Blind Spots in ISO 14001
             ISOの死角
         
ISOの威を借る狐?

ISO 14001 は、国際的な非政府機関である国際標準化機構(ISO)で
制定した環境マネジメントシステムに関する規格です。


化学工場周辺の刺激臭が問題になり苦情が出ている最中、工場側は
ISO認証取得に自信を得て、「もしそのような公害が工場に発生して
いるなら、第一、国際審査に合格する筈が無い」という高飛車な態度で
押し通していました。

ISO合格を楯にして、公害の可能性さえ頭から否定されたのでは、
原因究明や問題解決どころの話ではありません。

ISO資格が、水戸黄門の印籠か免罪符同然に利用されるなら、
たまったものではありません。
地元に住んでいない人が認証した資格の方が、地元の悲痛な声より
も重んじられるのは不気味です。


ISO資格が、身の潔白を主張する権威として重んじられ、住民の
苦情が軽くあしらわれ、問題の存在を頭から否定され、建設的な話し
合いにすらならず、解明を延期させる一因となるのでは、本末転倒
であり、残念でなりません。

会社が何かにつけてISOを持ち出し、それを自己正当化に利用する
のは、権威を笠に着る昔の高慢な人達を彷彿とさせました。
この認証制度の一体どこに、問題があるのでしょうか?

ISOを指導、認証する際には、見知らぬ人々の健康と命がかかっている
ことを、どうぞ忘れないで下さい。

ISOが皮肉にも、苦情や疑問をはねつける城壁の如くに用いられ、
話し合いや環境問題解決を促進するどころか、ブレーキ役となり、
逆効果をもたらした
ことは、残念でなりません。

ISOを認証する人々の責任に於いて、資格の悪用、誤用を予防し、
それらにきちんと対処していただきたいと切望します。

私がISO審査機関に苦情を伝えると、会社側は主張を一転し、
「そんなつもりで言ったのではないけれど、そう言う風に受けとめられた
としたら済みません」と、審査機関に弁明して済ませたそうです。

一方、ISOを認定した ・・化学 ・・・・・ 株式会社の環境審査部長は、
こう説明しました。
「誤用された場合は、私どもとしては、どうしようもありません。」

それでは、余りにも情けなく、無責任なISOの実状です。
認証を発行する以上は、誤用が生じた時の対応を厳格に行う
必要はないのでしょうか?

「規格をきちんと読めば誤用は起こらないはずなのですが。」とも
説明しています。しかし、はずのないことが容易に生じた
ばかりか、
自治体の環境担当者達も含め、多数の責任者達がISOを過大評価
し、苦情や疑問に対する頭ごなしの権威として用いました。


一刻を争う深刻な環境問題の解決に、ISOが役に立つどころか、
昔ながらの権威主義に堕ちてしまった
ことは、余りにも現実に
そぐわない残念なことです。
一体何のためのISOなのだろうと、幾度も疑問を抱きました。

ISO認証を取得したからと言って、公害が無いとか、優秀な製品だ
とか、そのようなことを保証するものでは全くない
と審査機関は
言明しています。

しかし、同様の弊害は、国内ですでに幾つか発生していると聞きます。

ISOの副作用を知らずして手放しで持ち上げる風潮は危険です。
ISOの死角と審査員の教育を見直す必要がありそうです。

どうぞこの苦い経験がどこかで繰り返されることの無いよう、よろしく
ご検討願います。ISO関係者のご尽力が生かされ、ISO認証取得を
住民として心から喜び安心できるような現実になることを希望します。


工場側からは、異臭に関し「思い当たることは全くありません。第一、
ISOに合格したのです。」と言われて解決を延期され続け、自治体も
工場側の発言をそのまま支持してきた以上、もはや必死になって
解決を自ら探し回ることだって、せざるを得ません。

私がISOの審査機関に審査の実状を問い合わせ苦情を伝えたことで、
工場と自治体の担当者達は憤慨しました。
調査、質問、苦情等は全て自治体を通し、自治体に委託すべきだと
私に強く要求し、外部への発言を何とか押さえようとしました。

全ての苦情は直接工場に言うのではなく、自治体経由で言うように、
と工場側が強く要求し続けたのは、特に意味があるのでしょうか?
苦情が直接あれば、ISOの規定により帳簿に記さなければならないが、
自治体経由なら、単なる連絡事項という抜け道になる可能性がある
のではないでしょうか?

この防止措置や罰則は、ISOの規約にあるでしょうか?

刺激臭は工場から直接流れて来るのに、それへの苦情や要望は
直接寄こすな、とは実に虫の良い要求です。
工場側が余りにもそれに
こだわったのですが、その辺、ISOの死角は大丈夫でしょうか?

もちろん、自治体経由で陳情することもありますが、直接行うことも
時には必要です。自治体に要請しても、工場側にいつまでも伝わって
いないことが時々あります。

NEW

JIS14001には、次の一文があります。
「このシステムの成功は、すべての階層および部門の関与、特に
最高経営層の関与のいかんにかかっている。」


その巨大企業は、よほど最高経営層がISOの真意を理解していないか、
部下への伝達に問題ある組織なのでしょうか?


このホームページを読み、日本の事情に関心を持つ外国の人から
親身なるコメントが、次のように寄せられました。
             (国際交流事業のためによく来日する人)

 その煙った街の写真は当面の日本現状かと目を疑った。
世界中に、環境保全の必要性を叫んで、また、発展途上国に文句を
付けたり、資金や技術援助をしている日本の国土に、そんな環境が
存在しているとは正に作者が言う死角かもしれないが、死角とは目が
届かれていない隅を意味している。
一旦、誰かにより現状が指摘され、人々がそれに視線をおとせば、
もう死角にならない。何らかの注意や対策は必要だろう。
意識的に、露出した現状をまた死角にしようとする企みは、世界中の
環境保全事業に熱心に貢献した日本国というイメージには反する。
さらに、その企業 ( または自治体 ) は、もしISO 14000シリーズも取得
していれば、不思議です。
ISOの死角ではなく、ISOの失格ではないでしょうか。


HOME