ

 宇都宮の女性(43)が11月、里子の女の子(#)をなぐって死なせた事件を受け、東京と養育家庭連絡会と里子・里親の支援団体「アン基金プロジェクト」が8日、都内で緊急集会を開いた。全国から集まった100人を超す里親羅は「この里親だけの問題ではない」と、里子を育てる難しさやサポート体制の不十分さを訴えた。

 トイ技研中央相談所によると、女性は5年ほど前、勧告から来日した。夫は日本人で実子はいない。韓国の幼稚園で9年間教えた経験があり、昨年12月に男の子(4)を預かった後、児童相談所のすすめで今年7月、その妹も預かった。なくなった妹の体には、あざなど虐待の跡が多数あったが、兄には虐待の形跡がなかったという。

 事件の2日前、児童相談所の担当職員が家庭訪問したが、異変はうかがえなかったという。妹が着てからの家庭訪問は2回だけ。女性は言葉の壁のため身近に相談相手がいなかった上、夫の帰宅は遅く、一人で育児を背負っていたという。

 集会では東京福祉大のヘネシー澄子教授が基調講演。虐待されなかった兄は1歳まで実母に育てられたが、妹は生後すぐに乳児院に預けられたことに触れ、「1歳までが人との信頼関係を築く土台となる時期。交代勤務で保育する乳児院では、どんなに手厚くケアしても愛情が不足しがちだ。事件の背景に、養育者と愛着形成ができない『愛着障害』がある可能性がある」と指摘した。

 「特定の人と一対一の関係を結べず、里親に攻撃的になるなどの行動をとってしまうのが愛着障害。眼と眼を合わせて抱きしめ、愛情を伝えていけば、改善するが、こういうことを知らなければ関係は悪化してしまう。」と説明した。

 会場からは「私も愛着障害を知らずに里子を預かり大変だった。こうした問題行動の背景について、幼稚園の先生など教育現場の人たちにも知ってほしい。」という声が上がった。

 −略−

 「何よりも必要なのは休息、仲間、助言者なのに、支援体制ができていない。『少し子どもとはなれて休んでごらん』といえる体制作りが必要」と指摘した。(子どもの虐待防止センターの広岡智子理事

 −略−

 国は今年、主に虐待を受けた子どもを預かる「専門里親」制度を新設し、研修を充実させるなど、里親支援の強化を打ち出したばかりだ。集会では定期的な研修の義務づけや、愛着障害を防ぐためにも乳児Oは原則として施設ではなく里親委託とすることなどを盛り込んだ緊急要望書を採択、知覚坂口厚労相に出す。


                 年金変わる 02/12/11 23 年金改革のゆくえ 下

 04年の時期年金制度改革では、基礎年金の国庫負担率を2分の1に引き上げることも大きな課題となっている。保険料上昇を抑えるためだ。しかし引き上げの財源と目されているのは消費税。保険料も税も財布は一つ。二つをどう組み合わせるかは、制度の公平性をどう確保するのかという根本的な考え方にかかわってくる。
   消費税アップ見え隠れ 国庫負担率引き上げの財源

   保険料20%固定でも不足  受領額、年収半分以下に

  

      

 職業で給付と負担に格差      不公平感の解消が先決

 年金改革の骨格に関する方向性と論点

《国庫負担引き上げ》国庫負担2分の1を実現すれば、給付水準の調整と、最終的な保険料水準の上昇を抑えることができる。

《基礎年金を全額税で賄う考えについて》現役世代の就労といああ以下変わりなく一定額の年金が保証される仕組みは、自立と次女の精神に立脚した我が国の経済社会全体のあり方に反する。
 巨額の税財源の確保が必要だが、負担と休符が連動しない税の引き上げについて国民の同意が得られない。
 所得制限が不可避であり、結果yとして資産要件も加味された「第2の生活保護」となり、現役世代の生活水準を大きく低下させないという公的年金制度の趣旨に合致しなく異なる。

《年金制度の見直し》世代間の公平や高齢世代内の公平の視点に立って公的年金に対する課税(公的年金等控除)を見直すべきではないかという意見が多い。
 年金課税を見直した場合には、現在の年金受給者も対象として給付水準を調整するのと同様の効果が結果として生ずる。この場合、工学年金受給者や他の所得を有するものにとって、より大きな効果が生じる。
 また、これにより得られる財源を、世代間扶養を基本として運営されている年金制度の趣旨に鑑み、年金制度に還元することが考えられる。


      特定扶養控除は存続

   与党 少子化対策2500億円

*児童手当は、現在対象外の小学校1〜3年生まで新たに加える。
 現行の児童手当はサラリーマン世帯の場合、年収780万円未満を対象に小学校入学前の子ども一人に月5千円、第3子以降は1万円が支給されている。

*特定扶養控除とは、高校・大学世代の16歳から22歳までの子どもを持つ親に適用される。
 通常の扶養控除38万円に25万円が上乗せされる制度。対象は約600万人いる。


     まだまだ足りぬ保育園  02/12/13 22  どこまで進んだ?待機児ゼロ作戦

       来春の申請めぐり悩む現場を歩く
 小泉首相が掲げる少子化対策の柱である保育所の「待機児童ゼロ作戦」が打ち出されてから1年半。待機児の多い都市部では、定員枠を広げたり、増設したりして受入数を増やしているが、足りない状況が続いている。国や自治体が現在進めている受け入れ増員計画で、入園希望をどこまで満たすことができるか。来春、任ン可保育園に入るための申請が始まった、各地の現状を見た。

 大阪・堺−母子家庭なのに、、、、綱渡り
 川崎−0歳児にポテトチップス、配慮のなさに愕然
 世田谷−育休あけ預け先めど立たず退社

    「どんぶり勘定」の目標15万人

*待機児童ゼロ作戦は「最小コストで最良・最大のサービスを」が基本方針。
@特に待機児童の多い年の保育施設を重点整備する
A民間活力を導入し公設民営型など多様化を図る
B学校の空き教室など利用可能な公共施設を弾力的に活用する、
などとし、02年度中に5万人、さらに04年度までに10万人、刑15万人の受入数の増大を図ることが目標だ。

 01年5月に小泉首相が所信表明で演説し、同年7月に閣議決定、02年度の予算額は316億円、03年度概算要求で363億円を計上した。
 「仕事と子育ての両立支援に関する専門調査会」が置かれた内閣府に夜と、00年4月の待機児童数が3万3千人。これに潜在的な需要も含め年間5万人と考え、「15万人」という数字を設定したという。

 −略−

 厚労省によると、深刻化したのは90年代半ばから。02年4月の待機児童数は2万5447人で、前年より4246人の増。「パート就労など共働き家庭が増えているため」という。保育所の設置主体となる自治体からは「つくっても需要が喚起され追いつかない」といった声が上がる。

 だが、「ゼロ作戦が少子化歯止めにつながるのかは検証の仕様がない。将来、子どもの絶対数は減る。待機児は支援解消できる可能性もあり、保育所の数を増やせば良いというものではない。」(同省担当者)

 一方、調査会で会長を務めた樋口恵子・東京家政大教授は、来年度末をめどに目標値を見直す必要性に触れた上で、「主婦家庭でも、孤立した閉鎖的な環境で子育てを強いられていたとしたら、むしろ保育にかけた状態とも言える。外で働いている親もそうでない親も、ともに預けられる仕組みづくりが必要だ」と強調する。