朝日新聞切り抜き No.2
問われる「最低保証」 02/12/18 17
生活保護費、初の切り下げ検討
財政省は強硬、与党内に異論も
安全網、果たせぬ−岩田正美・日本女子大教授
基準下げ仕方がない−阿部実・日本社会事業大学教授
年金下げ0.9〜1% 02/12/19 13
物価下落 02年分のみ反映 来年4月から
介護報酬は2.3%
教育基本法に愛国心 02・10・17 1
中教審改正素案 法見直し明記 教員責務・家庭役割も 改正へ6視点
2面
健保生き残り策探る 02/10/17 23
急激な財政悪化 相次ぐ解散
大企業のサラリーマン等約3200万人が加入する健保は、高齢化による医療費の増加などに耐え切れず、解散する組合が相次いでいます。一方で、財政基盤の安定化や医療費の抑制を図る動きが広がっています。国の医療制度改革が議論されている中、生き残りに賭ける健保の姿を見ました。
業種の枠超え勧誘競争
*総合健保は全国に約3000あり、約一千万人の加入者(被扶養者含む)がいる。
*今年の3月、規制緩和により、すでに加入している会社と同じ企業であれば異業種でも総合健保に加入できる。
医療機関の監視強める
*日立製作所やセゾングループなど大手企業の88の健保組合で作る「保険者機能を推進する会」は、来年6月にも、全国の病院、診療所の施設や看護態勢、得意分野などの情報を一覧できるデータベースを立ち上げる。
―「医療費の適正化に」
*相模原市では、「職域」と「地域」でばらばらに実施されてきた健康指導などの保健事業について、連携を探るため話し合っている。
高齢者医療費が重荷に
*健保が生き残りを図る背景―@国から割り当てられた高齢者医療費を賄う拠出金の増加、A企業の人員カットに伴う急激な財政悪化.
*01年度決算では収支が赤字の組合は約8割。
*今年の10月時点で、財政難などから、27組合が解散。
*解散した健保の加入者は政管健保に移行。
*医療機関の情報開示は、医療機関側の反発が強い
医療保険 厚労省が改革試案 02/12/17 1
国保など都道府県単位に 「75歳以上」2案提起 07年度実現目指す
厚労省は17日、医療保険制度の抜本改革試案を公表した。国が運営する政府管掌健康保険、市町村ごとの国民健康保険、企業単位の健康保険組合など規模がばらばらの保険運営団体を、財政基盤強化などのため都道府県単位を軸に再編すると明記。高齢者医療は@高齢者・現役を一体とし、団体間の保険料の差を年齢や所得で調整A75歳以上は別立ての制度創設―の2案を提起した。05年の通常国会に関連法案を提出、07年の実現を目指す。
A−坂口案,B-自民党案
=要旨=
*国保は財政基盤強化の為、運営を都道府県または都道府県単位の公的法人とする
*政管は、都道府県単位で保険料を設定
*健保は、財政難の組合の受け皿として都道府県単位の地域型組合の設立を容認。
ただし、全国展開している健全財政の組合による運営は縛らない。
*老人保険制度は廃止。
*退職者医療制度は廃止。
*高齢者から保険料を徴収することなどで、国庫負担は年4千億円減る。
*診療報酬体系は、現在の出来高払い方式を基本としつつ、
手術などの治療の難易度・時間も加味。
生活習慣病の悪化を抑える予防医療も評価する。
*医療機関の運営コストは病気の重傷度などを反映した新たな評価基準に従い、
病気ごとの定額払いを進める方向。
転機の教育 学ぶ意欲より 二人の意見 02年11月24日 9
子どもには圧力も必要−和田秀樹氏(精神科医)
抜粋;意欲低下の主因は、学歴社会の幻想の崩壊だろう。学歴が必ずしも将来を保証しない時代になり、子どもに「勉強しろ」という親が減った。
旧文部省も77年の学習指導要領改訂以降、教える内容を減らし続け、学校も無理には勉強させない方針になった。こうしたことから子どもたちへの圧力が弱まり、勉強する動機・意欲が減退した。
社会的背景としては、少子化が進むにつれ大学入試の門戸が広がり、受験競争が緩和されたことがある。日本が豊かになり、フリーターでも食べていけるという安心感が広がってしまったことも挙げられる。
勉強意欲を向上させるには、子どもの自発性を重視しすぎる「ゆとり教育」路線を改める必要がある。自発的な姿勢を待っても、もともと勉強する気のない子はいつまでたってもやる気にならない。
外からの圧力を強めたほうが現実的な対策になる。受験競争や詰め込み教育型の強制力は必要だろう。親や教師は勉強する子には褒章を、しない子には罰を与える「あめとむち」を有効に使うべきだ。同時に以前のように「勉強することは良いこと」という価値観を再構築するべきだろう。
全員が東大を目指す必要はない。だが、より多くの子が、いい大学を目指すようになれば、勉強意欲が低い子どもたちも引っ張られ、全体の底上げにつながるはずだ。
「勉強」ではなく「学びを」−佐藤学氏(東大教授)
勉強の意欲が落ちているかどうかは測りようがないが、子どもの学習時間は激減している。私は「学びからの逃走」と呼んでいるが、日本の子どもは、いまや世界一学ばない子どもになっている。
バブル経済が破綻した後、学校で勉強しても親より高い社会的地位を得ることがかつてより難しくなった。高卒者の求人も、この10年で激減している。子どもは未来に希望が持てず、学習意欲が一気に落ちている。
この調査でも、学年があがることに「学校での勉強は将来に役に立つ」と答えた子が減っている。「どうせ学んでも無駄」「自分には能力がないから無理」というニヒリズム(虚無主義)、シニシズム(冷笑主義)が浸透している。
学習時間の減少が東アジアの国に突出して見られる減少であることに注目したい。日本を含む国々は、大量の知識を画一的、効率的に伝え、過酷な受験戦争を強いる「大工場システム」の教育で、急激な経済発展を遂げてきた。
このシステムが破綻したのだから、子どもたちは、もう二度と「勉強」の世界へ立ち戻ることはないだろう。これまでの経済優先の教育、競争の教育、国益中心の教育という発想を捨て、「勉強」から「学び」へと転換することが必要だ。
ひたすら教師の説明を聞き、黒板とこう箇所を読んで理解する座学の「勉強」から、具体的な道具や素材や人と出会う活動的な「学び」へ。自学自習の「勉強」ではなく、自分のアイディアを惜しみなく提供し、仲間のアイディアから謙虚に学びあう「学び」へ―。
併せて、子どもと若者が未来への希望を抱くことのできるよう政治や社会の改革を進めることが欠かせない。
生活保護率、なぜ10倍の差 ケースワーカーに聞く 02年11月20日
格差の陰に地域事情 高齢単身・離婚率に連動
比較した指標は、各都道府県ごとの持ち家率、世帯あたりの自動車保有台数、一人当たり預貯金残高、高齢化率、三世代同居率、高齢者の単身世帯率、離婚率、一人当たりの県民所得など。
資産関係−持ち家率が高い富山、山形、福井、新潟、岐阜は、保護率が最も低水準。
家族関係−高齢化率はほとんど保護率に関係ない
3世代同居率高い山形、福井、富山は低い。
高齢単身世帯率が低い山形、新潟、富山、茨城、福井は低い
離婚率も連動。
県民所得−高いほうはあまり関係なく、低いほうに保護率が高い5県が集中。
自治体ごとに姿勢の差
「保護率が低いところは、保護基準以下で生活している人が多いということ」
「家はあっても現金がなければ米は買えない。生活保護法は資産活用をうたうが、試算がある人は保護しない、というのではなく、保護した上で、家が広すぎるなら活用しなさいということだ」
「働ける」と医師に診断されると申請すらさせない市がある。「本来は申請を受け付けてから検診のはず。」
「保護水準以下で生活している人の数や、申請した人の数と受理された人の数がわかれば自治体の姿勢がわかる。行政の姿勢しだいで保護率が上下するのはおかしい。」−日比野正興−全国公的扶助研究会事務局
余裕のない福祉事務所
「保護80世帯にケースワーカーひとりという社会福祉の指針を超えた、100世帯以上を担当させられている。受給者の生活指導や自立支援も形式的にな、新しい申請者の受け入れも抑制的にならざるを得ない」
「ワーカー経験のない上司が多い。現場の実情を理解せず、厚労省のマニュアルを、保護率を下げる方向で解釈することを強要してくる」
社会保障制度の貧弱な分野示す
保護率の高いところは、大都市のほか、旧産炭地や基幹産業のない地域など生活保護から脱却しにくい地域が多く、また同じ県内でも都市部と農村部で地域差が存在。
保護率の違いは、はおもに経済的理由である。
例えば、基礎年金(6万7千円)は生活保護費の一部の生活扶助費と同じくらい。
(基礎年金だけでは家賃や医療費を賄えなく、保護水準以下の生活となる」
「生活保護が高齢者単身世帯や離婚世帯の割合と関係していることは、母子世帯への児童扶養手当や高齢者医療、住宅や教育への補助など、生活保護をとりまく社会保障制度が貧弱な分野を示しているのではないか」
−大川昭博−ソーシャルワーカー,自治労社会福祉評議会役員

実体とのずれ分析を
大友信勝・東洋大学教授(社会福祉学)「地方の貧困の実態と保護率は完全には連動しない。その理由を分析することが大切だ。『生活保護を受けるのは恥』と感じる分化と、保護適用の引き締めなど行政による制度運営が影響を与えている。
富山県は低いが、これは資産があるということだけではない。日本的な恥の文化が強く働く。家を持つことは、難題のその地域に住み続ける省庁と考えられる。−略−このような地域では、社会関係を捨てる覚悟がナイトseikatuhogoは受けられない。その反対は北海道。
介護報酬、下げに例外 厚労省審議会改定基本方針 02年12月10日
「訪問」など上積み
来年4月の発改定に向けた基本方針−物価下落などをふまえ、介護報酬は全体として引き下げられる
介護サービスの量は来年度から3年間で18%の伸びが予想される。そのため、来春から介護保険料の上昇が避けられない。コ本方針は、保険料の上昇幅の特性が必要とし、介護保険から事業者に支払われる費用の総額の6割近くを占める施設関係の報酬を全体として引き下げる。また、通所介護、介護タクシーなども引き下げる。
例外で上積みされるのは、訪問介護、ケアマネージャー、グループホーム。いずれも在宅介護重視の理念の実現に向けた引き上げ。
訪問介護は「生活援助」の報酬引き上げ
ゲループホームは、夜間ケアに新たな加算。
特集 年金改革の行方 上 02年12月10日 19
要旨;年金は現役世代が年金世代を支える仕組み。そこで04年年金改革では「支え手」を増やそうと、もっとパートタイマーに厚生年金に入ってもらうことが検討されている。サラリーマンの妻でパートをしている人の多くが、夫の扶養からはずれるかどうかの決断を迫られる。不況にあえぐ雇用主がパートをすんなりかにゅうさせるのかどうか。
「年収65万円以上」を提案−厚生年金加入に新基準
現在の制度は、労働時間や日数が正社員の4分の3未満のパートは厚生年金に加入しない。この基準を2分のTまで引き下げる案が昨年末、厚労省の「女性と年金検討会」で提起され、有力に。
厚生年金に加入するかどうかは、労働時間だけで判断するという案。
一歩働く時間が少なくても年収が130万円以上なら、配偶者の扶養からはずれ、自ら国民年金の保険料負担。
「経営利益が吹っ飛ぶ負担」−卸・小売業・飲食店に影響
「保険料払うなら辞める」−自分の加入嫌がる人も
「3号制度」は存続の案も−サラリーマン家庭に配慮
※「3号」の範囲が縮小すればするほど、働く必要のない裕福な主婦だけが3号制度に残る。
(高所得世帯ほど専業主婦が多い)

小児救急輪番制 国立の参加わずか25% 02年11月9日 夕刊 1
病因・療養所「東高西低」傾向
「小児救急」の整備が遅れているとされる問題で、複数の小児科医がいる国立病院と国立療養所が、小児科の輪番制などの体制に25%しか参加していないことがわかった。輪番制は各病院が持ち回りで休日ややかんに診療体制を続けるもので、厚労省が進める小児救急拡充策の柱。地域医療の中核である国立施設さえ過半数が協力しない実態が浮かび上がった。
全国にある国立病院と国立療養所は計194ヶ所。がんセンターなど専門医療センターを除くと、複数の常勤小児科医がいるのは国立病院53、療養所50の計103箇所。朝日新聞の調べによると、このうち輪番制に参加したり、一つの施設で24時間、365日、小児救急を受け付ける拠点病院になったりしているのは国立病院で17(32%)。療養所は9(18%)だった。
−略
参加しない理由の多くは、より高度で専門的な医療に集中していて救急医療にまで手が回らないという。結核や進行性筋ジストロフィーなど慢性的な疾患を扱う療養所では、救急への即応態勢できていないことがネックになっている。
「長期療養型の病院なので救急とは専門が違う」という療養所も。
勉強1日2時間で親安心 転機の教育 02年12月1日
くもん子ども研・本社共同調査から


調査方法;10月から11月に書け郵送で実施。対象者はくもん子ども研究所が、朝日新聞とタウン紙上で募った950人。全国の小学4年生から高校3年生までの各学年約100人づつで、父母にも回答を得た。(子どもの主な回答内容は11月24日朝刊特設面に掲載)
知的障害者 「脱施設」に政策転換 02年12月8日 2
政府心プラン 建設目標設けず
=要旨=
政府は、03年度から5年間の「新障害者プラン」では新たな入所施設建設の数値目標を織り込まない方針だ。
地域での新たな受け皿として、グループホームの拡充も検討されている。
03年度から10年間の障害者政策の基本方針を示す「新障害者基本計画」では「本人の意向を尊重し、入所者の地域生活への意向を促進する」「障害者はは施設という認識を改める」「入所施設は真に必要なものに限定する」などとして脱施設の方向を打ち出す方針。
日本では約46万人の知的障害者のうち、約13万人が施設で暮らし、その多くが10年以上の長期入所。
現在の障害者プランでは(96〜02年)は、「ノーマライゼーション」の理念を掲げてはいるが、実際には約9万5千人分の知的障害者入所施設の整備目標を立て、建設を進めてきた。
新プランは12月中に策定。
障害者や家族「社会でふつうに生きたい」
地球の人口62億人 02年12月3日 14
02年白書 貧富の差拡大と指摘
国連人口基金(UNFPA)は3日、02年の「世界人口白書」を発表した。地球人口が62億人を超えたことを報告するとともに、国家間の不平等や各国内の貧富の差が拡大していることを指摘。「人権問題としての貧困」と闘うために、女性の自己決定権を保障し、望まない妊娠をせずにすむよう支援する行動を呼びかけている。
白書は、世界の最富裕層20%との一人当たり所得の格差が、60年代の30対1から70対1以上に拡大していると警告。貧困状態で生活する女性は男性よりも多く、最近の10年間は特に開発途上国で男女の貧困格差が増大したと報告している。
94年、エジプトで開かれた国際人口開発会議(カイロ会議)で合意されたリプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利)の保障が、多くの地域でまだ現しておらず、貧困の原因にもなっていると分析している。
一方、70年以降、出生率が低下し、人口増加が鈍化した途上国では生産性、貯蓄率が高くなっていることを上げ、経済成長に対する」人口の効果」を強調。保健・教育への投資、ジェンダー(社会的・文化的性別)による差別の解消が人口抑制に効果をあげている実例を紹介している。
理念実現に向け米へ働きかけを《解説》
今年の世界人口白書は貧困の克服に焦点を当てた。単なる低所得ではなく不健康、不十分な教育、性差別や社会的排除など貧困の多様な側面を分析。出産についての家族計画を含めたリプロダクティブ・ヘルス/ライツを保障することが経済成長に不可欠だと訴えている。94年のカイロ会議の成果を、さらに発展させた提唱だ。
カイロ会議は「子どもを生むか」「いつ、何人産むか」という性と生殖の自己決定権を女性の権利として確立した。成果の一つが、人口問題を量的に捉えるのをやめ、一人ひとりの生活の質の向上という人口問題として捉えなおしたことだった。
しかし、、、−略−、、、アメリカのブッシュ政権が「今後、カイロ行動計画を再承認しない」と表明。UNFPAへの拠出金3400万ドル(約40億円)の撤回を決めた。−略−
日本政府とNGOは協力して米国に働きかけるべきだろう。(本田雅和)
医療費少ない訳は 和歌山で最小 02年12月9日 5
過程介護・働く場・陽気な性格
和歌山県南部川村は「日本一の梅の里」として知られる。そこは、和歌山県で一番医療費を使ってない村でもある。たまたまというのではなく、この十数年、ずっと国民健康保険の一人当たり診療費が一番少ないのだ。何故かその秘密を探りに出かけた。(編集委員・石井晃)
−略−
村には、3件の医療施設があり、隣接する南部町や田辺市にも医療機関がたくさんある。そのせいか、村の人たちの受信率そのものは、特段低くはないという。
村役場の近くにある東内科クリニックを訪ね、村の人たちの健康を管理している東冬彦院長に、なぜ医療費が少なくて住むのか、村に特別の事情があるのか、話を聞いた。
要点をまとめると、次のようなことが考えられるという。
@3世代同居の家庭が多く、お年よりは「隠居」と呼ばれる専用の部屋に住んでいるので、病気になっても家庭で 介護ができる。
A梅の選定や収穫など、お年寄りの技術を生かす仕事があるから、70代、80代になっても誇りを持って働ける。
B農業所得が高く豊かなので、健康に関心が高い。各種検診の受信率も高いので早期診断、早期と量が可能
C働く場があるので、診療所をサロン代わりに利用する患者が少ない
D機構にも、収入も恵まれているからくよくよせず、陽気に生きている
E食卓に埋めのエキスや梅干がある食生活も健康に良い
−略−
では、村の人たちは何故、健康に関心を持つようになったのか。早期診断、早期治療が何故可能になったのか。
−略−
81年当時は、健康診断の受信率が低かった。農作業で忙しいことが原因だった。そこで県や保健所と相談、午前6時半から検診車を回してもらって早期検診を始めた。梅の収穫に忙しい時季ははずし、農閑期だけとした。
これで、胃がんや子宮ガンの受信率が一気に上がった。病気の早期発見、早期治療が可能になり、健康についても関心が高まった。ヘルス・パイオニア事業として、スポーツを奨励し、食生活の改善にも取り組んだ
−略−
尊重は「村のイメージを大事にするために、健康な村づくりに力を入れた。それが効果をあげ、医療費がかからなくなって、その分また健康業行政につぎ込めるようになった」と話している。
*********
一人当たり年21万円
メモ−和歌山県保険課発行の発行「紀州の国保」によると、00年度の国民健康保険の一人当たり診療費は、県平均が約32万4000円。それに対して、南部川村は約21何2000円。市町村で市場bb少なく、最も多い北山村の半分以下である。
この傾向はこの15年間、ずっと続いている。農業に従事する世帯が多い関係で、村では3人に2人が国保に加入しており、その人数はざっと4500人。一人当たりの診療費が毎年、県平均より10万円程度低いので、県平均だった場合に比べ、年間4億5千万円、10年で45億円も節約できた計算だ。
解雇ルール法制化 02年12月4日 1
「不当なら無効」明記 厚労省提示
厚労省は3日、企業が従業員を解雇する際の手続きや要件を明確する「解雇ルール」を、法制化することを柱とした報告書を労働政策審議会に示した。「正当な理由なく行った解雇は無効」と労働基準法に明記し、不当な解雇を未然に防ぐとしている。また、有期雇用の契約期間を1年から3年に延長することも明記している。
■厚労省の報告案骨子■
・使用者が正当な理由なしに解雇した場合は無効
・就業規則に「解雇の自由」を明記
・労働者は解雇される前に理由の開示請求が可能に
・解雇が無効な場合、労使双方による金銭解決の請求が可能に
【有効雇用】
・契約期間の上限1年を3年に延長
・一部専門職や高齢者の上限3年を5年に延長
【裁量労働】
・ホワイトカラーへの導入要件緩和
・対象事業場を本社以外にも拡大
雇用保険 高額層給付率、5割に削減 厚労省が見直し案 02/10/04 (金) 13
失業手当額の高い層の給付を、離職前半年の賃金の6割から5割に引き下げ、上限も減額する。
−略−
厳しい雇用情勢が続く中、雇用保険財政が破綻寸前まで悪化していることに対応する見直しで、来年6月施行を目指す。−略−
くらし 『親保険』で育児も仕事も スウェーデン 02/10/04 (金) 3
所得8割、計480日の休み保障 4割の男性が育休利用
−略−
スウェーデンでは、子ども一人につき夫婦で合計480日間の育児休業を取得できる。下図参照。週に何日か休んだり、半日勤務にしたり、分割自在だ、うち60日間は「父親割り当て」で母親は使えない。
また、育休中は、「親保険」から所得保障される。財源は、事業主が納める2・2%の社会保険料と税で、01年の給付総額は約1960億円に上った。
手厚い制度を背景に、、妻が出産した男性の4割が育児休業するが、それでも未だ課題はあるようだ。親保険の所得保障には年約386万円の上限があり、高報酬の人は頭打ちになってしまう。親保険の受給者の1割弱がこの上限にかかってしまうという。

「就学前学校」も支えに
親保険とならんで、働きながらの子育てを支えるのが、6歳までの「就学前学校」だ。75年に保育園と幼稚園を一体化した施設で、98年に拡充された。親が働いているかどうかにかかわらず、希望するすべての子どもが入れる。
−略−
80年代に急増した就学前の待機児童は、施設整備がすすみ2年前にほぼ解消された。さらに今年1月から、保育料の最高負担制が導入され、親が高額所得者でも月約1万5千円で就学前学校を利用できるようになった。1〜3歳児の6割、4,5歳児の9割、6歳児では全員が通う。
01年のスウェーデンの合計特殊出生率は1・60人。99年には1・50に落ち込んでいたが、00年から回復の兆しが見える。社会省は「親保険や就学前学校、女性の就労支援など家族政策の連携がうまく行った結果」とみる。
一方、今年こんな興味深い調査が公表された。医療保険の傷病休暇の取得率を調べたところ、「都市在住、子育て中、高学歴」の3要件を満たす若い女性が、傷病になる危険度が1番高かった。−略−
「子育ては女性」という性別役割分業の意識がまだ根強く、女性の方に重い育児負担がかかっている証拠でしょう。」
−日本では−
低い取得率と給付額
法定の育児休業は、子どもが1歳になる前日まで取れる。だが取得率は30人以上の企業で男性は0・55%、女性は57・9%(いずれも99年度)にとどまる。育休時の所得保障は雇用保険でカバーされ、育休前の2年間に1年以上、雇用保険の被保険者期間があることが条件。
給付割合は休業前賃金の40%で、うち30%は休業中に「育児休業基本給付金」として給付される。上限は月14万4630円。復職して6ヶ月以上働けば、残り10%が「育児休業者職場復帰給付金」として支給される。
昨年度の基本給付金の受給者数は9万2796人で、うち男性は279人。復帰給付金の受給者数は6万8673人で、男女とも4人にひとりは復職していないか転職などで職場を去っている。
Weekly 教育 聞いて聞かせて 「心のノート」理想論ばかり 02/10/06 (日) 6
東京都 中学2年 男子(13)
学校で配られた「心のノート」には理想論ばかり書いてあるような気がします。「一人ひとりが輝くために」とありますが、このノートで自分が変わるわけがないと思います。
2学期から毎週総合学習の時間になると、ノートに自分の気持ちを書くようにと言われます。でも真面目に書いている人なんてほとんどいません。学校で配られたノートに自分の思っていることなんて書きたくないです。
授業が終わってノートを集めても、担任の先生もチェックしてないみたいです。面倒くさいのかも。何でこんなことするのか疑問です。
特区内の不登校対象施設 自己所有の要件緩和 02/10/10 (木)
政府の進める構造改革特区にからんで、学校法人設立要件の緩和を検討していた文部科学省は9日、不登校児童を対象とする学校や法科大学院などの専門職大学院を作る場合、特区に限り「校地・校舎の自己所有」との要件をはずす方針を決めた。
現行法では、校地・校舎を自前で持っていないと学校法人を設立することができない。資産面での緩和で、フリースクールを運営するNPOなどが学校法人を設立しやすくなる他、貸しビルを利用して専門職大学院を作ることもできるようになる。
同省によると、不登校の児童を受け入れる少人数の学校をつくる場合には、校地・校舎の借用を全面的に認める。併せて、学校指導要領によらない弾力的なカリキュラム編成ができるようにし、不登校対策の促進を図る考えだ。公共団体から施設を借りて私立学校を設置する「公設民営」型の学校が増える可能性もある。
−略−
くらし 先進中小企業に見る育休対策 辞められると困るから充実 02/10/11 (金)
1時間単位の看護休暇 秋田
−略−
「時間とお金をかけて育てた社員に辞められては困る、というのが育休制度を充実させた第一の理由」
「覚書」で勤務限定 福井
−略−
まずどこまで仕事ができるか、就業条件の「覚書」を交わす。「残業はできない」「出張は無理」「緊急時のみ30分まで時間外勤務O.K」などきめ細かい。
−略−
「毎日顔を見て調子を把握できる45人の会社だからできること。みな時間を意識して働いているので、中身も濃い仕事をしてくれている。」
転機の教育E 地域の声 学校を刺激 02/10/13 (日)
−略−
学校評議制度は00年、文部科学省が法改正して導入するよう促している。評議員は主に地域の人が努め、定期的に校長に意見を言う。学校強化策の一つだ。
−略−
「もう学校は、先生たちだけではやって行けない。各地の公立学校で、保護者や地域の人など外部の力を生かして競争力をつけ、信頼を得ようという取り組みが続く。
川崎市臨港中学校では、町内会や民生委員、PTA代表ら校区住民で作る地域教育会議が98年できた。
私の視点 「ちょボラ」障害者は施しの対象? 石川ミ バリアフリー推進コンサルタント
02/09/29(日)
私は7年前の転落事故による頸髄損傷で車椅子を使っている。夫は筋ジストロフィー症による障害で、やはり車椅子で生活している。夫婦の暮らしはさまざまな場面で人々の助けを受けて成り立っている。そんな私の疑問と提言である。
最近テレビCM で「ちょボラ」や「指一本のボランティア」などの言葉が流れる。
趣旨は、「障害者」や「高齢者」が多くの人たちと社会の中で一緒に暮らすためのボランティアの啓発だ。
街角で杖を使う高齢者に手を差し伸べる、車椅子の障害者がエレベーターに乗る際にボタンを押してあげる、といった場面の映像で、あなたにも簡単にできる「ちょっとしたボランティア」がある、と呼びかけているのだ。
ボランティア以外にも、近頃は、バリアフリーやユニバーサルデザインなどと心地よい横文字がたくさん飛び交っている。趣旨はわからないでもないが、何故それが必要なのか、それを実践するとどのような社会がつくれるのか、という本質的な論議が置き忘れられているように思う。
結果的にそれらは、「障害者や高齢者」らに対象を限定した施しのように、一般には理解されるのではなかろうか。また「社会的弱者」という新たな烙印が押される危うさはなかろうか。この問題意識と「ちょボラ」が重なるのだ。
画面に流れるストーリーに沿って解釈すれば、障害者である私たちは常に「助けられる側」になる。
だが、私も先にエレベーターに乗っていれば「開」のボタンを押して乗り込む人を待つ。それはボランティアではなく、人としてのマナー、助け合いであり、倫理や思想の問題である。
それをボランティアといってしまうなら、私は「常にボランティアをしてもらっている」と、小さくなって生きていかなければならない。このCMのめざすところは、そういう社会をつくることだろうか。
障害者自信も、社会の現状を嘆くより周囲の理解を図るため、数多くのハードやソフトの社会的障壁(バリア)に対する、当事者自信のメッセージの発信を忘れてはならない。
変わる精神医療4 福祉と医療の連携を
医療に福祉の声も聞き入れてほしい。それを職員たちは願う。
−略−
精神障害者が地域で生活していくには、福祉と医療の密接な連携が必要だと痛感している。
「私たちが今、一番ほしいのは、きめ細やかで良質な精神医療なんです」
※精神障害者の社会復帰を目指す施設には、生活訓練施設(日常生活の訓練)、授産施設(就労希望者に訓練)、福祉ホーム(一般企業への就職が難しい人を雇用)、地域生活支援センター(地域で生活している人から相談を受け助言する)がある。施設数は全国で計1376ヶ所。
このほか地域で共同生活を行う人たちを支援するグループホーム事業(約900ヶ所)などがある。
介護保険 来春見直し 02/09/130(月) 3綜合
00年4月にスタートした介護保険は来春、見直しの時期を迎える。3年ごとに定められた見直しの最初で、現在各市町村では事業計画の改定作業がヤマ場だ。2年前には、必要なサービスの量が明確でなく、保険料の設定も手探り状態の見切り発車。今回は実態を踏まえた計画の組み立て直しが迫られる。どこまでのサービス利用を見込み、高齢者に負担を求めるか。自治体は切実な悩みに直面している。
需要と負担 板ばさみ
利用抑制 悩む過疎地
(入所施設の利用は在宅より費用がかかり、介護保険財政を圧迫する。このため厚労省は特養などの利用をできるだけ抑えたい考え)
広域化で「高騰」回避
(必要な利用に絞っていかないと、保険料はどんどん上がっていく)
交付金減らされ保険料増
(高齢化は予想以上に進んでいた。)
国は、高齢化が進み、所得の低い高齢者が増えた自治体には調整交付金を手厚くする。逆に、高齢化が比較的進んでない自治体は減らされ、祖も分は保険料に跳ね上がる。
国民健康保険の自己負担割合変更 02/10/01−町田広報から
法改正に伴い、10月1日から国民健康保険の自己負担割合が変更




10月1日から老人保健法改正に伴い、「老人医療費の助成」・「心身障害者医療費の助成」・「ひとり親医療費の助成」制度の自己負担が変わる。すべての医療機関で1割負担になり、これまでの定額制(1回/850円/月4回まで)はなくなる。また、医療機関の窓口で支払う入院と外来の自己負担限度額の上限↓の通り。

身体障害者補助犬法 きょう施行 02/10/01 (火)
障害者の自立を助ける盲導犬、介助犬、聴導犬の公共施設や交通機関への同伴を保障する「身体障害者補助犬法」が1日施行された。今までペットと同じ扱いだった補助犬が法的に位置づけられ、障害者の社会参加の機会が広がるという期待の一方で、罰則のない法律で効果があるのか、質の高い補助犬の育成体制をどう築いていくのか、など課題も抱えてのスタートだ。
■身体障害者補助犬法
視覚障害者の歩行誘導を行う盲導犬、したい障害者のために物の広い上げや衣服の着脱補助、スイッチの操作などをする介助犬、聴覚障害者に電話の音やブザー音などを伝える聴導犬の同伴を、公共の施設や交通機関が拒むことを禁じた法律。
合わせて訓練事業者や使用者の義務も定めた。
これまで盲導犬は道路交通法で定義され、国家公安委員会指定の団体が認定していたが、介助犬、聴導犬は育成団体がそれぞれ独自に認定していた。来年10月からは、不特定多数が利用する商業施設や宿泊施設も受け入れが義務づけられる。厚生労働省によると国内の実働数は盲導犬895頭、介助犬26頭、聴導犬19頭。
受け入れ側は戸惑い強く 少ない実働数 育成急務
保育所待機4246人の増加 4月時点 02/9/21 (土)
厚生労働省は20日、今年4月時点の保育所の状況をまとめた。全国の保育所数は公民合わせて2万2272ヶ所で、昨年に比べ58ヶ所、定員数で2万745人増えた。
一方で、保育所の秋を待つ児童数は2万5447人と前年比4246人の増。0〜2歳の低年齢児が66%を占めている。
待機児童が多いのは@東京都(5056人)A大阪府(3552人)B神奈川県(3204人)C兵庫県(2125人)沖縄県(16(1621人)
男性の育休取得10%に 厚生省 目標設け少子化対策 02/9/21 (土)
厚生省は20日、政府の新たな総合的少子化対策案をまとめ、小泉首相に提出した。子育てしやすい職場環境整備の目安として、育児休業取得率の目標値を設定。子どもが生まれた男性の10%、女性では80%ととし、今後2〜3年で達成のための施策を集中的に実施する。また、次期年金改正で少子化対策を制度設計に取り込む姿勢を明確にし、企業や自治体の計画にあわせて必要な法整備も年内に検討する。
「少子化対策プラスワン」は急速な少子化を食い止め、社会保障制度をはじめとする経済社会構造への影響を和らげるのが狙い。働く女性の育児支援を主眼としてきた従来作に加え男性側の働き方の見直し、専業主婦支援も視野に入れた地域による取り組み、若年層の教育などを前面に出した。
−略−

生活支援の機能不十分 02/10/08 (水)
「成年後見人制度」導入から2年半
判断能力が不十分な痴呆性高齢者や知的障害者等を支援するため、後見人を選任してその契約などを代行する「成年後見制度」が導入され、2年半たった。悪徳商法などの被害に遭うのを防ぎ、適切なサービスの利用を促すのが目的だった。しかし今のところ遺産分割や不動産処分など財産官吏のための利用が主流で、視力に乏しい人の生活を守る仕組みとしては十分機能していない。
「財産管理」が7割強 −実態
−略−成年後見人制度が作られたのは、行政が介護サービス利用を決めるのではなく、利用者が「契約」でサービスを選ぶ介護保険が導入されるのが大きなきっかけだった。にもかかわらず、生活支援のための制度利用が少ない、背景には、介護が必要な高齢者で判断能力が不十分でも、制度で後見人を選ばないまま、家族が契約を結んでいる実体がある。だが、高齢者の年金を家族が生活費や借金返済に使い、本人は介護サービスも満足に受けられない事例もあり、望ましいとは限らない。
後見制度は、身寄りがなかったり親族が関わりを拒否したりすることを想定し、市町村長が後見人選任を家庭裁判所に申し立てる権利も定めている。しかし、子の権利もあまり活用されておらず、最高裁によれば00年度が23件、01年度が115件だった。
日本社会福祉士会が今年はじめ、34都道府県の2322区市町村を対象に実施した調査結果(回収率61%)は、制度に対する自治体の認識の低さを浮き彫りにしている。
精度を「知っている」は49%で、51%が「聞いたことがあるが、よくわからない」と回答した。また負担能力がない人でも制度を利用できるよう、後見人報酬などを国が補助する事業が昨年度からスタートしたが、子の事業を「知っている」のは34%だった。
「第三者後見」不足も −試み
最高裁の01年度の統計では、成年光景人などに選任されるのは家族・親族が全体の86%を占め、弁護士、司法書士などによる「第三者後見」は14%にとどまる。だが、ニーズが高くて不足気味の地域も出ている。
−略−
仕事に見合った報酬得る工夫を −課題
一人暮らしの高齢者は今後も増える。来年度からは、障害者福祉の分野でも、障害者自身がサービスを選ぶ「支援費制度」が導入される。契約社会への対応が難しい人たちの権利を守る仕組みの充実が求められる。
経済力がない人でも利用できる第三者後見人を増やすには、仕事に見合った報酬を得やすくする制度上の工夫がいる。後見の実務に携わる関係者の間には、「(利用者の負担が1割で済む)介護保険から後見人の報酬を出すようにしてはどうか」という声がある。
介護保険は、利用者増などで相当な保険料アップが予想され、支え手を増やすために障害者福祉と統合する案も浮上しそうだ。相した本格的な制度の見直しに合わせ、契約弱者の権利擁護サービスを普及させる方策を検討する必要がある。

■後見人制度
禁治産・準禁治産制度に代って00年4月から実施。既に判断能力が低下している人が対象の「法廷後見」は、判断能力がほとんどない場合の「後見」、著しく低下している場合の「保佐」、不十分な場合の「補助」の三つに分かれる。後見を受けていることは戸籍に記載されず、本人、家族、4進党内の親族の他、市町村長にも家裁への申し立て権がある。一方、「任意後見」は、判断能力があるうちに将来に備えて支援してくれる人や支援内容を決めておく制度。火災へ申し立てる際の事務経験や鑑定費用などは申立人の負担。後見人の報酬は本人の財産から支払われ、その楽派本人の資力や援助内容を勘案して裁判所が決める。
一から・わかる 年金改革 02/10/09 (水) 13
04年の年金改革に向けた議論が本格化してきた。長引く経済低迷と、予測を超えて進む少子高齢化を乗り切れる年金制度に作り直すことはできるのか。今後どれだけ保険料を払い、どれくらい年金を受け取れるのか。

Q.どうしてまた改革なの?
A.予想以上の少子化で従来の年金設計が狂う
サラリーマンの厚生年金や自営業者の国民年金は、現役世代の保険料を高齢世代の年金に「仕送り」のようにまわす賦課方式で運営されている。このため景気が低迷して保険料が減ったり、少子高齢化が進んで保険料を払う世代が減り年金をもらう世代が増えたりすると、うまくまわらなくなる。
一昨年に引き続き、また年金改革が必要になったのは、今年1月の新人口推計で2050年の出生率が1・39(5年前の推計は1・61)、65歳以上人口が35・7%(同32・3%)となったためだ。厚生労働省の予想を超える少子高齢化だった。
「出生率1・39」ショックは年金財政を直撃する。それまでの青写真では厚生年金の場合、今年収の13・58%(労使折半)の保険料を段階的に上げて、2025年に21・6%にすれば、現役時代の平均年収の約6割の年金を受け取れることになっていた。ところが新推計を当てはめて、子の水準の年金を支払うとなると、25年の保険料は24・8%になり、同省が保険料負担の限界とする年収の20%を大きく超えてしまう。
年金は5年ごとに財政を見直して負担と給付を調整しており、次は04年が見直し時期にあたる。高度成長が終わってからは、基本的に保険料を値上げして年金をカットするという見直しを繰り返してきた。しかし、新推計の結果は、従来の手法ではもう対応できないことを示しており、年金の信頼性を確保するために思い切った改革が必要になった。
Q.改革のポイントは
A.保険料を将来固定し、その範囲内で年金を給付する
厚労省の社会保障審議会年金部会で有力となっているのが、保険料を将来、例えば年収の20%(労使折半)で固定し、その範囲内で年金を支給するという構想だ。
経済が安定して少子化に歯止めがかかれば、20%の保険料で現役の平均収入の6割の年金(平均的サラリーマン夫婦の場合、40年加入で月約23万8千円)も可能となるが、成長率や出生率が落ち込めば自動的に調整して年金額をカットする。こうした自動財政均衡メカニズムを導入することで、従来のように政治の場で負担が値切られたり給付が上積みされたりする「政治リスク」がなくなり、恒久的改革にもなるというのだ。
負担を固定して給付で調整するというアイディアは、99年にスウェーデンの年金改革で採用された。10年前にに日本と同じように不況と高齢化に直面したスウェーデンでは、保険料を18/5%で固定し、労働人口が減って高齢者の平均寿命が延びたり、積立金の利回りが予定より低くなったりした場合、年金額を自動的に調整する仕組みにした。
日本の年金部会の議論では、スウェーデン方式を支持する声が大勢を占めた。さらに「高齢者は弱者ではない。子育てやローンに負われる若い世代こそ弱者だ」との立場から、既に年金をもらっている人たちの給付も下げるべきだ、との意見すら出ている。
ただ、保険料をいまの13・58%で固定すると年金は現行水準より4割も減る。このため同省は、今後も段階的な保険料の引き上げは必要だとしており、最終保険料の水準や、どのくらいの期間をかけて上げていくのかが今後の焦点となる。また、経済や人口の変化に応じて年金が変わるようになると老後の生活のめどが立てにくくなるので、変動幅に一定の限度を設けるなどの工夫も必要になるだろう。
Q.凍結中の保険料は
A.基礎年金の税負担の引き上げを実現しないと難しい
同省が改革の決め手と考えているのが、基礎年金の国庫負担を現行の3分の1から2分の1に引き上げることだ。これが実現すれば、将来の保険料負担が軽くなるだけでなく、公的年金の有利性が高まり、国民年金の未加入や未納者も減るはずだと踏んでいる。
前回の年金改革では、保険料は景気への悪影響を理由に凍結され、「04年までに行う基礎年金の国庫負担引き上げと同時に凍結を解除する」と決められた。このため、基礎年金の国庫負担引き揚げは、同省の悲願である保険料引き上げも可能にしそうだ。
公的年金の保険料は、高齢化で受給者が増えるに伴い徐々に引き揚げていく「段階保険料方式」を採用し、原則として5年ごとに引き上げられてきた。保険料は1%で@・6兆円の収入となるだけに、凍結が解除されれば年金財政は一息つく。同省がスウェーデン方式や国庫負担の拡大を訴えるのは、保険料引き上げの環境作りという面もある。
しかし財政危機の中、国庫負担引き上げに必要な2・5兆円の財源が見つかるのか。消費税率にしてちょうど1%アップ分に当たる。坂口力厚労相は再任後の1日、「国民に一つの案として提起し、議論する時期にきている」と語り、消費税増税によってまかなうべきだとの考えを初めて示した。しかし、小泉首相は在任中二消費税率を上げないとかねて言明しており、確たる見通しは立っていない。
Q.来年までにまとまるの?
A.04年は国政選挙の年。果たして負担増を提案できるか
年金改革をめぐっては、年金部会や与野党の政策部門のほか、超党派の年金担当議員も勉強会をスタートさせている。この勉強会は、民主党が「政治主導で改革案をまとめたスウェーデンを見習うべきだ」と自民党に呼びかけて実現した。協議が軌道に乗れば、与野党激突型の年金改革が変わるかもしれない。
同省は、@年金部会の議論を踏まえた「改革の基本方向」を今年11月に公表した後、政党レベルだけでなく公聴会や有識者調査も行って「保険料固定・年金変動性」の理解を求め、らい夏までに合意を図るA来秋からは、与野党が要求している基礎年金への国庫負担の引き上げ問題に取り組み、政治決着を図って保険料引き上げにもめどをつける、とのシナリオを描いている。
しかし、、自民党内にはスウェーデン方式に消極的な声もあり、民主党も基礎年金部分は全額税で賄うべきだという強硬派を抱えている。特に04年は参院選があり、場合によっては衆参同日選になるかもしれない。。このため「国政選挙の年に負担増を求める年金改革は難しい」(厚生省OB)との悲観論もちらついている。
しかし、経済の低迷と少子高齢化が進む中、年金に限らず医療や介護なども負担増は避けて通れない。各党は政策能力と信頼性を問われる。むしろ国政選挙こそ、改革能力を問う好機と捉えるべきではないか。
転機の教育 満足な教育、財力次第? 専門家らに危機感 02/10/07 7
親の経済力や学歴の違いが、受けられる教育内容を左右し、その結果、生まれる格差が広がっているのではないか。教育社会学者たちのこんな「警告」が相次ぐ。その論点とともに、教育費についてまとめた。

この問題で、最も積極的に発言してきたのは東京大学の刈谷剛彦教授(教育社会学)だ。
昨年11月、関西の都市圏で行われた調査と同じ問題を使い、同一校の小五と中二を対象に国語と算数のテストを実施した。
「塾に通っているか」を子どもたちに尋ね、家庭の経済力を間接的に示す指標として比較し、塾に通っていないこの学力の低下が特に著しいことを指摘した。
今年2月には首都圏の普通科高校11校の3年生約千人を対象に進路意識を調べた。進学就職の準備を全くせずに卒業する生徒は15%いた。「経済的な余裕がない」かていほど、その割合が高いことがわかったという。
文部科学省は、総務省の家計調査から45〜54歳の年収のデータを取り出し、年収により5等分。その分起点になる年収を、文部省の学生生活調査の結果に当てはめて、親の年収別の在学者の割合を算出している。
大阪大の近藤博之教授は、この調査を元に。最下位層と次に低い層を「下位層」、最上位層と次に高い層を「上位層」として、それぞれの比率がどう変化しているか調べた。94年は下位層(739万円未満)が38%、上位層(917万以上)が40%とほぼ均衡したのに対し、00年では下位層が34%上位層が48%と差が広がっていた。
さらに、大学生の親の年齢層により近い年齢を40〜59歳と想定。このデータを統計学的に処理した結果、格差拡大の傾向はさらに顕著に表われた。
長期的にみると、下位層が大学生に占める割合は76年で2割強。6割近い上位層と差があったが、80年代にはいったん下位層のシェアが伸びた。90年以降、再び格差拡大の方向に転じ、00年では28%。上位層は50%となっていた。
国民生活白書によると、夫婦と子ども二人の世帯が授業料や塾代、通学定期など教育関係に支出する費用は月額4万4471円(99年)。家計支出の13%。旧東海銀行の「子どもの教育費」(00年)によると、教育費を負担に感じる世帯は「多少」と「大変」を合わせて65%にのぼった。
特に私立中の学校教育費は月額5万円を超え、公立の5・3倍。塾費用などを加えると、小中高すべて私立で過ごした場合の教育費は12年間で一千万円近くかかる。
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家庭環境による格差是正を 刈谷剛彦教授(東大)に聞く
一連の教育改革を、親の所得や学歴などの「階層」間格差から検証してきた東京大学の刈谷教授に聞いた。
−「ゆとり教育」で、学力の格差が拡大したと一貫して主張してきました。
「われわれあの調査結果では、この10年の教育改革の間に、塾にいける子どもといけない子どもの間の学力差が広がるなど、家庭環境による学力の格差が拡大している。単に全体の学力が低下しているだけでなく、学力が格差を拡大しながら下がっているのが最大の問題だ。」
−文部科学省も学力向上対策に乗り出しましたが。
「学力低下論が「できる子はどうなる」という議論から始まったために、『できる子』対策に始終しがちだ。『全員が100点を取れる』ために学習内容を削減したはずなのに、全員が100点取れない現状を放置して、『できる子にはもっと発展的な内容を』というのでは、本末転倒。誰の学力が落ちているのかという視点が抜け落ちている。」
−階層間で額六格差が広がることでどんな問題が起きていますか。
「われわれの調査では、近年、急増した高卒無業者は親の経済力が弱く、雇用も不安定な階層出身者が多い。子どもにとって、どの家庭に生まれ育つかは選べないことなのに、自己責任を問う社会からは、『自分で勝手に勉強をしなくなった』と見なされる。
個人が選べない家庭的背景によって、早い段階から学校での成績が左右され、さらには将来の所得や職業などの機会が影響を受ける。。これが自由な社会といえるのか。」
−社会にとっての影響は。
「教育は本来、人への公共投資だ。インフラ的な役割を担っている。今、格差を放置すれば、雇用問題のみならず、税収を通じて、将来の福祉、医療にも大きな影響がでるだろう。
教育の先にある労働市場ではこれまで以上に過酷な競争が待っている。だからこそ、義務教育段階では、なるべく格差を広げすぎずに全体の質を高めていく。これが公共性の原理にたった教育の役割ではないか。
日本で教育における「競争」が語られると、わが子の問題としか捉えられない。社会全体で、公教育の役割を考える視点が必要だ。」
−今、まず何が必要ですか。
「『最低基準』になった指導要領を、できる限り多くの子どもが到達できるように保障する手立てを打つべきだ。改革に急ブレーキをかけられない以上、『最低基準』を誰もが到達すべき目標として作り直すしかない。
財政的な支援を充実させるとともに、総合学習のあり方を含めて学校での教え方の工夫と自由度を高める必要がある。」
−具体的には。
「一つは少人数学級や習熟度別授業。徐々に進んではいるが、教室が足りなかったり、非常勤講師で対応するために教師間での連携が足りなかったりで、十分ではない。
地方分権も大事だが、『勝手にやれ』ではなく、今各地で進んでいる教育改革の成功例などをもとに、それぞれの地域が学び合えるモデルケースを示していくことが重要だ。」
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転機の教育への意見・体験談 syakai4@ed.asahi.com