6/28 fri. さいたま [ 奇跡のYシャツ ]
山のような洗濯物に気が付いていながら、ぼくも迂闊だった。会社に着ていくYシャツがない。
嫁さんはしばらく洗濯という行為をしていないようだ。確かに雨ばかりだったし、今週は休みがないともこぼしていた。結果、着ていくYシャツが無いわけだが、Yシャツでこの悲劇が起きるのは初めてだ。「あの、履いていくパンツがないんですけど」 「あら困ったわね、んじゃ今日は水着でもはいていって」 パンツでは1回あった。

厳密に言うと、着ていくYシャツがないわけじゃない。形状記憶のシャツをローテーションしているので、アイロンのかかっていないYシャツならある。しかし、着ていくYシャツが無いのに気が付くのは、あわただしい朝のことだ。アイロンをけている時間などあるはずがない。仕方なく、よれよれのYシャツを着ていった。

よれよれを着ていると、気分もよれよれになっていく。新しいYシャツを買おうと昼休みに紳士服屋へ行った。店へ入ると、みすぼらしい自分に体温が上がる。店員に話しかけられる前に、とっとと選んでとっとと帰ろう、と思ったとき、自分の首回りと腕の長さを知らないことに気が付いた。
こんなみすぼらしい格好で、店の人を呼んで計ってもらうのには抵抗があり、僕は足早に店を出た。さて、困った。午後にはお得意さまに行かなければならないのに、この格好のままという訳にはいかない。こうなったら何でも良いと、僕はディスカウントショップへ行った。もちろん、どんな安物にもサイズはある。しかし、安物だけに、失敗したときの金銭的リスクは小さい。思い切った選択が出来るだろう。***袖の長さはジャケットで隠せるので良い。問題は首回りだ。40、41、42、43〜とサイズがある中で、最も在庫の豊富な41を選んだ。自分の首は平均的な日本人男性の首の太さだろうと考えたからだ。奇跡だった。40でも良いかもしれないが、袖の長さもバッチリだった。新しいYシャツはなんと気分が良いのだろう。

Back